WELCOME TO HOME PAGE
YAMAGUCHI ORTHOPAEDIC CLINIC.



なるほどコーナー

下矢印をクリックすると他の項目も御覧いただけます。


  痛風

    1) どんな病気ですか?

    体の中に尿酸という物質が増え、関節や腎臓などに結晶としてたまっていく病気です。
    この尿酸の結晶が激しい痛みの原因となります。

    (痛風発作)
    夜明け前に患者は恐ろしい痛みのために目を覚まします。痛みは足の親指の付け根に
    起こることが多いのですが、足首や膝にも起こります。どうしようもない刺すような激しい
    痛みで、風が吹いても痛みが増すことから痛風と名付られました。そして2-3時間もたつと
    患部が赤く腫れあがります。痛みは普通1-2週間であとかたもなくおさまりますが、放置する
    と間隔をあけてまた起こります。

    2) 尿酸とはどんなものですか?

    細胞が新陳代謝を行ったときに生ずる老廃物です。もっと詳しく言うと遺伝子を作っている
    核酸の分解産物です。尿酸は非常に体液に溶けにくい物質で血液100ml中に6.4mg
    しか溶けません。1日であなたの体にできる尿酸の量は600mgです。体外に排泄される
    尿酸は腎臓を通って尿中に450mg、腸から排泄され腸内細菌で分解される150mgと
    合計して600mgです。

    3) 痛風の頻度は?

    1998年度の統計では59万人といわれています。1960年以前は非常にまれな病気でしたが
    食生活の欧米化とアルコール摂取量の増加で患者は年を追って増加し、最近の傾向として
    20-30歳代の若年発症が増加しています。

    4) 治療しないとどうなりますか?

    
イ) 手や足の関節に尿酸結晶が沈着し、これが原因となって痛風発作と呼ばれる
       大変な痛みを伴う症状が現れます。 

    ロ) 手、足、耳などに痛風結節と呼ばれる白いかたまりができて関節障害を起こします。

    ハ) 腎臓に尿酸が沈着して腎機能が低下し、重症になれば透析を必要とするようになります。

    ニ) 心臓に尿酸が沈着すると狭心症、心筋梗塞などを起こします。

    5) どのような治療を行いますか?

    治療は イ) 日常生活の改善、ロ)尿酸コントロール薬による治療、ハ)痛風に伴いやすい
    成人病の予防と治療に分けられます。

    イ) 日常生活の改善

     適度な運動(ウオ-キング、ジョギング、軽いエアロビクスダンス、水泳、サイクリング)は
     非常に有効です。短時間に激しく体を動かす運動(重量挙げ、腹筋、腕立て伏せ、短距離
     走など)はかえって有害です。バランスのよい食事で総カロリーは控えめに、1日飲酒量
     の目安はビール中ビン1本、日本酒1号、ワイングラス1杯、ウイスキーダブル1杯程度
     です。充分飲水し(1日2リットル以上)、2リットル以上尿を出すように気をつけます。

    ロ)尿酸コントロール薬による治療

     痛風には 1)尿酸のできる量が多すぎる場合、 2)尿酸の排泄量が少なすぎる場合の
     2種類があります。 1)の場合、尿酸生産抑制剤(アロプリノール)、 2)の場合、尿酸排泄
     促進剤(ベンズフロマロン)を使います。また、尿をアルカリ性にする薬も使います。これは
     尿はアルカリ性の方がより多く尿酸を溶かすことができるからです。
     尿酸を下げる薬を中止するとすぐ血液の尿酸値は高い状態に戻ってしまうので一生にわ
     たって服用を続ける必要があります。また、定期的に医師を受診し血液の尿酸値をはかる
     必要があります。

    ハ)他の成人病の予防

     痛風の患者さんは高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満を伴いやすいのでその予防と治療が
     必要です。

