Vapochill_Tune3 回転数制御
ー或いは、今夜はレッドゾーンダンシング-
LastModified 02/10/27
「めぐるめぐる、全てがめぐる。めぐるめぐる、誰もがめぐる。
求めるものを知らず、すがるべきを知らず。」
(高橋 良輔監督 「装甲騎兵ボトムズ
赫奕たる異端」-第3話「巡礼」予告より)
という訳で、懲りもせずVapochill TuneUp part3
です。今回はコンプレッサの回転数を変更してみました。
1. 回転数制御
 |
Vapochillに使用されているDanfoss社製のコンプレッサBD35Fは回転数可変のインバータタイプです。
私は知りませんでしたが、コンプレッサメーカとしては超有名だそうで、仕様の詳細なPDFファイルが用意されています。これによるとデフォルトは2000rpm、MAX3500rpmで電源部の一番下の端子(T端子)と下から3番目の端子(C端子)間の抵抗で制御されています。 よっしゃ! デフォルトが2000rpmだったら一気に1.5倍速じゃ〜!!
と考えるのが素人の浅はかさ。はてさて、どうなりますやら・・・ |
仕様書によるとコンプレッサ回転数と抵抗の関係は以下の様になります。直線になっていないのが嫌らしいですねえ・・・
Resistor Ω |
Motor speed rpm |
Contrl.circ. current mA |
0 |
2000 |
5 |
277 |
2500 |
4 |
692 |
3000 |
3 |
1523 |
3500 |
2 |

デフォルトで実装されている抵抗を測ってみた所、1.5kΩでした。
・・・・・くっそー、既にMAX設定になっていやがったか。そらそーだ(爆)
諦めきれずに抵抗を上の写真の様に、2kΩの可変抵抗に換えて抵抗値を変化させてみた所、1.76kΩまでは動作する事がわかりました。それ以上は保護回路が働くのかピクリとも動きません。大雑把に見積もって3700rpm程度といった所でしょうか。(実際の所はコンプレッサの振動をFFTかけてみないとわかりませんが・・)
まあ、わずか200rpmでどれだけ違うかという所ですが、折角可変抵抗につけかえたのですから。2000rpmも含めて測定してみます。
2. 検証条件
計測条件
冷却ユニット単体駆動にて、エバポレータを右図の様に断熱し無負荷の状態で、各回転数起動1時間迄の温度計測。それ以後、傾けて(ケース正面右下に雑誌をスペーサとして3mm挟む^^;)60分経過後に温度を計測。(それぞれの回転数は日を改めて測定)
計測位置
Evapo :エバポレータのCPU接触面上部(CPUの真上)
CompUp :コンプレッサ 頂上部
CompLow :コンプレッサ 戻り銅管付け根付近
|
 |
3.実験結果
室温 約25℃
起動時間(min) |
2000rpm |
3500rpm |
3700rpm |
Evapo |
CompUp |
CompLow |
Evapo |
CompUp |
CompLow |
Evapo |
CompUp |
CompLow |
0 |
26.0 |
26.5 |
26.2 |
26.1 |
26.8 |
26.5 |
24.6 |
24.2 |
24.0 |
1 |
25.4 |
26.3 |
25.9 |
25.7 |
26.6 |
26.3 |
24.4 |
23.8 |
23.7 |
2 |
24.9 |
26.3 |
25.9 |
-2.7 |
26.3 |
26.0 |
0.8 |
23.6 |
23.7 |
3 |
24.4 |
26.4 |
25.9 |
-26.0 |
26.4 |
25.9 |
-27.0 |
23.7 |
23.7 |
4 |
6.5 |
26.3 |
25.6 |
-29.0 |
26.5 |
24.2 |
-29.0 |
24.0 |
20.7 |
5 |
-19.5 |
26.1 |
25.3 |
-30.0 |
26.0 |
21.3 |
-30.0 |
23.3 |
18.4 |
6 |
-26.0 |
26.0 |
25.2 |
-28.0 |
25.3 |
20.8 |
-29.0 |
22.8 |
18.4 |
7 |
-27.0 |
26.0 |
25.0 |
-30.0 |
25.0 |
20.2 |
-29.0 |
22.6 |
18.0 |
8 |
-27.0 |
26.0 |
23.8 |
-29.0 |
24.7 |
19.8 |
-29.0 |
22.6 |
17.8 |
9 |
-28.0 |
25.6 |
23.3 |
-29.0 |
24.6 |
19.4 |
-29.0 |
22.6 |
17.7 |
10 |
-28.0 |
25.3 |
22.5 |
-28.0 |
24.4 |
17.8 |
-29.0 |
22.6 |
17.1 |
11 |
-28.0 |
24.8 |
21.5 |
-28.0 |
23.9 |
15.5 |
-29.0 |
22.4 |
16.0 |
12 |
-27.0 |
24.6 |
21.2 |
-29.0 |
23.5 |
16.0 |
-29.0 |
22.2 |
14.8 |
13 |
-27.0 |
24.2 |
21.0 |
-29.0 |
23.5 |
16.5 |
-29.0 |
22.1 |
14.0 |
14 |
-26.0 |
24.0 |
20.8 |
-29.0 |
23.5 |
16.5 |
-29.0 |
22.0 |
14.0 |
15 |
-26.0 |
23.7 |
20.5 |
-29.0 |
23.6 |
16.5 |
-29.0 |
22.0 |
15.2 |
30 |
-25.0 |
21.8 |
17.8 |
-29.0 |
24.0 |
15.7 |
-29.0 |
23.2 |
15.1 |
60 |
-26.0 |
21.5 |
18.4 |
-29.0 |
24.2 |
15.4 |
-29.0 |
24.0 |
16.2 |
傾3mm |
-29.0 |
27.1 |
25.3 |
-34.0 |
35.5 |
30.4 |
-35.0 |
41.1 |
36.6 |

うーん、まあ何ですね。2000→3500rpmでは随分と加速が違いますが、
3500→3700rpmではほとんど一緒です。
若干(1℃程度)下がったかな? という所でしょうか。
4.考察
3500romに対して、傾けた時に3700rpmの方が1℃下がってはいますが、それ以外では
最低温度、到達時間共にほとんど同じ
です。圧縮が上がる事で、戻り銅管部が減圧されて冷える筈なのに・・・・2000rpmと3500rpmでも最低温度は3℃程度しか変っていないので(最低温度への到達時間は2倍近く長くなっていますが)無負荷では正確な評価はできないのでしょうか?
次回はペルチェで定負荷をかけて差を比べてみようと思います。まあ、実際には3700rpmまで上がってないのかもしれませんが・・・・
すみません、もう少し追試してみます。ああ、またも同じオチ(T_T)
5.独り言
という訳で1.5倍速の野望は脆くも崩れ去りました。しかしまあ、断熱無負荷条件で-29℃までいける事は確認できたので善しとしましょう。一番最初には、断熱無無負荷で-21℃、断熱有無負荷で-24℃だった訳ですから、少しずつではありますが、進歩が見られますね。もういっちょいってみましょうか。まだまだ俺のハートはレッドゾーンダンシングだぜ〜い(爆)
「我もゆく、運命のままに。焼けた大地に孤影を踏んで」
(高橋 良輔監督 「装甲騎兵ボトムズ
赫奕たる異端」-第3話「巡礼」予告より)
さらば〜、す〜ば〜る〜よ〜♪ あれ?
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