Report from Mr. Ito Yoshiaki in Puerto Rico

プエルトリコ在住の伊藤 嘉章 氏からのレポートです。

Video "Siempre Piel Canela - La musica de bobby capo"

はじめに 
楽しめるビデオです。このビデオは当地のバンコ・ポプラールが毎年 年末に当地にちなんたアーチストをテーマに選んでCDとビデオを作成して いるものです。一昨年は当地をまず代表する作曲家のラファエル・エルナンデス、 昨年はペドロ・フローレス、そして今年はこのボビー・カポです。3人とも所謂多くのラテン・スタンダードを残した人達で未だに人々に愛され、また プエルトリコのみならず多くのアーティストに取り上げられ続けています。
ボビー・カポは1921年生まれ1989年に亡くなった、作曲家で歌手で映画にも 出たりしているマルチなアーティスト。歌手として一番有名ですが生涯に約 1500もの曲をを残し、作詞家、メロディー・メーカーとしてもラテン音楽の 中で重要な人です。そのメロディーの魅力はこの"Siempre Piel Canela" で 編曲仕直された曲で十分楽しめます。
さて、ビデオですが、音楽監督はアンヘル・クコ・ペーニャ。最近ではマーク ・アンソニージェリー・リベラの新譜のプロデュースでお馴染みです。 各歌手はプエルトリコの音楽シーンで乗ってるアーティストばかり。

オルガ・タニョン 
2曲目のオルガ・タニョンはご存じメレンゲの女王。
昨年11月には当地の球場での公演を2日ソールド・アウトにする人気。
「プエルトリコでハネムーン」で楽しくチャチャチャを披露。
ダニー・リベラ 
三曲目のダニー・リベラは50年代から当地ポップス界ではスターの一人。
最近はプエルトリコ独自の音楽に的をしぼってチャレンジし続けています。
アレンジもセンス良く、美しい。
アンディー・モンタニェス、チェオ・フェリシアーノ、イスマエル・ ミランダ
四曲目のアンディー・モンタニェス、チェオ・フェリシアーノ、イスマエル・ ミランダは言わずと知れたサルサのビッグ・ネーム。
この曲は30年前にも エル・グラン・コンボが取り上げており、ボビー・カポの曲がスタンダードで あることが分かります。
エドニータ・ナサリオ
次のエドニータ・ナサリオは10代より活躍しているポップス分野のスター。
今年1月よりブロードウエーでのポール・サイモン監修のミュージカル「ザ・ ケープマン」マーク・アンソニー、ルーベン・ブラデスと共に主演します。
マニー・マヌエル
お次はメレンゲの若大将、マニー・マヌエル。
最近はボレロやサルサにも挑戦 し、元気一杯です。
ホセ・フェリシアーノ
七曲目のホセ・フェリシアーノは日本でも70年代ヒットを飛ばしましたから ご存じの人も多いのでは。
"LIGHT MY FIRE"とか"RAIN"が有名ですね。
フェリペ・ロドリゲスは50・60年代にニューヨークと当地を股にかけて 活躍した歌手で"EL VOZ"の愛称を持つ美声の持ち主。泣かせますね。
ヒルベルト・サンタ・ロサ
そしてお次はお馴染みヒルベルト・サンタ・ロサ。
トレスの名手マキシモ・ トレスのバックが軽快にささえるサルサのリズム。
軽々歌うサンタロサ。
リセット
九曲目のリセットは,65年にデビューのベテランですが、60年代は 十三曲目のルセシータとアイドルのトップを争う人気でした。
どちらが お好みでしょうか?
ジセル、ジェシカ、グルーポ・マニア
次の二曲はメレンゲ勢ですね。
プエルトリコの年末には欠かせないプレーナ のリズムに乗って快調に飛ばします。
ジセルは最新アルバム"QUIERO ESTAR CONTIGO"でキュートな魅力にノックアウトされた人もいるのでは?
対する ジェシカも"NATUAL"で人気抜群。
そして現在男性メレンゲ・グループでは トップのグルーポ・マニアです。
ビクトル・マヌエル
十二曲目はサルサ・ファンお待ちかねのビクトル・マヌエル。
プエルトリコの 哀愁たっぷりの歌。
ボビー・カポのメロディーの力とマヌエルの旬の魅力が 見事に合体!まさにプエルトリコ・サルサです。
ルセシータ・ベニーテス
次はルセシータ・ベニーテス。
「プエルトリコの母」なんて言う人もいますが、 60年代のキュートなアイドル時代からポップスの分野のスターです。
サルサ やプレーナに挑戦したアルバムもあります。貫禄。
エル・トポ”アントニオ・キャバン・バレ、ロイ・ブラウン
そしてお次は”エル・トポ”アントニオ・キャバン・バレロイ・ブラウンの デュオ。
2人は”ヌエバ・カンシオン”の人達と言われることが多いのですが、 コマーシャリズムと距離を置いたところでプロテストな曲を発表し続けています。
昨年、キューバのシルビオ・ロドリゲスと競演した2人と言ったら伝わるで しょうか?
個性の違う2人の歌が魅力的ですね。
トニー・ベガ
次は待ったました、トニー・ベガです。
ウイリー・ロサリオ時代からの彼の繊細な 歌い回しにぞっこんなサルサ・ファンも多いでしょう。
ミリー・ケサダ
十六曲目はメレンゲのベテラン、ミリー・ケサダです。
昨年の大晦日は ヒルベルト・サンタ・ロサとのショーでいいステージを見せてくれました。
ミリー
次はプエルトリコの「今」のアイドル、ミリーです。
美しいいですね。 アルバムも2枚出てます。
マイケル・スチュアート
そして当地サルセーロの若手トップ、マイケル・スチュアートです。
彼の ステージは実に熱くていいですよ。
フィエラ・ア・ラ・ベガ
十九曲目は当地ロック・シーンの代表、フィエラ・ア・ラ・ベガ。
シンプル な音作りはボビー・カポのメロディーを浮き上がらせます。
ルース・フェルナンデス
次は50年代"VOZ NACIONAL"と言われニューヨークとプエルトリコ両方で 活躍したルース・フェルナンデス。
ぶっとい声ですねえ。
チューチョ、ジャッキー
そして次は当地50年代以来TVやショービズで活躍するポップスの大御所 チューチョとボビー・カポの娘さんのジャッキーです。
チャヤン
次の二曲はリッキー・マーチンに続き米州、欧州を狙うポップス界のアイドル チャヤンです。
この濃いマスクが人気あるんですよ。
"SON~ANDO COn PUERTO RICO"
そして最後の"SON~ANDO COn PUERTO RICO"はそのちょっとセンチメンタル なメロディーで泣かせてくれます。
ロベルト・ロエナが取り上げたのも良くわかる いい曲ですねえ。

と思い付くまま書き連ねましたが、今のプエルトリコのアーティストが一気に 楽しめ、ダンスも楽しめ、ボビー・カポも楽しめるという非常にお得なビデオ です。日本にどのくらい入るのかわかりませんが、お薦めの作品です。

copywright Mr.Ito Yoshiaki 1998.1.6