// 初めての楽園 //


AM6:00 ブルガリアのソフィアからバスに揺られて、イスタンブールのオトガルに到着。
とにもかくにも、まずは両替をしなきゃと、両替所を捜すが、開いていないため、VISAカードでのキャッシングをする。
物価もよくわからないし、いくらキャッシングしようか。。。とにかく、大きな数字ばかりが並んでいる。
その中で、一番小さな数字 1,000,000TL を選んだ。
なんか多すぎるんじゃないかな、これって5,000円くらいかな、そんなにいらないのにな等と思いつつ、でも仕方ない。
私は、これで、水や果物の買い物をし、お茶を飲んで、トラムやメトロに乗り、町の中心部 まで出て、ホテル探しをした。それでも、まだいくらかは残っていた。
あとで、計算してみると、キャッシングしたお金は、日本円にして500円ほどだった。
物価が安いおかげだが、それだけのお金で、悠々と街中をウロウロしてたと思うと自分が恐くなってきた。

とりあえずの両替を終え、ホテル捜しをする前に、昨夜は国境でのトラブルもあり、眠っていないのと、これから歩くトルコってどんなとこだろ?!というワクワク・ドキドキのハイな気分を少し落ち着けようと、オトガル内の喫茶店?に入って、初めてのトルコのチャイを飲むことにした。
初めての国トルコで、私を迎えてくれたものは、お店のおねえさんの笑顔だった。
この旅何日目かで初めて、明るい笑顔をもらったような気がする。
まるでずっと前から知り合いだったような、親しみのある、こぼれんばかりの笑顔と、おねえさんの背後に燦燦と照る明るい陽射し。
トルコに来て初めて接する人がこういう人だと、その土地に対して持つ印象は、花まる100点だ。
ただそれだけのことで、トルコはおもしろそうだと直感した。

暗い、陰鬱なイメージを拭い切れなかったブルガリアのソフィアから、トルコのイスタンブールに来て、自分にとって、ここはまるで楽園のように感じた。


こに住む人たちは、陽気で明るく、見るもの全てに太陽が照りつけてるようで、落ち込むことも、淋しく感じることもなかった。
街中を歩いていて、違和感を感じることもなかった。
こうなったらもう、トルコが自分には すごくあってるような気がして、ニヤニヤ・ホクホクと、顔が緩みっぱなしで、元には戻らない。
サバサンド片手に、金角湾に向かい、「あ〜幸せ〜」と叫びたくなってしまう。
でもやめた。

食べ物は、どれをとってみても美味で、イスラム圏が初めての私が観光に困ることはない。
どこを歩いてみても、何を見ても、新鮮で驚きの連続だった。
1日に何回か、コーランが流れるが、それ以外にも いつも街中に音楽が流れているような、ゴチャゴチャ、ガチャガチャしたこの汚い街が、一目で好きになってしまった。

楽しい時は大声で笑い、悲しい時は声が涸れるまで泣く。
そんな感情を押さえることなく、素直にそのままストレートに表現していいんだよ、と無言のうちに言われているような、開放感があった。





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