    6) 痛風に良い食べ物と悪い食べ物

    イ) 極めて悪い

     鶏レバー、マイワシ干物、イサキ白子、あんこう肝酒蒸し、カツオブシ、煮干し、干し椎茸

    ロ) 悪い

     豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、マアジ干物、サンマ干物

    ハ) 良い

     ウナギ、ワカサギ、豚ロース、豚バラ、牛肩ロース、牛肩バラ、牛たん、マトン、ボンレスハム、
     プレスハム、ベーコン、ツミレ、ほうれん草、カリフラワー

    ニ) 極めて良い

     コンビーフ、魚肉ソーセージ、かまぼこ、焼きちくわ、薩摩揚げ、カズノコ、スジコ
     ウインナーソーセージ、豆腐、牛乳、チーズ、バター、鶏卵、とうもろこし、じゃがいも
     さつまいも、米飯、パン、うどん、そば、果物、キャベツ、トマト、にんじん、大根、白菜
     ひじき、わかめ、こんぶ

 骨粗鬆症

    1) 頻度

    2002 年 1100万人
 
    2) 定義

    骨の脆弱性が増加し、骨折を起こしやすい状態
 
    3) 分類

    @原発性骨粗鬆症・・・閉経後骨粗鬆症、老人性骨粗鬆症、特発性骨粗鬆症
     (妊娠後骨粗鬆症など)

    A続発性j骨粗鬆症・・・

    ・内分泌性(甲状腺機能亢進症など)     
    ・栄養性(壊血病など)
    ・薬物性(ステロイドなど)
    ・不動性(臥床安静など)
    ・先天性(骨形成不全など)
    ・その他(慢性関節リウマチ、糖尿病など)

    現在問題となっているのは@である
 
     4) 原発性骨粗鬆症の診断

    @脆弱性骨折あり→すべて骨粗鬆症
    A脆弱性骨折なし

      骨密度が若年成人平均値の70%〜80%→骨量減少
      骨密度が若年成人平均値70%以下  →骨粗鬆症

      アンダーラインを骨粗鬆症と診断する

     4) 原発性骨粗鬆症の診断

    @脆弱性骨折あり→すべて骨粗鬆症
    A脆弱性骨折なし
      骨密度が若年成人平均値の70%〜80%→骨量減少
      骨密度が若年成人平均値70%以下  →骨粗鬆症

      アンダーラインを骨粗鬆症と診断する

     5) 骨粗鬆症のリスク因子

    高年齢、女性(70歳代後半の女性の50%は骨粗鬆症)、人種(アジア人、白人)
    運動不足、喫煙、アルコール、卵巣機能不全、出産歴なし、ステロイドの服用、
    胃切除、甲状腺機能亢進症、糖尿病、腎不全)

     6) 骨粗鬆症の予防と治療の目的

    @骨折の防止(骨折は寝たきりあるいは死につながる
      頻度の高い骨折
     (推体骨折、大腿骨頚部骨折、
      前腕、肋骨、上腕、骨盤)
     骨粗鬆症を早期発見する唯一の方法は骨量〔骨密度〕を測定することである。

     7) 骨粗鬆症の予防と治療

    @理学療法

     有酸素運動→ウォーキング、ジョギング、水泳、自転車、
      ウォーキングが最も良い。朝夕2回30分ずつ、週2回の休息日
     物理療法  →温熱療法、光線療法、電気療法、マッサージ
      
     大腿頚部骨折の予防にはヒッププロテクターが有用  

    A食事療法

      カルシウムは800mg/日以上とること
      ・牛乳はカップ一杯(カルシウム230mg)
      ・チーズ2切れ(カルシウム190mg)
      ・ヨーグルトカップ一杯(カルシウム260mg)  
      ・豆腐半丁(カルシウム200mg)
      ・厚揚げ(カルシウム300mg)
      腸管でのカルシウム吸収は乳製品が最も高い

     ● ビタミンDをあわせてとる   

      さけ、さば、うなぎ蒲焼、まぐろ赤身、いわし、卵に多い
      その他 たんぱく質、カリウム、Mg、ビタミンKをとる必要がある

     ● 骨代謝に悪影響を与える物質を避ける

      ナトリウムの過剰、ビタミンAの過剰、カフェイン、アルコールの過剰、喫煙 

    B薬物療法

      骨吸収抑制薬(骨を壊さないようにする薬):ビスフォスフォネート、カルシトニン製剤
      骨形成促進薬(骨を作る薬):まだ開発されていない

    治療開始時期

    @骨密度が若年成人平均値70%以下
    A骨吸収マーカーの高値→骨吸収抑制剤の良い適応
    B既存骨折
    Cカルシウム不足→ビタミンD3製剤+カルシウム製剤

