男性更年期障害と漢方薬
最近では、男性更年期障害(LOH症候群)も広く認知されるようになりました。
「加齢による男性ホルモンの部分欠乏に起因する諸症状」と定義され年齢としては40歳~60歳が対象となります。しかし個人差はありますので、60歳以降が全ての人によく起こる加齢による肩こり、腰痛などは他の疾患との鑑別が需要となります。
職場での仕事、人間関係のストレス、家庭内のストレスなども関与し、今この男性更年期障害をはじめ、ED、ストレス性疾患、疲労感等様々な症状を訴える人が増えてきました。
男性ホルモンの低下は女性のホルモン低下に比べ緩やかですが加齢から来る肉体的老化、生活習慣病もなども気になるところです。
漢方薬や漢方養生法で活気のある自信に満ちた快適な毎日を過ごしたいものです。
男性と漢方薬 症状別
男性更年期障害の症状
男性更年期障害の症状
落ち込み、抑うつ、イライラ、不安、神経過敏
【身体症状(機能性)】
疲労感、関節痛、筋肉痛、発汗、集中力低下,性欲低下、精力減退、勃起障害(ED)、朝立ちしない、射精感の減退、夜間尿、尿の切れが悪いなど
これらの症状に対し、ノコギリヤシ、マカ、亜鉛、ピクノジェール、アルギニン、オルニチンなどを摂取される方もいらっしゃいますが、基本中の基本は、昔からアンチエイジングに使われてきた漢方薬です。
男性更年期障害の漢方薬
泌尿器科では、検査の結果、男性ホルモンの低下が見られた場合、ホルモン(テストテロン)補充療法を行います。テストテロン補充療法の場合、前立腺がん、前立腺肥大のリスクが高くなりそれが気になり、漢方薬で改善を希望される方も多くあります。
○ストレス・タイプ
イライラ、不安感、集中できないなどストレスを受けやすい人には柴胡剤が配合された漢方薬ををその人の証に従い処方します。
ストレスの感じ方は、人それぞれで、ストレスを感じていながら自覚していない場合もあります。
○性欲(精力)減退タイプ
全身倦怠感、気力が湧かないなど元気のない人は漢方では腎虚とみて、腎を補う漢方薬を処方します。
性欲減退、精力減退については、男性不妊症のページを参照してください。
(代表処方:八味地黄丸・牛車腎気丸)
○胃腸虚弱タイプ
食欲不振、消化不良など胃腸が弱い方には補気剤を中心に胃腸機能を高める漢方薬をその人の証に従い処方します。胃腸機能改善で、疲労感が解消し元気やる気が出て、仕事、プライベート共に充実してきます。
胃腸虚弱+性欲(精力)減退の方は、先ず漢方薬で胃腸を丈夫にしてから腎を補う漢方薬を用いるか、両方を補う漢方薬を同時に用いる方法があります。
しかしそれが適しているかどうかは専門的かつ漢方独特の判断を要しますので先ずはご相談ください。
男性更年期障害に使う漢方薬は、男性不妊症にも良く使います。男性機能の充実には欠かせない処方です。
漢方コラム
漢方薬には、○○湯、○○散、○○丸というように、処方によってその製剤の製法を表す文字がつきます。丸とは、生薬を薬研などで粉末にしたものを蜂蜜などで、熱を加えることなく丸く固めたものです。
なぜ、丸剤なのかというと、生薬には、水に溶けにくいもの、熱を加えると有効成分が揮発してしまうもの、そのままの方が、消化吸収が良いもの等が有ります。
そういった生薬で構成されている処方は、漢方薬の原典である「傷寒論」や「金匱要略」には、丸で用いることが書かれています。
丸剤は、蜂蜜で固めてありまが、蜂蜜は、漢方では胃薬に分類され、胃腸を守る働きがあります。たとえば、八味地黄丸や桂枝茯苓丸をエキス顆粒にすると、有効成分が失われてしまう上に蜂蜜を配合しないので胃腸を守る役割が欠落してしまします。また、蜂蜜を使うことで保存効果があり服用しやすい剤形とも言えます。
葛根湯や桂枝湯などの煎じる漢方には、甘草、大棗、生姜などの胃腸を守る生薬が配合されているので、エキス顆粒でもいいわけです。
八味地黄丸や桂枝茯苓丸や六味丸などの処方は、原典の指示どおりの剤形で服用する方が、効き目も確かで、胃腸にも優しいわけです。
漢方研究家によると「丸剤は、正気を緩養し、病を急速に駆除し難き場合に用いる」と説いています。
現代の分析結果でも、丸剤とエキス剤では、有効成分に差があることも分かっています。
ストレスと男性更年期障害
男性は、女性に比べストレスを受けやすく、ストレスがかかると男性ホルモンの分泌が低下します。
仕事盛りで多くのストレスを抱え、発散、解消できないままでいると更に低下し、性欲低下、精力減退となります。
日本漢方の古典である、曲直瀬道三の啓迪集には、男女の気の病の違いについて
「大抵男子は、陽に属し気散じやすく、これを以て男子の気の病常に少ない(女性と比較して)故に治する法は、男子その気を調え以ってその血を養う」
とありますように、男性は、精神安定、気のめぐりを良くすることから血流も良くなり元気になるといっています。
休日は、オンオフの切り替えをして、気分転換をしリラックスしましょう。体を動かし心身のバランスを整えましょう。
また、漢方薬は「気の医学」とも言われ、ストレスに対応できる漢方処方がそろっています。
即効性があるものとして、麝香や龍腦が配合されたものがあります。このような即効性のある漢方薬をうまく使うのも毎日を快適かつ元気に過ごすためのお役に立つことでしょう。
また、精力減退、性欲低下は、加齢やストレスから起こる腎虚であり、腎気丸の活躍する場面でもあります。
腎虚を補い腎気が盛んになると若返りだけではなく、何事にもやる気が出て、仕事もはかどり、何事も前向きになります。
腎を補い気のめぐりを良くする漢方薬は、当にアンチエイジング漢方と言えます。
男性更年期障害やEDの漢方薬・養生法のご相談は上郡町の漢方薬専門「漢方芍薬堂」へお気軽にどうぞ。
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