古本屋さんの話

古本屋さんと漫画家って、微妙な関係です。
漫画家の貴重な収入源である単行本の印税は 発行した部数によって支払われるものなので、古本屋さんで単行本を買ってもらっても、漫画家には何の利益もないわけです。
それどころか、新品を買ってくれるかもしれない読者さんが古本を買うことで 重版がかからずに不利益にさえなってしまうかも。

・・・なんていいつつ、実は私はかなり古本屋さんが好きです。

近所にある「古本○国」の会員証を持っていて、のんびり本をあさるのが好きです。
いまどきの本屋さんは 立ち読みができませんが、古本屋さんは読めるところが多いので 長いシリーズのものなど、はじめのほうを読んでみてから(本屋さんでそのシリーズを)買うかどうか決めたりもします。

けれど・・・
初めて自分のコミックスがでたあとは 古本屋さんは私にとってちょっとスリルがある場所になりました。

ついうっかり、自分のコミックスが棚にあるのを発見したりすると なんだか悲しい気持ちになってしまうのです。

つまり、コミックスを買ってくれたものの、「ちぇっおもしろくない。こんなの古本屋に売っちゃえ」と思った人がいるわけですよね???・・・なんというか切ないです。(;_;)

幸い、私はコミックスの数も少ないし、発行部数も少ないのでそういう事態にはあまりなりませんが。
(さ、幸いなのか?なのか?)



そしてこれは 初めてのコミックスがでてしばらくたったときのこと。
父が電話をかけてきて、嬉しそうにこう言いました。

「××子(私の本名)のコミックス、古本屋で見つけたぞ!」

うひゃ〜〜あったのか〜〜とへこんだ私。
そんなこと嬉しそうに報告しないで〜と言うと、

「だって。100円均一の棚じゃないところにあったぞ!すごいじゃないか」と父。

いや、それは嬉しいかもしれないけど・・・古本屋さんに出されてしまったということは・・・;;;

「それで、読者が増えれば嬉しいじゃないか!」


前向きに考えれば、そうです。
古本であっても なんでも 読んでもらえれば嬉しいです。(売った人のことはあえて考えず)

 「この本はちょっとひきとれませんね〜」と古本屋さんにさえ断られている自分のコミックス・・・というのを想像すると そっちのほうがコワイなあ・・・と最近は思います。


2006・11・05

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