title1ハンコ社会


ハンコ、判子、印鑑、印、呼び名はいろいろあるけど、ここでは分かりやすく(?)ハンコで。

今度の参院選の不在者投票はハンコが要らなくなったそうですね。手続きが簡単になって投票率にも反映されそうです。いいことだと思います。
そもそも、どうしてこう、なんでもかんでも「ハンコ」の社会になってしまったのでしょう。聞いた話で恐縮ですが、、、

文明開化の明治初期。国民をきちんと把握しようという事で、戸籍制度が出来ました。結婚や引越しなど戸籍が変わるたびに変更の手続きが必要になります。しかし、その当時の識字率は数%。欧米で使われている署名(サイン)は使えそうもありません。そこで考えたのが「ハンコ」でした。ハンコがあれば字が書けなくても署名が出来る。お役所のサービスの1つだったようです。つまり「ハンコ」は「署名」の代わりなんですね。

ところが、署名の代わりだった「ハンコ」はいつのまにか独り立ちして、個人の証明になりました。何をするにもハンコ、ハンコ。ハンコがなければ何も出来ない。署名は駄目。これって変ですよね。本来は署名を書くところなのに、ハンコじゃなきゃ駄目。ハンコなら三文判でもなんでもOK。これで個人の証明になるんでしょうか?本人になりすますのは簡単ですよね。

さらに、ハンコは「書類の電子化」も遅らせています。コンピュータネットワークが発達した現在、書類は電子データで管理した方がとても効率がいいんです。再利用できるし、コピーしても劣化しないし、送付や回覧もすぐにできるし、紙の節約も重要です。また、暗号化や電子署名、承認システムの技術も確立されてきたので、情報漏洩や改ざんも防ぐ事が出来ます。効率が悪くコストもかかる紙ベースの管理は必要ないはずなんです。それなのに、日本は未だに紙の書類があふれています。原因の1つに「ハンコ」があります。日本人はハンコがないと気が済まないようで、ハンコがない電子データは正式な書類として認めてもらえません。決まりだそうで...。法律ならともかく、企業内の規約なんて簡単に変えられるでしょうに。電子署名も可、とすればいいんですから。これができないから、日本の企業は国際社会から取り残されるんですよね。


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