2003年 10月の雑記
 
 
2003. 10/2(木) ADSLプラン変更
9月に、ADSLモデムが壊れた。以前から、突然回線が遮断されたりなど怪しい現象が頻発するようになっていて、遂にハード異常のランプがついたっきり動かなくなってしまった。モデムは買い取り品だったから、修理して直すくらいなら、それまでの1.5Mプランとほとんど料金の変わらない24Mプランに変更するほうが得だと考えた。
 僕の加入しているASAHIネットでは、ADSLをイー・アクセス、アッカ、NTT、トーカイ・ブロードバンドという4社から選択できるようになっていて、性能と料金比から、これまでどおりイー・アクセスを利用することにした。2年間使ってきたが、トラブルはほとんどなかった。変更受付開始が遅れていて、ようやく9月19日に開始され、即日申し込みをした。後日連絡が来て、局内工事が10月2日だと告げられた。

 事前にADSLモデムは届いていたので、その日に100M対応のネットワークカードを購入し、10M用カードと交換した。いまや100Mのネットワークカードでさえ700円ほどで買えるのには驚いた。
 今日、昼前に電話のベルが鳴り、出ても無言だったのでいったん切り、ふたたび受話器を耳に当てると、高周波の異音が聞こえた。おそらくいま工事中で、誤ってつながってしまったのだろうと思い、しばらく待ってからもう一度聞いてみると、今度は通常の発信音が鳴っていた。もしや、と思いパソコンを立ち上げ、回線をつなげてみた。
 ADSLの認証番号は以前使っていたものと同じなので、今回、通知はなかった。以前の番号をどこかにメモしておいたはずなのに見つからず、捨てたばかりの古いモデムの取扱説明書にはさんであったのをようやく見つけ、入力した。縦置きのモデムは、数回点滅を繰り返したあと、「PPP」ボタンに灯がともった。
 めでたく開通、である。前回の申し込み時には、開通まで10日間だった。今回も、9月19日に申し込んだから、13日で開通にこぎつけたことになる。じゅうぶんに納得できる対応であった。ひさしぶりの快速環境で、しばらくWebの閲覧を楽しむ。しかし何より気になるのは、実際にどれくらいのスピードが出ているのかだ。さっそく速度測定サイトにアクセスし、測ってみた。結果。
 3.×××Mbps。
 何度かくりかえし測ってみたが、どうやっても3Mそこそこしか出てくれない。24Mプランだからと言ってその通りに出ないことは百も承知だが、せめて半分くらいは出るのかなあと期待していただけに、すこしがっかりした。前回の1.5Mプランの時は、実効値は1Mぐらいは出ていた。約3分の2のスピードである。
 NTT収容局からは比較的近いはずだと思っていたが、念のため、イー・アクセス社のサイトで局からの距離を調べてみると、2.3kmほどで、この距離ならば12Mプランでさえ、3〜6Mbpsは出る、と書かれてある。
 何か設定を変えると、スピードは変わるものなのだろうか。それとも、開通当初はそれほどスピードは出ないのか。まあ、以前の1.5Mプランの時からするとそれでも3倍ほどの速さになっているのだけれど、まだまだ検証の余地はありそうだ。


