2004年 3月の雑記
 
 
2004. 3/12(金) 一大行事
2月から復活すると宣言しておきながら、こまめに訪問してくれる方に申し訳ないくらい更新がとどこおってしまった。読書のコーナーにぎりぎり手をつけるくらいで、この雑記は一ヶ月以上放置されていた。書かないことが普通になると、次に書き始めるのには相当のパワーが必要になる。去年40日間つづけていた頃には、忙しいなりにペースよく書けていた。良い悪いの隔てなく、習慣化の威力には恐れ入る。

 そういうわけでネタだけはたまっているのだが、とりあえず直近の話題を。

 本日、確定申告をすませてきた。税金の支払いというより株の譲渡損益の申告が一番の目的だった。先週の金曜日、新しい庁舎になった熱田税務署に出向き用紙だけはもらってきていた。
 本腰を入れて書き始めたのは昨日の夜。途中でつまずき国税庁のサイトを見ていたら、パソコンで申告書を作成できることに気づいた。というより、前にその存在は知っていたのだけれど、かえってめんどくさそうだったし、用紙をもらう時に書き方の質問をすればいいだろうと思って気にもとめていなかったのだ。
 つまずいたのは株の銘柄を書く欄が足りないというところで、もう一枚用紙が必要なのか、入りきらないぶんはまとめて書いてしまっていいのかがわからなかった。パソコンで作成する場合、国税庁のサイト上で種々の項目を入力していくことで必要な申告書ができあがる。これならつまずいた点もうまく処理してくれるだろうと踏んで、試してみることにした。

 最初に印刷テストがあり、うちのCANON製プリンタは難なくそれをクリアした。そして住所氏名の入力、さらに必要な項目を選択しながら入力していく形式で、あっけなく最後まで終了した。なかなか良くできていると思った。誰でもこれで作成できるかはわからないが、僕にはとても便利な道具だ。
 いまやもう、手書きでなにかを書くということをものすごくおっくうに感じるようになってしまった。確定申告書では、住所氏名など同じ項目を何度も書かないといけないのもいただけない。その点、パソコンで作成する場合、おなじ項目は一回だけ入力すればあとは自動で埋めてくれるから労力は最低限ですむ。さらに提出される側にとってみてもきれいで見やすいことになるから、双方にメリットは大きい。
 こうして思いのほかすんなりと入力は終わった。最高品質に設定したプリンタの印刷待ちの時間のほうがよっぽど長かった。

 今朝早く、リュックに書類を詰めて家を出た。念のため証券会社の取引明細や保険の控除証明書なども持っていく。曇り空の下を20分ほどこいで税務署にたどりついた。提出期間は残り二日だからかなりの混みようを予想し、暇つぶしの本も持ってきていた。しかし到着後、総合受付に1分ほど並び、そこで示された窓口では待ち時間なく申告書を提出し、ざっと目を通した係員の「じゃ、お預かりします」とホチキスで留める音とともに、僕は解放された。到着してまだ5分もたっていなかった。ここしばらく胸にのしかかっていた一大行事は、こうしてあっけなく幕を閉じた。


 
2004. 3/14(日) 選考レース
いやー、土佐礼子さん。
 いきなりファンになってしまった。

 東京・大阪にひきつづき、大いに注目を集めた名古屋国際女子マラソン。大阪では有力選手が数多く出場したが、今回の目玉は土佐選手一人と言ってさしつかえなかったろう。田中めぐみ選手については何度か走るのを見たことはあったものの、正直優勝できる力はないと思っていた。大南選手にしてもしかり。土佐選手がけがからどれくらい復活してきているのか、それだけがレースの注目点だった。僕にとっては。

 ゴールとなる瑞穂競技場は家から自転車で10分ほど走ったところにある。テレビで中継を見ながら昼食をとったあと、2時前に家を出てゴール前の路上に張った。最後にテレビで見たのは土佐選手や外国人選手たちが何人かまとまって走っている姿だった。

 自転車を大通りからすこし脇道に入ったあたりに止め、早めに場所取りにかかる。すかさず係員だかなにかよくわからないおじさんから中日新聞の旗を渡され、受け取るとおじさんは「応援してくださいね〜」と間の抜けた声を出し、また別の人をつかまえにいく。
 はりきって早く来すぎたのか、まだ路上には普通の車が走っている。いったん流れが途切れ、ついに規制がかかったかと思うとまた車が走ってくる。通行規制というものはかなり直前になってからかけるものなのだと、初めて知る。
 選手の通過が近づくにつれ、警官の声が大きくなる。静止を聞かずに道路をうろうろするのはたいていいい年をしたおじさんだ。警官が注意すると悪びれもせず涼しい顔で場所を移動する。こういうところではどんどん人間が嫌いになる。

