WILL〜The Death Trap 2〜【スクウェア】


ゲーム業界では泣く子も黙るメジャーカンパニーとなったスクウェアが、当時、 パソコンでアドベンチャーゲームの新境地を拓いた作品がこの「WILL」であり、 ファイナルファンタジーシリーズをはじめとする抜群のヒット作品をリリースする超一流ゲームソフトハウスの原点を見出せる作品でもある。
このゲームはコマンド入力型のアドベンチャーゲームで、当時、オープニングを含め、高速アニメーション処理を実現したことで注目された。 「PC−8801でここまでできるのか!!」という衝撃を、 オープニングの”アイシャ”のまばたきを見ることで受けた者も多いかと思う。
ストーリーは、トリニア島という孤島に、Dr.ハワードというマッドサイエンティストが造り上げた最終兵器を司るコンピューターを破壊するため、 送りこまれたエージェントBENSONが、「カベ ミル」等のコマンド入力により、次々に謎をクリアしつつ任務を遂行していく、 といった内容となっている。
コマンド入力形式のアドベンチャーゲームは、基本的に「名詞 動詞」といったボキャブラリーの組み合わせを入力することでゲームを進めるが、 なかなかその場面に合致した言葉が探し出せないことが多く、非常にもどかしい。逆に画面に表示されるドットの粗いCGから「ヒキダシ アケル」 とかイロイロ試行錯誤しながら入力し、ようやくヒットしたときの喜びは、現在主流となっている選択式アドベンチャーゲーム(俗に言うフラグ倒しゲーム)に 漬かってしまっているゲーマーには理解できないことだろう。
そして、このゲームの一番のオススメが、途中に出会うアンドロイド”アイシャ”だ。 Dr.ハワードにより造られた彼女は、Dr.ハワードの娘の意志を持ちつつも、BENSONにより覚醒後は共に行動するのだが、 覚醒する時のまばたきアニメーションは、オープニングのそれとは全く同一であるにもかかわらず、ストーリーの1シーンとして眼前に展開したときは、 当時大変な衝撃を受けたと記憶しているほど劇的だ。
また、ストーリー最後には”アイシャ”との悲しい別れのシーンがあり、 感動の渦に引きずり込まれること間違いなしといったところだ。
そんなワケだから、オレがプレイするRPGをはじめとした名前入力機能がついたゲームでは、”アイシャ” という名前が多用されがちである。
ちなみに、現在でもスタートからエンディングまで、ほぼ全てのコマンド内容を覚えているので、感動を味わいたいときは、 容赦なくプレイしている。どこでどんなアイテムをゲットするか、隠し扉をどうやって開けるか、なんてのはモトより、隠しコマンドもドンと来いだ。

アイシャに会いに行く



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