 
2003. 10/5(日) 鳴き声
一週間ほど前から、ベランダの外で猫がにゃうにゃう鳴いている。僕の部屋は一階だから、すぐそばで鳴いているように聞こえて、つい気になってしまう。ベランダの向こうはマンションの駐車場で、並んで止まっている車の陰に潜んでいるのだ。何度か姿を見かけたことがある。子猫と一緒にいることもあったが、最近は一緒にいるのを見なくなった。いかにも悲しげな声で鳴いているのは、いなくなった我が子を探してでもいるのだろうか。
 夜中に、どうしても姿を確かめたくなって、餌を持って外に出てみた。ネコ公園に行くときのために、うちには常時、猫食が用意してある。猫はとなりの世帯が住む部屋の外にある塀に、体を低くして座っていた。僕が近づく気配をみせただけで塀から飛び降り、車体の下の闇に逃げ込む。袋をかさかささせながら駐車場のすみに餌をおいてやると、車の下で影が動いた。そっと餌のそばを離れ、猫を回りこむ方向に移動する。わざと靴音をたてて餌のほうへ猫をやんわりと追い立てると、うしろを振り返りながら及び腰で猫は動き、ひとあしずつ近寄って、ついに餌を食べはじめた。動作を見るからに、怪我をしているような様子もない。静かに食べ続ける姿を見ながら、僕は部屋に戻った。
 しばらくしてベランダからのぞいたら、餌を置いた場所にもう猫の気配はなかった。窓を閉め、パソコンを触ったりなどしていると、にゃうにゃうという声がまた外から聞こえてきた。餌がほしくて鳴いているのではなかったのか。


 
2003. 10/17(金) 新キーボード
パソコンのキーボードを買い変えたい、とずっと思っていて、これまで使ってきたものは「M」の刻印がはがれ落ちてしまって、ブラインドタッチのできない僕は隣の「,」キーとよく間違えてしまうようになっていたのだった。もともと安物のキーボードだったから造りは雑で、しかももっと気に入らなかったのはその大きさだ。「Enter」キーを含めた通常のアルファベットキーの群があり、その右側に少し離れてカーソルキーや「Ins」「Del」などの群があり、さらにまた離れてテンキーがある。まあ通常のキーボードの配置であるが、これを置いてその右にマウスを置くと、ほぼ机の幅いっぱいまでになる。
 キーボードにはホームポジションというものがあって、左手の人差し指が「F」キー、右手の人差し指が「J」キーの上に来る、というのが通常であり、この位置になるよう座ると、体の中心はどうしても「G」キーと「H」キーの間になり、そこは横長のキーボードのかなり左端に寄った格好になるため、机の左端に寄った位置に座を占めなければならない。自分が机の中心に座りたければそのぶんキーボード全体を右にずらすことになり、これだとその右にマウスを置くスペースが取れない。だいたい、マウスはキーボード上の手を置く位置からかなり離れてしまっており、マウスをつかむと非常に不自然な姿勢になる。
 僕は、テンキーはほとんど使わない。ならば、このテンキーを省いて横幅を詰めたキーボードがあればなあと考えていた。

 昨日、名古屋のパソコン街である大須に行き、物色した。すると、通常の横長タイプに比べ、数はすくないが、あるにはあった。それほど高いものを買うつもりはなかったので、デザイン的にも気に入った、2980円の品を購入した。オウルテックという会社の、「OWL-KB89PSC」という製品である。これだ。見本が店頭に置いてあったので、キータッチも確認してあった。
 しかし、家に帰って早速これまでのものとつなぎ換え、試してみると、次々に不都合な点が発覚した。まずは、よく使う「Ctrl」キーが下段の左から二番目にあるため、いちいち視認してから押さなければいけない。これまでだと下段左端にあったため、ブラインドでも押すことができた。バックスペースキーも同様で、これまでは上段右端にあったのが、ファンクションキーがすき間なく並んでいるため、場所の視認がしづらい。
 それから、スペースキーが小さいのはまだいいとしても、「Enter」キーがまた小さいのだ。これは、日本語入力で変換を確定させるための重要なキーである。文章入力をパソコン作業の主とする僕にはかなり痛い。
 と、ここまででかなり印象は悪くなっていたのだが、それでもなんとかがんばって慣れて、使っていこうかとも思っていた。しかし、次でもう限界を越えた。
 キーを打っても、文字が出ない場合があったのだ。これは俗に言う、「引っかかる」というもので、じゅうぶんな力を加えてぎゅっと押し込めば問題はないのだが、さらさらとそれなりのスピードでキーを押していくと、何度かに一度の割合で、キーの押下が認識されない。これは致命的だった。使えない、と僕は判断し、即刻、購入した店へ返品しに行こうと思った。