 やがて一般車が路上から完全にいなくなり、「総務車」、「宣伝車」という車両が通過していく。
 2時20分頃、大きな中継車とともに、先頭の選手が走ってきた。土佐選手だ。すでにラストスパートをかけているのか、全速力とも見える走りっぷりだ。息を切らし、苦しげに顔をしかめながら目の前を駆け抜けていく。
 しかし、続く選手がなかなかやってこない。すでに1位の土佐との間隔はおおきく開いている。
 30秒ほどおくれ、ようやく現れた。田中選手である。これは意外だった。外国人選手がかなり有力な様子だったし、ここまで田中選手が食い込むとは予想していなかった。
 しかしさすがにもう抜かせないと思った。さらに間隔をあけて何人かの選手が過ぎていったが、僕の知った顔は大南選手くらいだった。しばらくしてから僕はその場所を後にした。

 寄り道をして帰り、ビデオにとっておいた続きを見た。先に田中選手がリードを取ったのもここで初めて知った。いっときはあれだけ離されながら、しぶとく後ろにつけた土佐選手はふたたび抜き返した。そのままぐんぐんと勢いをつけ、田中選手を置き去りにした。
 今回のレースでは、勝負とともにタイムも重要になってくる。最後の最後まで24分を切るかどうかわからない展開だった。アナウンサーが最後に54秒、55、56と秒数を読み、なんとか23分57秒でゴールに入った。見事なレースだった。優勝と共にタイムも叩き出したのだ。

 見るからに人の良さそうな彼女は、じっさい後輩からも先輩からも慕われているらしい。ゴールしてからも同僚の選手が競技場に入ってくるのを気にかけていたり、頭に載せられた明らかに大きすぎる優勝のローレルをはずしもせず手でおさえながら拍手にこたえたりなど、優しい性格がうかがえた。

 さて、注目の選考会は明日だ。僕の予想では、野口、坂本、土佐の3人。最初の二人は固いから、あとは土佐か高橋か、というところだろうが、難しいコースとされる名古屋でこれだけのタイム、これだけの内容を残した土佐選手に軍配が上がると思うし、そうあってほしい。高橋選手も好きだからほんとはどちらも出場してほしいところだが、そうもいかないのが辛いところ。それとももしかして、野口、高橋、土佐、なんてこともあり得るのだろうか。
 そもそも前々から言われているとおり、世界選手権の上位入賞者が無条件で選ばれてしまうことに大きな問題があるのだ。世界選手権を選考レースの一つにするのはかまわない。野口選手に力があることも認めるが、それでも昨年の時点で内定を出すのはやりすぎだ。


 
2004. 3/21(日) ここ一週間
女子マラソン代表選考の予想が的中した、という話題を書くつもりが、時期を逸してしまった。一週間のなんという速さよ。
 それにしてもまあ順当な結果だったと思う。選考会を基準に考えるならば、前オリンピックの金メダリストでさえも落選することはある。高橋選手には来年、世界選手権で金メダルをねらってほしい。

車購入のためのその1:
 ここ1週間ほど、ばたばたと忙しい日々を送っていた。
 車を買い換えることに決めたからである。
 今乗っているのはランサーエボリューションVで、1998年、パタゴニアの旅行から帰ってすぐに購入した(ちなみにパタゴニアとはなんの関連もない)。あとすこしで、6年になる。もともとそんなに長く乗るつもりはなかったものの、手放すきっかけはないままきてしまった。
 買い換えようと思い立ったきっかけはまず維持費のことである。5以下という燃費の低さ、税金に保険料。憂鬱になるくらい金を食う車だった。
 知り合いが軽自動車に乗っており、最近の軽の性能の良さと高速料金の安さに驚いてしまったことにも原因がある。これなら軽自動車でじゅうぶんだと思ってしまったのだ。
 また、任意保険がこの4月で切れる。ここで新車にすれば、安い保険料に切り替えられる。もうこのあたりで勢いはついていた。
「軽自動車に乗り換えるのだ!」
 さっそく僕は本屋へ出向き、軽自動車選びのための本を買って研究を始めたのだった。

(つづく)


 
2004. 3/25(木) 1970年代の家庭
とくべつ応援していたわけでもないのに、いかりや長介氏の死去に自分がショックを受けていることに気づいた。僕らの世代であれば、少年時代、「8時だヨ! 全員集合」を楽しみにしていなかったという人は少ないだろう。土曜の夜、家族が茶の間にそろって「8時だヨ!」を見る、そんな「プロジェクトX」で出てくるような風景は確かに存在したのだ。映像が流れればそのまま自分の中の過去の感慨と連動する。公開生放送でのコントという今では考えられない形態の番組を十何年毎週つづけていくというのは過酷な作業だったと思う。リーダーとして人を引っ張っていく性格は周りとの軋轢も生んだであろうが、残した功績は大きい。葬儀には多くの人が集まり、涙を流していた。

