「竜の眠る星」       清水玲子先生


代表作として、どれをあげればいいか迷うくらいに多くの名作がある清水先生ですが、どれか一つあげろ、と言われたら私が選ぶのはこの作品です。


花とゆめコミックスでは全5巻。
おなじみ、アンドロイドで探偵であるジャックとエレナは ある依頼のため「竜星王(セレツネワ)」に行くことになります。
そこは 名前の通り、竜が暮らす星。
そして、ふたつの王家が争う星でした。

その類まれな美貌とうらはらな気の強さと残忍さで有名なカテア女王の治めるルルブ王国と、なにかエレナと過去に因縁があるリプシェア王が治めるシュマリ王国。

王家の血筋に関する秘密が悲劇を招きつつある中、星そのものにも危機がせまります。

(以下ちょっとネタバレ。未読の方はここを読まずに ぜひ作品のほうを読んでください)




みんなが避難して、無人の星になった王宮に一人残ったカテア女王・・・。
その女王が娘の死体をひきずって 長い長い階段を上っていくシーンは とてもとても美しく印象的なシーンでした。
自分のドレスが破けるのもかまわずに、娘の死体に涙を落としながら「まってなさい。 今 最上階の霊廟につれていくから 王族だけが入る 美しい霊廟に おまえを」・・・残忍と言われた女王が初めて「母の顔」になり、娘の死体をひきずっていく・・・。なんと悲しくも美しいシーンでしょう。

それでもいき続けるアンドロイドのふたりと  二つの王国の歴史を飲み込んで進化をする星・・・
余韻を残す見事に美しいラストです。

  ここだけの話・・・私と清水玲子先生

直接、お会いしたことも、お話したこともないのですが、そこは同じ白泉社。
お噂をきいたり、パーティでお姿を見たりというチャンスはあります。

一番初めの接近遭遇は 私がアテナレディスに入賞して初めて呼んでもらったパーティで。
同じ賞に入賞した作家さん(今は別の雑誌で活躍中)の方が清水玲子先生のアシスタントをしているということを聞きました。
大好きな作家さんということで、ミーハーに徹して清水先生のことをいろいろきいてしまいました。
そりゃもう、ますますファンになるようなお話ばかりきかせてもらいましたよ^^。

パーティ会場でお見かけするときは、こっそり見つめるだけしかできなかったのですが、「みんなからサインをねだられて、快くサインしてたよ〜」なんて あとで情報がはいったりすると、「お願いすればよかった〜」などと悔やんだりしています。

2006年7月31日記