 そして、今日。心に誓ったとおり、朝一番で昨日の店に行くことにする。地下鉄でまたお金を使うのも悔しくて、自転車で行く。自宅からの距離は約9kmほどである。ところが、さっそうと出発したのに、出てすぐのところで自転車に衝撃が走り、後輪ががたつきはじめた。パンクだった。しかも、つい数週間ほど前にチューブを変えたばかりである。その時に自転車屋で「タイヤも傷んでるから変えといたほうがいいよ」と言われたにもかかわらず、そのままにしておいた。やはりあの時にタイヤ交換をしておくべきだった。薄くすり減ったゴムをとがった石のかけらのようなものが見事に貫通してチューブを裂いていた。
 とぼとぼと自転車を押し、歩いて自転車屋を探す。なかなか見つからず、このまま歩いて大須まで行くとどれくらいかかるかなあなどと考えながらも通りすがりの人がいると自転車屋はないか尋ね、三人目に聞いた人が教えてくれた道筋をたどってなんとか店までたどり着いた。
 チューブのパンクはすぐに直ったが、ここでもタイヤ交換を勧められた。そして、中古のタイヤでいいのがあるよ、と初老の店主が店の脇から出してきてくれた。これだと、パンク修理費込みで三千円でいいよ、と言う。どうせ変えるなら前後輪一緒に、と思っていたら、二本で五千円にしとくから、とまた店主。パンク修理費が千円として、タイヤ一本で二千円だから、確かに安い。僕は決断し、新しいタイヤに変えてもらった。

 取り替えたタイヤで調子よく自転車を漕ぎ、大須まで到着。すぐに昨日の店へと向かう。しかしここでも、事は順調には運ばなかった。
 完全な不良品なら交換できるけど、打っている最中にたまに反応しないという程度だと交換には応じられない、という返事だった。それでも、文章を打つ時には決定的な障害になるから、と粘り、店先で試してもらったりするも結局は、「これは不良品とはいえない」と言われてしまう。
 僕が納得できないままなのを見かねてか、店員が、交換には応じかねるが、別の新しいキーボードを買うなら値引きしますよ、と言う。すこし考えたすえ、昨日ネットで調べて目星をつけておいた5980円の品を5000円ちょうどにしてもらい、それで決着した。まあ確かに、これぐらいのことで苦情を受け付けていたら店の側としたらたまらない、という意見ももっともなので、今回はこれで妥当かなと判断する。値引きしてもらった分だけラッキーだったかもしれない。

 それで、昨日買ったものは中古屋で処分することにし、早速中古買い取り取扱店を見て回る。しかし、昨日ひさしぶりに大須に来たのだが、街並みの変貌ぶりに驚かされた。アーケード街入り口すぐのあたりは、片側にあった店が軒並み無くなり、何か大きな店か何かに変わるようで工事が行われていた。神社の正面にはどっかとデニーズができ、そのまわりの風景が一変している。離れた場所にある第二アメ横ビルはすっかりテナントが撤退し、風前の灯火。やがて全てがなくなることを思わせる。さらに特筆すべきは、中古品取扱店が目立って増えたことだ。大手のツクモやグッドウィルも中古品販売に乗り出し、至るところに中古販売/買い取りの看板が目につく。
 最初に入ったグッドウィルでは、「キーボードは買い取りできない」と言われ、次に入った中古専門店では、「500円ですね」と言われ、肩を落とす。せめて千円くらいにならないか、とまた何軒か回り、ようやくツクモで、800円という返事を得た。まあこれぐらいで手を打つか、と買い取りに同意し、動作確認が終わるのを待つ。

