■ 電子サイコロの製作 ■


 ありふれた工作ネタですが、AVRではコンパクトに作られていないようなので、入門向けに製作してみました。


回路の解説
 
1.電源回路

 
 ・ボタン電池「CR2032」 3Vを使用します。
 ・消費電流は、動作時で最大22mA、停止時はATtiny13Aのマニュアルから約0.15μAです。
  (微少の電流計を持ち合わせていないので、想定値です)

2.AVRとクロック
 
 ・AVRマイコンは、8ピンの安価なAVR「ATtiny13A」を使用。 
 ・動作クロックは、内臓発振器9.6MHzを1/8した、1.2MHzで動作しています。

3.サイコロの目の表示
 
 ・サイコロの目は、4つのパターンの組み合わせで、6つの目を表現できます。
   
 ・1目と6目では、電池の消費電流が大きく変わり輝度に差が出ることと、電池の消耗が
  多くなるので、表示を3つの周期に分けてダイナミック点灯をしています。
 
 ・「フリスク」のケースを透過させて点灯したいので、高輝度のLEDを使用しています。
 ・LEDの穴をあけるか透明ケースに入れる場合は、電流制限抵抗(10Ω)を大きくして、
  さらに電池の消耗を抑えることもできます。

4.動作音と起動スイッチ
 
 ・圧電スピーカーで、動作中の音と、決定時の通知音を鳴らします。
 ・圧電スピーカーに振動(軽い衝撃)を与えると、逆起電圧が発生しますので、これをサイコロを
  振る(始動させる)スイッチと兼用しています。
 
 ・待機中は、AVRをスリープ状態にして、電池の消耗を極限まで落としています。
 ・圧電スピーカーに振動(軽い衝撃)を与えると、ノイズ状の電圧が発生するので、この電圧により
  AVRにピン変化割り込みが発生して、スリープ状態から起動します。
 ・起動後、直ちに振動の波形を約3mSの間A/D変換を繰り返し、その値を乱数としてサイコロの
  目に利用します。
 ・ブザー音と共に、LEDをサイコロ状に点灯させ、その変化スピードを落としながら出目を表示し、
  決定の通知音を鳴らします。
 ・2秒間、出目を点灯させた後、AVRはまたスリープ状態に入ります。



● (V1) 「フリスク」 ケース版 ●

回 路 図  GIF版 ElecDiceCir.gif (83KB)  PDF版 ElecDiceCir.pdf (149KB)
 
部品配置図  GIF版 ElecDicePcb.gif (72KB)
 
   注意! この図面を使用した、いかなる損害にも責任を負いません。

プログラム  テキスト形式 ソースファイル  ElecDice102.TXT (9KB)
 BASCOM-AVR用 ソースファイル  ElecDice102.bas (9KB)
 インテルHEX形式 オブジェクトファイル  ElecDice102.hex (3KB)
 
注意! 著作権は放棄しておりませんので、販売や配布目的での使用は絶対にしないで下さい。

       (記事の無断転載を除き、個人での使用は可能です。 改変、自作品の掲載、リンクもご自由に。)



 ケース

 
動画 (YouTube)

 

基板 部品面

 
基板 ハンダ面

ケース組み込み

基板とケースの加工
 
 ・基板は片面 薄型(0.8mm)ユニバーサル基板を、部品配置図の寸法のように加工します。
 ・ケースの高さが無いため、ハンダ付け後にピンの足を1mm以内にカットします。
 ・抵抗等の柔らかいリードは、折り曲げて取り付けます。
 ・LED・スピーカー・電池ソケットは、1mm以内にカットします。
 ・ATtiny13A-PUは、ピンをカットするか部品面に浮かしてハンダ付けします。
 
 ・ケースは、「フリスク」の空きケースを使用しています。
 ・ケース内側中央にある丸い突起@は、ふたと底共に必ず
  カッターの背などで削り取って下さい。
  (部品があたります)
 
 ・部品配置図の寸法を参照して、Aの部分にスピーカーの穴を
  あけて下さい




AVRマイコン ATtiny13Aの、ヒューズ ビットとプログラム書き込み
 
この製作では、ヒューズ ビットを工場出荷状態のまま使用しますので、変更の必要はありません。

 AVRは、ブレッドボード等でプログラムを書き込んでから基板に
 取り付けて下さい。
  (ISP書き込み)