     ●カルシウム製剤

        胃腸管切除、乳糖不耐症
        カルシウム不足に良い適応
        胃腸障害の危険、便秘

     ●カルシトニン製剤

       破骨細胞の機能抑制→骨吸収の抑制
       ・中枢性に鎮痛作用
       ・高代謝回転型骨粗鬆症(閉経後骨粗鬆症)に最も良い適応

     ●活性型ビタミンD3製剤

       ・腸管におけるCaの再吸収を高める
       ・遠位尿細管でのCaの再吸収を高める
       ・カルシウム不足に良い適応
       ・高Ca血症の危険

     ●ビスフォスフォネート製剤

       ・現在最も強力な骨吸収製剤
       ・高代謝回転型骨粗鬆症(閉経後骨粗鬆症)に最も良い適応
       ・胃部不快感が時々みられる


 スポーツ障害

    1) スポーツドクターとは

    スポーツによる障害の人たちを治療したり、競技能力の向上を科学的にサポートすることを
    目的として制定されたのがスポーツドクターです。このため、スポーツドクターの活動は非常に
    多岐にわたっています。スポーツ障害の治療をすることはもちろんのこと、各種競技会の
    メディカルスタッフとなったり、チームドクターとして選手のトレーニングの相談に乗ったり、
    学校やクラブに出かけて正しいトレーニング方法について講演したりという具合です。
    私がスポーツドクターとなった1985年以前には、北海道に一人しかいなかったのですが、
    最近はかなり増えてきました。
 
    2) スポーツ障害について

    @ 競技中発生するケガについて

    競技中に発生するケガでよくみられるのは捻挫と突き指です。捻挫というと軽く考えがちですが、
    これは大きな間違いです。捻挫とは、骨同士をつないでいる靭帯という紐のような組織が損傷を
    受けることですが、ほんの少し伸びたものから、靭帯の断裂まで程度は様々です。実際、靭帯が
    断裂しているのに放置すると、靭帯が伸びてしまい、以後少しの衝撃でも捻挫を繰り返すことに
    なります。突き指とは、指の第一関節が伸びなくなることですが、これには指を伸ばす腱が
    切れている場合と腱の付着部が骨折している場合があります。骨折の場合には手術が必要と
    なります。どちらもそのままでは一生指の第一関節は伸びません。捻挫にしろ、突き指にしろ、
    初期に正しい治療を受けるかどうかは非常に重要です。必ず整形外科の専門医を受診し、
    きちんとした治療を受けてください。

    A トレーニングのやり過ぎによるスポーツ障害について

    少年野球の肘の障害とジョギング愛好者の膝の障害が有名です。まだ、骨の強度が充分でない
    少年期に投球練習をやり過ぎると肘の骨が欠けてしまったり、肘が充分に伸びなくなって
    しまいます。甲子園大会で活躍した選手がその後活躍することが少ないのは、これが原因では
    ないかと考えられ、出場選手の検診が行われるようになってきました。
    ジョギング愛好者の中に膝の痛みを訴える人がいます。これは膝を曲げる筋肉の腱が骨と
    擦れ合う回数が多く、炎症を起こすことが原因です。痛みを軽減するためにはまず、出来るだけ
    土の上を走り、アスファルトのような固いものの上を走ることは避けてください。また、シューズの
    裏にも注目してください。クッションの片側だけが減っている場合は、フォームが悪いので矯正
    する必要があります。

    B スポーツ愛好家へのアドバイス

    健康に生活するためには、スポーツをすることは非常に良いことです。
    しかし、間違ったトレーニング、過度のトレーニングはかえって有害です。スポーツをしていて、
    何か異常を感じたら是非専門家のアドバイスを受けてください。


 スポーツのやり過ぎに注意

   健康増進を目的としてスポーツをやる人が増えています。それに伴いスポーツのやり過ぎで起こる病気も増えています。今回は、その代表であるテニス肘、ランナー膝、ジャンパー膝についてお話します。


    
1) テニス肘

    テニス、バトミントンなどラケットを使うスポーツで、肘の外側に痛みを訴えるものです。痛みは重い物を持ったり、タオルを絞ったりすると起こり、ひどい時にはコップも持てず、ドアのノブも回せなくなります。手首を外側に回したり、そらせたりする筋肉は肘の外側に付いているので、この筋肉を繰り返し使うと、その付け根に炎症を起こすのです。