 
車購入のためのその2:
 その名もずばり「軽自動車購入ガイド」という雑誌を買い、検討をはじめた。現時点における軽の御三家が、ワゴンR、ムーヴ、ライフという3車であることがわかった。町中ですこし注意して観察していれば、この3車はすぐに目につく。どれも形は似ていて、軽自動車の基準ぎりぎりまで車体を大きく取り、室内空間を充実させることに重きを置いている。これら以外だと、もっとスポーツ性を重視したスバルのR2や三菱のekスポーツがあり、さらに広いスペースを望むなら、ダイハツのタントやホンダのバモスなどが挙げられる。

 ところで今回車を選ぶにあたって考慮したポイントは、次のようなものだ。

(1)そこそこ走ること。今乗っているランサーエボリューションと比べるつもりは毛頭ないが、坂道や高速で苦労するほどパワーがないのは困る。
(2)燃費がいいこと。いくら走りがいいからといって、今のようにリッター5いくかいかないか、では辛い。なにしろ維持費を抑えるというのが今回の買い換えの大目的なのだ。
(3)自転車を積載できること。今はルーフにキャリアを積んでそこに載せている。年に数度はそうやって遠くまでサイクリングにでかける。軽自動車だとルーフに載せて走ると横に倒れそうで心配だ。できれば、荷室の中に入れたい。
(4)今の車を売った値段以内で買えること。新しくお金をつぎ込むつもりはない。このために出費がかさむなら、やはり維持費を安くするという大目的に反することになる。

 中心になるのはこのぐらいだ。あとはオートエアコンやチルトステアリング(ハンドルの上下調節機構)の有無など細かい違い、もちろんデザインも考慮に入れ、EXCELで表を作った。大事な買い物の時は常にそうするのだが、過不足のない情報を載せた一覧表を作ることで、だんだん自分の選ぶべきものが見えてくるのである。


 
2004. 3/31(水) 移りゆくころ
年度替わりのこの時期、様々なものが終わり、また移り変わっていく。先週の金曜は、ニュースステーションの最終回を見ていた。僕が大学に入った年にはじまったこの番組は、久米宏氏のキャラクターと斬新な番組構成で当初から注目を集め、驚異的な視聴率を叩き出した。年を経るにつれ勢いは衰えたものの、確実に視聴率を計上できるテレビ朝日の看板番組でありつづけた。おそらく、久米氏が辞めると言わなければこれからも続いていたろう。僕は彼のことを好きでも嫌いでもないけれど、最終回でも見せた群れに染まらない毅然とした態度には好感を持っていた。それにしてもやはり、終わりというのはさびしい。


車購入のためのその3:
 新しい車をどうするか、に加えてじつは大きな問題があった。今の車をどこで売るのか、ということだ。もちろんすこしでも高く売りたいと思うのは当然のことで、ランサーエボリューションVというのは限定生産でかつ人気のある車だ。通常の相場よりも高く買い取ってくれることをどうしても期待してしまう。「その2」でも書いたとおり、今回の買い換えでお金を出すつもりはない。ということは、新しく買う車よりも高い値段で売れてくれなければならない。

 さっそく調べを始めた。町中で目につく買い取り店を渡り歩くことをはじめは想像していたが、今やネットという強力なツールがある。住んでいる地域を指定すると大手5社を自動で選択して見積もりを取れるサイトがあるのだ。(→こちら
 ここでとりあえず探ってみることにした。手続きは簡単だった。住所氏名等を入力するだけで、5社への通知が完了する。土曜日の昼間に作業を行ったところ、1時間もしないうちに一軒目から電話がかかってきた。出張査定でこちらに来たいという申し入れだったので、すぐに予定を入れた。するとまた1時間ほどで別の店から電話があり、さらにまた別の店からもかかってきて、と事態は進んでいき、見積もりを依頼したすべての店の査定日が見る間に決定してしまった。
 なかには、査定前に相場の金額を伝えてくれるところもあった。しかし金額はばらばらで、100〜120万円という店もあれば150〜170万、という店もある。まあ、査定をしてみないとほんとのところはわからないだろう。なにしろ僕の乗っているランサーには車体外部に細かい傷がかなりあり、極めつけは去年深夜に当て逃げされたせいで、右側後輪のフェンダーカバーが外れてしまっている。これでどれくらい査定に響いてくるのかが心配だった。

 

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