しばらく温度ネタが続いたので今回は軽い小コネタを。いわゆる巨大クーラを装備するのはいいんですが、その後
Slot1 に固定するのって皆さんどうしていますか? 初めて Celeron
にアルファ社のP125をつけた時、わたしなどは結構悩んでしまいました。
ええい、男が小さい事に拘ってどうする。リテンションなしで突っ込むだけじゃ!
そもそも、PCを縦置きで使おうなんて思ってるから駄目なんや。ケースごと寝かせて突っ込むのみ!
リテンションなんぞに頼らないで、自分でステー作ってるに決まってじゃねえか!
という方はまあ置いておくとして、ここではメンテナンス性と安全性の両立という意味で、一般的なリテンションキットを使用して巨大クーラ付きのCPUの固定方法について考えてみたいと思います。
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通常のリテンションキットの問題
リテンションキットは通常マザーボードについてきます。私の知る限りでは大別して以下の3種類が付属している様です。
タイプ1 |

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Slot1の初期のSECC(PentiumU)専用タイプです。上部の穴に、P2のカセットの爪がカチッと入り固定されます。最近ではほとんど見なくなってしまいました。 |
タイプ2 |

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現在主流のSECC2(PentiumV)、Celeron
共用タイプです。下部がヒンジになっていて折り畳み可能です。ユニバーサルリテンションと呼ばれる事もあります。リテールファンのサイドの切り欠きを利用して固定します。 |
タイプ3 |

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Celeron専用タイプです。Celeronが出始めの頃はタイプ1と同梱される事が多かった様ですが最近ではあまり見ません。SECC2にも使用可能です。リテールファンのベース部を溝にはめる形で固定します。 |

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タイプ2は及び3は基本的にリテールファンを利用して固定する様になっています。従って、巨大ファンを利用した場合CPUの固定ができず左の写真の様にグラグラになってしまいます。タイプ1について何を云わんやですね。
また、タイプ2の場合横に折れ曲がった部分の幅が大きい為、ファンのサイズによっては干渉して取り付ける事すらできません。そもそも折り畳み機構のせいで、根本的な剛性の問題があります。
タイプ3に至っては、リテールファンを受ける溝が結構高い位置まで来ている為、干渉してしまい全く取り付ける事ができません。溝を削れば取り付けは可能ですが、固定ができない事には変わりありません。 |
とまあこういった次第で、一般的なリテンションキットによる巨大ファン付きCPUの固定にはかなりの問題があります。
2 固定方法
それでは少し知恵を絞ってみましょうか。以下に示す方法は色々な掲示板で紹介された方法や雑誌で読んだ方法を頂いたもので決して私のオリジナルという訳ではありませんが、私自身色々試してみてこれならいけるだろうという方法です。(もっといいアイデアをお持ちの方はご一報下さい)
1 サンドイッチ方式
[ヒートシンク取り付け方法とサンドイッチ冷却の謎]でご紹介した方法です。タイプ2のリテンションキットと併用します。この場合、通常のリテールファンをCPUコアと反対側に取り付ける形となりますので、ほぼ問題なく取り付け固定する事ができます。
問題は、巨大ファンとリテンションが干渉する場合には、リテンションキット側を少し削る必要がある事と、タイプ2のリテンション自体の剛性不足からくるガタツキ感でしょうか?しかし、コストもほとんどかからず悪くないと思います。
ただマザーによっては、Slot1
裏側のコンデンサとリテールファンが干渉してしまう場合があります。その様な場合には、写真の様にリテールファンの端側を削ってやる必要があります。

2.フタによる固定
タイプ1のリテンションキットを利用します。Celeron専用ファンの初期の物(CoolerMaster等)に同梱されていた溝付きのフタによって上部からCPUのエッジを固定するという方法です。CPUの下は
Slot1
で、上はフタで固定する為、なかなか良い感じで固定されます。
ただ問題はパーツの入手製でして、現在ではほとんど見掛けません。たまに在庫処分で格安で出ている事があるので見掛けたら買っておくのも一興でしょう。
99.07.01 追記
PPGA Celeron を持ってもいないのに、安かったので Slot-1用ドータカード
MS-6905D
を買った所、写真の様なフタがついてきました。これもタイプ1のリテンションキットを利用するタイプですね。赤矢印の窪みの部分を、カード側のエッジに引っかけて固定します。カッター等で少し加工してやれば、Slot1-CPU
の固定にも十分使えると思います。今だったら、入手性も良いので有効な手段かもしれません。
99.07.18追記
と思ってやってみましたが、MS-6905Dは、P2 や P3
の基盤より少し高さがある為、うまく固定できません。スペーサをかましてやる等の工夫がいりそうです。
99.10.11追記
TWOTOPでCeleron用リテンションとしてストレートリテンションと固定キャップのセットが販売されていたので購入してみました。\480程でした。下左の写真の様に、キャップには基板固定用の爪がありPentiumU,V系基板をがっちりホールドしてくれます。おまけにSECCの爪用の穴を利用してロックもされます。固定はかなりガッチリとしており非常にいい感じです。レール式を越え、ここで紹介している中でベストの方法と云えると思います。見掛けたらひとつ買っておいて損はないのではないかと思います。(写真はPentium3
+ P3125 です)
3.レールによる固定
最後は田川アルミさんのTAKAシリーズ用CPUアタッチメントに同梱されているガイドレールを使う方法です。タイプ1のリテンションキットのガイドの内側にCPU基盤用の溝がほってあるレールをネジ止めするという方式です。(\1000
位だったと思います)
コロンブスの卵的発想ですね。初めて見たときは感動してしまいました。なかなかガッチリ止まりますし、ここで紹介した方法の中では一番剛性も高いと思います。唯一の難点はロック機構を持たない事ですが、Slot1にしっかりに差し込めば問題ありません。
99.07.18追記
レール式に対して更に確実に固定したい場合は右端の写真の様に、インシュロックで結んでやるといい様です。なかなかガッチリといい感じで固定されます。
私は、TAKA100+空冷ペルチェで膨れ上がったCPUユニットにこの方式を利用しています。
冷却やCPUファンの事はよく話題になりますが、その後の固定の事はあまり話題になんないですねえ。皆さんどうしてるんでしょう?もしかして、私の知らない画期的かつ誰もが知ってるような方法があるんでしょうか?
それ考えると夜も眠れない今日この頃です。
貴方はどうされてます? え? 定格でリテールファン?
重ね重ね失礼致しました。^^;
99.10.11追記
上記の様な次第で、お勧めをキャップ式に変更します。安いですしね。