    2) ランナー膝

    日常よくランニングをする人が、肘の内側や外側に痛みを訴えるものです。膝を曲げる筋肉の腱は、膝の内側と外側に付いています。ランニングをするとこの腱と骨が擦れて摩擦を起こし、腱に炎症を起こします。ランナー膝の原因はそのほかにも軟骨や半月板の障害、疲労骨折などがあります。
    3) ジャンパー膝

    バレーボール、バスケットボールなど、何度もジャンプをするスポーツで、膝の前の方に痛みを訴えるものです。ジャンプして着地する時、膝前方の腱には、700〜1000kgの力がかかります。このような大きな力が膝前方の腱に繰り返しかかる為、腱に炎症を起こすのです。
    スポーツ選手ではなく成長期の子供に同じ症状が起こるのをオスグット病といいます。
    4) 治療

    痛みがとれるまで、スポーツは休みます。患部を温めたり、低周波を当てたりする理学療法は効果があります。鎮痛剤のクリームの塗布も有効です。痛みが非常に強い場合、痛みをおさえたり炎症をとるため患部に注射することがあります。
    5) 予防

    負担の少ないラケットやシューズを選ぶ事、運動前に充分にストレッチを行う事、正しいフォーム(ランニングではももを高くあげる、テニスでは手首を使わず腰と肩でラケットを振る)を身に付ける事が必要です。
    スポーツを休んでも痛みが無くならない場合、重大な病気が隠れているかもしれませんので、専門医を受診して正しい診断を受けて下さい。

ケガと骨折の応急処置

    1) 出血の手当て

    清潔なガーゼを傷口にあてて圧迫する。
    けっして四肢の根元を縛らない。

    2) 傷の手当て

    イ) 傷のまわりの泥や異物を石鹸やきれいな水で洗い流す。
    ロ) ガーゼを傷にあてて圧迫。
    ハ) 出来るだけ早く病院へ。 
      ※ 消毒用の軟膏やマーキロなどは使わない。

    3) 骨折の手当て

    イ) 副木で固定する。
    ロ) 骨折部の両端の関節を固定する。
    ハ) 折れたままの状態で固定する。 
    ニ) 骨折時は必ずショックを起こしているので、頭を低くして安静にする。  

   4) 捻挫の手当て

      I C E処置
      I:冷やす C:圧迫する E:拳上する

膝に水のたまる病気

 どんな病気ですか?

 関節には、主に潤滑液としての役割を務める関節液という液体があります。これは、関節を覆う袋の内面についている
 滑膜という組織で生産されます。この液体の量は、人体の最大の関節である膝関節において1〜3mlという少なさです。 関節の中に炎症が起きると、滑膜で関節液が過剰に産出される結果、関節に水が溜まった状態となります。

 ちょうど、鼻炎で鼻水がたくさん出てくるのと似ています。膝に水が溜まると、関節内の圧力が高まり痛みが増し、動きが 悪くなります。その為、膝を支える四頭筋の力が低下し、歩きにくくなります。よく、「膝の水を抜くとクセになる」と言う人が いますが、抜いてすぐに水が溜まってくるのは、まだ病気が治ってないだけです。水がいつまでも溜まっていると、膝周囲 の筋萎縮や関節軟膏を痛める原因になるので、むしろ抜いた方が良いのです。


 治療法


 膝に水がたまる代表的疾患は、変形膝関節症、関節リウマチ、痛風、外傷性関節炎などがあります。この中で最も頻度  の多い変形性膝関節症による関節水腫について治療法を説明します。

 @消炎鎮痛剤の内服により炎症を抑える。

 A大腿四頭筋の訓練により関節を安定化させる。

 B関節注射により、直接滑膜の炎症を抑えるなどがあります。

 関節注射には、ヒアルロン酸ナトリウムとステロイドがあります。前者には、関節軟膏の保護、可動域改善の作用があり、 後者には、炎症を抑えて痛みを取り除く作用があります。
 このヒアルロン酸ナトリウムの注射を、1週間に1回の間隔で5回(そのうち1〜2回はステロイドを混ぜて)行うと、
 膝に水が溜まらなくなることが多いのですが、残念なことに、滑膜炎がなぜ起こるのか正確にわかっていないので、水が 溜まる状態が長くなることがあります。主治医と相談して、原因と思われる点を根気良く改善していくことが必要です。