操作方法
 
1.電池を入れる
 
 ・ボタン電池を入れると、AVRがスリープ(パワーダウン)状態に入り待機します。
 
 
2.サイコロの表示
 
 ・圧電スピーカーのためにあけた穴の周辺を、「トン」と指で叩いて下さい。
 ・LEDがサイコロの目を表示し始め、高速から低速に変化した後、決定した目を表示して止まります。
 ・このとき、「ピッ、ピー」と出目が確定した音が鳴り、2秒後に消灯します。
 ・消灯後はスリープ状態に入り、電池の消費を落とした状態で、再び待機します。









● (V2) 秋月電子 「SK-2」 ケース版 ●
 
 秋月電子で販売されているスチロール・ケース「SK-2」(外形寸 68×38×15mm)に入る大きさでプリント基板化しました。

回 路 図  PDF版 ElecDiceV2Cir.pdf (166KB)
 
部品配置図  PDF版 ElecDiceV2Pcb.pdf (455KB)
 
   注意! この図面を使用した、いかなる損害にも責任を負いません。

プログラム  BASCOM-AVR用 ソースファイル  ElecDice201.bas (9KB)
 
注意! 著作権は放棄しておりませんので、販売や配布目的での使用は絶対にしないで下さい。

       (記事の無断転載を除き、個人での使用は可能です。 改変、自作品の掲載、リンクもご自由に。)





 
ケース裏面

 ケース前面

ケース後面
 
 
プリント基板

 
基板 部品面

 
基板 ハンダ面


製作について
 
・回路図に記載の部品表は、部品の背が低い順に記載してありますので、この順番に取り付けて
 行きます。
 
・1/6W抵抗器は、3目 (2.54X3 = 7.62mm) ピッチで両端を折り曲げて取り付けます。 (9本)
 (向きを問わず)(1/4W抵抗器でも可)
・ダイオード1N4148は黒い帯が[K]側で、3目 (2.54X3 = 7.62mm) ピッチで両端を折り曲げて
 取り付けます。
・ICソケット8ピンは、半円の切り込みを配置図の向きに合わせて取り付けます。 (任意で取付)
・積層セラミックコンデンサは、5.08mmピッチの物が取り付け可能です。 (向きを問わず)
・圧電スピーカーは、端子の向きを問わず。
・ボタン電池ホルダーの3本の足は、成形の誤差が多いため穴と足の位置を微調整して下さい。
・LED(発光ダイオード)は、取り付ける向きが決まっています。足の長い方が[A]です。
 図面のように基板から2mm浮かして取り付けます。
 (イラックスチューブ0.7mm等を2mmに切って足に通すと、高さ調整がしやすくなります)
・LED光拡散キャップは輝度を調整するための物で、お好みで取り付けて下さい。
・ATtiny13A-PUは、プログラムの書き込みが済んだものを、 表面の丸いくぼみが1番ピンの印で
 ICソケットに挿すか直接ハンダ付けして下さい。
ボタン電池は、必ず完成後に入れること。
 
・ケース(SK-2)を部品配置図のように加工して、組み立てて下さい。
 スチロールケースは、ドリル加工で割れやすいので注意して下さい。(キリなどでも加工可能)
・基板の固定は、ネジを使わずに両面テープでも固定できます。
 皿ネジで取り付ける場合は、ケース裏面にざぐり穴を加工します。


AVRマイコン ATtiny13Aの、ヒューズ ビットとプログラム書き込み
 
この製作では、ヒューズ ビットを工場出荷状態のまま使用しますので、変更の必要はありません。

 AVRは、ブレッドボード等でプログラムを書き込んでから基板に
 取り付けて下さい。
  (ISP書き込み)


操作方法
 
1.電池を入れる
 
 ・ボタン電池を入れると、AVRがスリープ(パワーダウン)状態に入り待機します。
 
 
2.サイコロの表示
 
 ・圧電スピーカーの周辺を「トン」と指でたたくか、ケースに軽い衝撃を加えて下さい。
 ・LEDがサイコロの目を表示し始め、高速から低速に変化した後、決定した目を表示して止まります。
 ・このとき、「ピッ、ピー」と出目が確定した音が鳴り、2秒後に消灯します。
 ・消灯後はスリープ状態に入り、電池の消費を落とした状態で、再び待機します。

動作映像


◎ このプリント基板と、書き込み済みAVRを、実費頒布しております。
 
  基板・部品の頒布室



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