■ デジタル時計 表示部 ■


● ニキシー管 CD81 ●

 1970年代までの測定器等にはたくさん使われていたニキシー管も、駆動回路に高電圧が必要なことや製造にも手間がかかることから、見かけることもほとんど無くなりました。
 しかし、ネオンガスによるオレンジ色の明かりは暖かみがあり、数字が前後して表示される様子はとてもあいきょうがあります。
 デッドストック品の日立製CD81が入手できたので、デジタル時計に使用してみました。

回路の概要




・まず、ニキシー管(ガス放電表示管)をドライブするためには
 DC150〜200Vの電圧が必要になります。
 
・この電圧の+極をアノードに加えるのですが、放電管の特
 性から放電開始電圧と放電終止電圧に開きがあるので、
 その間の流入電流を一定にするために、必ず電流制限抵
 抗を直列に入れます。
  (抵抗値は、管の仕様により決まります)
 
・そして、−極をカソードに接続すると放電が始まり、対応する
 数字が点灯するのですが、ダイナミック点灯の場合、点灯さ
 せないカソード電極にも多少の電荷が残ってしまい、他の
 数字が薄く点灯してしまう現象が発生します。
 
・これを防止する対策として、点灯させない極のカソード電圧を
 安定させるための、プリバイアス回路を設けてあります。

○ 電源部
 
 ・トランスを使用すれば、200Vの電圧を簡単に作ることが出来ますが、入手の問題と重量と大きさが
  増すことから、DC-DCコンバーターを使用し、DC12Vから200Vの電圧をえています。
 
 ・このDC-DCコンバーター回路は、12V電源やグランドのパターン配線の引き方により、ICの動作が
  不安定になり、出力電圧は得られていても変換効率が悪く、12Vの消費電流が無駄に流れること
  がありますので注意が必要です。
 
 ・ディマー制御は、AVRからアノード電圧のパルス幅で調整しようと思いましたが、AVRカウント部でも
  書いたようにコンパイラのプログラム容量が無くなったため、電源部に直接「cds」を投入しアノード
  電圧をコントロールしています。

○ ドライブ回路
 
 ・アノードの制御は高電圧をON/OFFしなければならないことから、高耐圧のフォトカプラTLP627
  を使用しています。
     TLP627 データシート
 
 ・カソードの制御は、TTL74141を使用することで簡単になりますが、74141がニキシー管以上に
  入手困難なことから、今回はAVR出力にデシマルモードを用意し、10+1本のカソード信号を高耐
  圧のフォトカプラTLP627で制御しています。

回 路 図  GIF版 CD81cir.gif (261KB)  PDF版 CD81cir.pdf (356KB)
 
部品配置図  GIF版 CD81pcb.gif (322KB)
   注意! この図面を使用した、いかなる損害にも責任を負いません。 


側面

後面

上面

内部

基板 正面

基板 側面

基板 後面

基板 上面

基板 ハンダ面
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○パーツの参考資料
 ・DC-DCコンバータ  「秋月電子通商」 昇圧型DC−DCコンバータ・パーツセット (MC34063)
 ・FET/ダイオード類  「秋月電子通商」 で購入可能な物
 ・AM/PM用ネオンランプ  「SATO PARTS」 ネオンブラケット BN-9-Cより
 ・cds  在庫品流用のため、型名不明 (8φ) 約100Ω〜5MΩ
 ・アルミケース  「TAKACHI」 YM−130
 ・アクリルケース  「無印良品」 アクリルポケットティシューケース



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