「提督!! 前方の海上に灯りが見えます!!」
「うむ、そうか。よし、それでは上陸準備だ!!」
「提督!! 灯りが移動しています!!」
「なに!? 海賊だったか。それでは戦闘準備!!」
「提督!! 先行艦が燃えてます!!」
「うぎゃ〜、セントエルモの火だったかぁ〜、全艦逃げろ〜!!」
大航海時代に繰り広げられたであろう、上記のような航海日誌の日々のシーンが綴られているワケではないが、 未知の大海原を冒険して世界地図を完成させるシミュレーションゲームとして、 この「ATLAS」は、相当のロマンをオレに与えてくれた。
ポルトガル国王と契約して資金を援助してもらう代わりに、未踏地域を探索して地図を描き、
世界の姿を明らかにしていくこの「ATLAS」は、
自分が艦隊を率いる提督となるワケではなく、海運会社の社長として、その提督達を雇い入れ、艦船を購入し、
提督たちに探索の指示を行う、いわば経営シミュレーション的要素が非常に強いゲームなのだ。
当然、経営に必要な資金は王国からの資金提供だけでは足りないので、貿易をして自ら稼ぎ出す必要があるため、
【冒険】と【貿易】のバランスを取りながら会社を経営しないと、すぐに資金難に陥ってしまうゾ。
特に序盤は資金面がかなり心細いので、いきなり大量の資金投下が必要な冒険ばかりしないで、
早期に安定した貿易航路を探し出して、経営基盤の安定化を図ることに全力を尽くすのだ。
1.貿易
貿易は、2つの拠点(都市に商館か交易所を置く事)間に船団を航行させて、それぞれの拠点の特産物を取引させることで成立する。
特産物には、価値の高・低の他、生産量(埋蔵量)の大・小があるので、船団の編成数や投下する資金量により、
一概に儲かるかどうかは断言できない要素がある。
例えば、ダイヤモンドや金などの非常に高額で取引される商品であっても、
埋蔵量が少ないと短期間の貿易ですぐに枯渇してしまって貿易が滞ってしまい、投下した資金を回収できないケースもあるのだ。
逆に、価値はそこそこでも無尽蔵に生産される作物や工芸品特産物は、よほど大量輸送しない限りは長期間に渡って貿易ができるため、
トータル的にドル箱航路となることもあるのだ。
なお、香辛料などの作物は価値が非常に高いため、発見したら躊躇無く貿易航路を開きたい。
2.冒険
冒険は、提督を雇って探検船を購入して船団を派遣することでOKだ。
なお、派遣先はまだ地図が作成されていない、いわゆる未踏地域となる。
未踏地域に船団を派遣すると、一定期間その地域を探索して船団が帰還するが、
場合によっては船団が難破して戻らない場合もある(この辺は提督の能力や船団の規模に左右される)。
無事、船団が帰還すると提督から冒険の報告があり、見事陸地を発見すると、新たな都市や特産物の情報がゲットでき、
更なる冒険への橋頭堡を築くことができるのだ。
そして、運が良いと宝物を発見することができ、王様から報奨金をいただける。報奨金は発見したモノにもよるが、
たまに破格な額の時もあるので、陸地発見の際は付近の土地に付けられたランドマークを片っ端からクリックして、
宝物を見落とさないようにしたい。
なお、毎年1月1日に、冒険した未踏地域エリアの広さに応じて王様から資金援助があるため、
なるべくこのノルマを満たしつつ王様との契約を持続したい。
成果を上げないでいると、王様からの資金援助が断たれてしまうので要注意だ。
貿易で会社を維持しつつ冒険を繰り返していると、いつか、東に向けて派遣した探検隊が描いた地図と、
西に向けて派遣した探検隊が描いた地図が重なる時を迎える。
この時こそ、念願の世界一周達成の瞬間だが、ここに到る道のりは地平にゆらめく霞を捕らえるかの如く遠い。
しかし、この長い道のりを踏破できれば、ホントに感無量な気分に浸れること間違いなしだ。
なお、このゲームは当初フロッピーディスク版としてリリースされていたが、後日、当ハードディスク版がリリースされて、
ゲームプレイ時のフロッピーディスク入れ替えの煩わしさが解消されている。
大海原に漕ぎ出す
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