ちょっとみなさん思い出して欲しいのですが、青島幸男っていう才人の都知事がいたんですよ。このひとが都知事として何か仕事をしたのを覚えている都民がいますかね?
この人がやったのは、公約だった都市博の中止だけですよ。このワンイシューだけの選挙で、国政の時と同じようにたいして選挙運動もせずに、あの自治官僚出身の石原官房副長官を破って当選し、任期中は何もせず、1期でとっとと退きました。
都庁は官僚並みに優秀な職員がたくさんいるので、都知事なんか何もしなくたって、問題なく動くんですよ。石原さんだって、いろいろやってるように見えながら、週3日しか登庁しなかったんですから。
青島さんなんか、登庁してもやることがなくて、広い都知事室で絵を描いたり、習字をやってたんですよ。わたしはナベプロの渡辺会長の部屋で、青島知事の書いた見事な楷書の、漢詩の掛け軸を会長に見せてもらいましたよ。そこには、「スースー スーダラダッター スラスラスイスイスイー」と漢字で書かれていました。都知事に仕事なんかないんです。「福祉」とか言ってるけど、都税収入の範囲でできることしかできないんだから。
ならば、「神輿は軽くてバカがいい」の本家本元である細川のバカ殿、都知事に何の不足もありません。どうせ途中で辞めるかもしれないし、辞めたとしても誰も困りません。
問題は、「脱原発か否か」。
この都政とほぼ関係ない、どちらかといえば国政の問題を焦点にできるかどうかです。
しかしながら福島由来の放射能汚染の、ひたひたと迫る影におびえる、最大の電力消費地東京で、「トイレのないマンションと、脱原発とどちらを選ぶ?」という、どう考えても答えの決まっている勝負に持ち込むことに後一歩まで迫っている、小泉純一郎氏の勝ちだと思いますね。細川=小泉陣営が、今後よほどの失点をしなければ。
この人の政治センスの切れ味には脱帽です。もちろん、後々のことまで考えて動いていると思いますがね。自民は、小泉さんの選挙での人気と強さを知り尽くしているだけに、強がってはいますが内心は弱り切っているはずです。何か汚い手を使ってくるはず。
まあわたしは、小泉さんが表舞台に戻ってきたことだけで、かなりうれしいんですけどね。