 肉離れ

 肉離れとは、ダッシュやジャンプなどのスポーツ動作中筋肉がその限界以上に伸ばされて裂けてしまい
 その結果、急激な痛みとともに競技続行が困難となる状態です。日常生活でも青信号が点滅したので
 急いで横断歩道を渡ろうとして、ふくらはぎに痛みが走った経験がある人も多いのではないでしょうか。

 起こりやすいのは大腿の後面とふくらはぎです。激痛が走って、その部分が急に腫れ、皮膚の下が段々と
 黒くなってきたら間違いないでしょう。腫れたり黒くなったりするのは筋肉が裂けた部分に内出血が起こり、
 血腫が形成される為です。

 肉離れの場合、通常の軽症例では1週間以内に歩行が正常となり、3週間程度でスポーツ復帰が可能となる場合 が多いです。しかし、復帰をあせるあまり、再発するケースもあるため、リハビリテーションを確実に行っていく必  要があります。肉離れの治療のポイントを急性期と回復期に分けて説明します。

  1.急性期

 血腫形成の程度が、肉離れの重傷度を決める大きな要因となります。このため初期段階にどれだけ傷めた
 筋組織からの出血を抑え、その後の血腫形成を最小限に抑えられるかが肉離れの治療の鍵を握ることに
 なります。受傷直後から48時間までは、患部を冷やし圧迫包帯できつめに固定します。
 歩行は必要最小限にし、やむを得ず歩く場合は松葉杖を使用するなど、できるだけ体重をかけないように
 します。

  1.回復期

 受傷後、48時間以降は局所の循環回復をはかり傷めた筋および周辺組織の修復を促していく必要があります。
 このため積極的に温熱療法を併用します。軽症例では3週間、中等症例では6週間程度の後療法が必要です。
 ホットパック、低周波などは48時間以降、できるだけ早期から開始し、自発痛の消失とともに歩行を開始します。
 その後、動作時痛の消失とともにジョギング開始、ストレッチング痛消失とともにランニングを開始し
 ダッシュ、ジャンプと進んでいきます。

 肉離れによって途中で避けた筋肉繊維は2度と元には戻りません。でも元に戻ったようになるのは筋肉と筋肉
 の間に入り込んだ血の塊によってつながれているだけです。これは筋肉繊維に比べて非常に弱いものです。

 ですから軽度の衝撃で簡単に肉離れが再発します。練習前のウォーミングアップや、練習後のクーリングダウン を、充分に時間をかけて丁寧に行うことが肉離れの発生や再発を減らすために重要です。

関節の音

指を引張ったり、首を曲げたりすると、“ポキッ”“ポキッ”と音が鳴ることがよくあります。
これは関節を急に引張ったり曲げたりすると関節内が真空になり、関節液中の窒素が気化し、
それがはじける音です。このような音は特に心配することはありません。

しかし、特に膝から音が聞こえる時は病気の事が多いので要注意です。
膝の曲げ伸ばしで膝蓋骨(いわゆるお皿)の内側に、“コクン”“コクン”と
ひっかかるような音や手触りを感じたら、棚障害という病気が考えられます。
また立ち上がろうとしたら膝が伸ばせなくなり、内側や外側に激痛を感じ、
ゆっくり伸ばそうとすると何度目かに「クキッ」と音が鳴って、伸ばせるようになったら
半月板障害が考えられます。また、歩いている時いつも”ジャリ””ジャリ”という音がしたら
変形性関節症でしょう。

いずれにせよ、膝から聞こえる音は関節内の軟部組織(関節包、滑膜、半月板)が
関節軟骨にはさまれて発生します。長期に渡ってこの状態が継続すると、関節軟骨を傷つけたり、
関節に水がたまる関節炎を起こすことになります。
膝から音が聞こえたら是非早めに整形外科の専門医の診察を受けられることをお勧めします。

 
    
    



TOPページ アクセス 診療科と対象疾患 院長紹介 病院紹介