 しかし、ここでさらなるトラブルが待っていた。商品に付属のCDロムと取扱説明書がついてないから、これだと300円になる、と動作確認を終えた店員は僕に告げた。そんなはずはない。昨日買って確認したが、そんなものは入っていなかった。しかし店員は、メーカーのサイトの製品説明にそうした付属品があると書いてある、と言う。付いてなかったんですよ、と何度言っても聞き入れてもらえない。メーカーの連絡先電話番号が書いてあったから、そこに確認してもらえばわかる、と言っても「それはこちらではできかねます」との返事。僕はいったん店を出て、電話を探して自分で確認することにした。
 公衆電話に入ったのが12時40分頃だった。これまたなかなかうまく事は運ばないもので、メーカーに電話をかけると、「お昼休みなので1時までお待ち下さい」、というテープの声が流れた。すこしばかりイライラしながらその辺をうろうろして時間をつぶし、1時ちょうどにかけ直す。思ったとおり、仕様変更でCDロムも説明書も付属しないようになった、という返事を得た。そらみろ、とさっきの店にとって返し、事情を話してようやく決着がつく。ツクモExカードを持っていたため、1割増しの880円で買い取ってもらうことができた。

 ようやくこれで帰宅の途につく。また余談だが、帰りに近くの自転車屋に寄り、タイヤの値段を確認してみた。思っていたとおり、だいたい一本3500円から4000円はする。今日のタイヤ交換はいい判断だったかな、と思って帰ろうとすると、別の場所に二本一組で売ってあるのを見つける。なんと3980円という品があったのだった。しかもこちらはまったくの新品、僕が買ったのはどこから持って来られたのかもわからない中古のタイヤ……。
 まあこれについては深く考えるまい。自転車屋の店主のおじさんは優しかったし、タイヤも見た目はバリがまだ付いているほどきれいだ。安心して乗ることにしよう。

 さて、帰宅してすぐに新しいキーボードを試す。これは、有名な「Happy Hacking Keyboard Lite2」という製品だ。これである。
 ネット上で検索しても、絶賛の声が圧倒的で、愛好家も多い製品である。たしかにそれはうなずける。とにかく、無駄なキーをとことん省いてあり、しかもキー配列やキーの大きさがよく考えて作ってある。キータッチは静かでかつ絶妙な重さに設定してある。少々値段は高かったが、これなら大納得である。しかも、昨日のキーボードが2980円、今日買ったのが5000円、昨日のを売って戻ってきたのが880円だから、差し引きで支払った金額は、7100円である。今日の製品の正価は5980円だから、余分に払ったのは1120円という計算だ。そう考えると、それほど損したわけでもないし、勉強代と考えることにすればよい。これで快適な物書き生活がスタートしてくれるなら、安いものである。


 
2003. 10/20(月) ラップ
星井七瀬の歌を聴いて、ちょっとこれはあかんでしょう、と思った。星井七瀬、とは3代目「なっちゃん」としてデビュー(実際には別名で既に芸能活動をしていたらしい)した、14歳の少女である。短いスパンで各局の音楽番組に登場し一気に印象を植え付けるという昨今のプロモーション手順を忠実になぞり、先週あたりから出ずっぱりだ。僕は今日の「HEY!HEY!HEY!」で見た。ラップ調の曲を歌っていた。実際にどうなのかは知らないけれど、いかにも、「音程が悪いからラップにしてみました。ラップならメロディーはないから安心でしょう。ラップなんてしょせんこんなものでしょう」っていう言い草が歌いっぷりからにじみでていた。
 僕はラップという音楽形態はぜんぜん好きではないけれども、それでも真剣にやっている人はやっているだろうし、そういう人たちに対してあまりにも失礼である。もちろん、周りのスタッフのことだ。世の中なめてますよーという見え方を売りにするでもなく、ただバカみたいに歌わされて踊らされて消費されていくなっちゃんも、哀れだなあと思う。こういうものを世に出してはいけない。ここまで軽率でセンスと配慮のない楽曲も珍しい。

 

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