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「さくらのきの家」
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 南側に広い庭をつくりそこに桜の木を植えたい。そんな住まい手の希望から「さくらのきの家」の計画は始まりました。真四角の敷地の南側道路に面した部分は貸し駐車場とするため、北側が住宅の敷地になります。すべての居室が南面するよう素直に配置した住宅と貸駐車場の間に庭を作り、視覚的なもの、意識的なもの緩衝帯としての役目をもたせました。庭の中心にマメザクラが植えられています。

 1階は玄関から伸びる廊下で水周りと生活空間が分けられ、居間、食堂、台所はすべて庭に面しています。建具は全て引き戸なので季節によってそれらの繋がりを変化させることができます。台所が家の中心にあることでシンプルな作業動線となっているとともに、そこに立つと食堂、居間そして庭まで視線が届くので、子供が遊んでいる様子などを見渡すこともできます。2階は寝室と子供室、将来の子供の成長を考え収納スペースもしっかり確保してあります。

 この家は「しずおか森と学ぶ家づくりの会」が供給する静岡市産の木材を使ってつくられています。柱、梁といった構造材としてヒノキ、板張り天井の材料としてスギを使っています。構造材のヒノキは壁の中に隠れてしまい見えない部分が多いですがしっかりこの家を支え、天井に張られたスギは製材所が良いものを厳選してくれているためスッキリとした木目のやさしい雰囲気に仕上がっています。

 マメザクラの他にも庭やアプローチにはヤマボウシ、キンモクセイ、ジューンベリー、コバノトリネコ、アジサイ、イロハモミジなどといった四季を通して葉や実を楽しめる木々が植えられています。切り妻屋根のおとなしい外観がそういった木々に囲まれ、なじんでいくことで、より落ち着いて奥行きのある住まいとなっていきます。

(設計監理担当:清水利至)













     



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