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「ちいさくつくる家」
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 家族4人で暮らす家、「ちいさくつくる」ことで建てる時も、暮らす時も小さなコストですみます。建物が小さくても敷地の余白が大きくなることで、風通し、日射取得、プライバシー確保、そして近隣への配慮などいいことがあります。

 住宅地の中で庭や道との距離が十分に取れない環境のなかで寝室等の個室を1階に、家族の生活の中心となりゆったりした時間を過ごす居間と水回りを開放的な2階に配置しました。1階の個室は外部の視線を気にせず窓を開けることができるように高い位置に窓をつけています。それによって主に就寝と勉強をする部屋は囲まれた雰囲気の落ちついた空間になっています。2階のLDKは屋根勾配を活かした広々としたワンルーム空間、明るく、風通しも良く、視線も特に気にすることなく、心地よく生活できます。階段部分も一体の空間に取り込むことができるので広がりが生まれます。

 構造材と床板にはしずおか森と学ぶ家づくりの会が提供する「森とま材」。静岡市産材で葉がらしを行い天然乾燥させたスギとヒノキを使っています。時間をかけて丁寧に木材として加工した分、木材本来の性能、香りや肌触り、そして強さを保っています。また、この材料は木材履歴が明らかで山で誰が育ててくれた木なのか、どこに立っていた木なのかがわかります。生産者の顔が見える材料なのです。

 窓はすべて樹脂サッシを採用し断熱性能に余裕を持たせています。それと合わせて効率の良い給湯設備、空調設備、照明設備とそれらが上手に機能するような空間のつくりかたを組み合わせることで、生活していくために必要なエネルギーも小さくてすむように計画されています。気候のよい静岡は、しっかり断熱を行なったうえで、冬は日射上手にを取り込み、夏は日射をしっかり遮蔽、通風を考慮することで設備の稼働を抑えながら快適に暮らすことができます。

(設計監理担当:清水利至)













     



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