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Junk Guitar 修繕記

           4・木曾鈴木 Mandorin No5 修繕記

A・状態とパーツ B・塗装落とし&ペグ穴修正 C・下地作り D・ヘッドトップ塗装と簡単なインレイ作製 

 E・ヘッドのバック・サイド塗装 F・磨きとペグ取り付け G・ネックの塗装 祝!完成


 父の形見のマンドリン。弾いている姿は見たことがないですが、父の青春の思い出だったかもしれません。大切に扱わなかった息子が直すのは、義務でありましょう。ただ直すだけじゃなく、生まれ変わらせるつもりでやりましょうか。


A・状態とパーツ

  

 壊したのは私です。といっても単にペグがなく、ヘッドに傷を付けただけですので、修復は楽ですね。ご覧の通り、ヘッドの表と裏に大きな傷があります。ヘッドのサイドも同様な傷がありますから、塗装し直してペグを取り付けるだけの話です。ペグは右の画像のGOTOH製マンドリンペグを取り寄せました。ペグの穴位置はピッタリですが、本体の穴径が少し小さいので拡げるだけですね。

 よって、塗装の剥離・ペグ穴のマッチング・塗装・プラスαα、以上の手順で修復しましょう。

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B・塗装落とし&ペグ穴修正

 例によって、アイロンで温めて丁寧に剥ぎ取ります。と、思いましたが今回はサンディングブロック&スクレーパーで落としました。古いせいか塗装が薄く、痩せすぎていましたので丁寧にサンディングです。

 

 

 サイド・バックは黒にするので適当に。でも、余計な傷等は、パテ埋めします。ペグ穴修正は楽なので、ペグに合わせてリーマーで8mmφにしました。

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C・下地作り

 さて、一応400番までサンディングして目止めを塗ります。今回は単なるウッドシーラーにしました。

   kita師匠の教えに従い、半日ほど外に出し余分なラッカー成分を飛ばし粘度を高めます。Tシャツで作ったタンポで塗り込んでいきます。そして水研ぎ。これを3回繰り返しました。

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D・ヘッドドップ塗装と簡単なインレイ作製

 ド素人が簡単ではありますが、インレイをヘッドに入れてあげようと無謀なことを思い立ちました。中塗り(着色)してからインレイ溝を掘るのか、その前か…すら分かりません。早速ネットで調べてみると.....どうやら色々みたいですね。貝の模様をそのまま活かすか、それとも.....。という訳でド素人はよく分からんので、色を吹いてからインレイを入れ、その上にトップコートをして仕上げることにしました。

 この貝のシートを使います。割れてるねぇ…さくらが踏んづけました。厚さは0.3mmしかありません。

 ベースになる黄色を、1回吹いた所です。もう1回吹きましょう。さあ、どうなるんだろう?吹いた塗料は、kita師匠お薦めの「HOLTS FAMTASY Candy color」シリーズです。バイク専門店で入手しました(HOLTSを扱っていても、置いてる所とない所があります。取り寄せでは10日弱かかります)

 2回目を吹いて、乾燥後です。色に落ち着きと深みが出ました。所々に杢も浮かび始めましたね。結構侮れない材のようです。乾燥したら、もう1回吹きましょう。

  3回目の重ね吹き後、別角度から2枚です。更に深みが出てきました。この塗料は師匠がお薦めするだけあって本当に美しいですね。この後に、赤でグラデーションを入れていきます。

 多少赤がきつくなってしまった箇所がありますが、こんなものでしょう。赤が大きくキツメの所にインレイを入れましょうか。さて、デザインはどうしよう?

     

 とても不器用な「だんな」は、妻に救いの手を求め何とか形になりました。メキシコ貝の薄いシートを二人で内職のように切り、木工ボンドで貼り付けました。完全に硬化したら、次はクリアを数回吹き完全に固定させましょう。

 で、最悪の結果でした。クリアが白濁して気泡が出てしまいました。師匠に訊いたところ「湿度の高い時にクリアを吹くと白濁するよ」との仰せ。仕方ないので白濁したクリアを水研ぎして取り除きますわ......。と、やってはみたがダメでしたので、インレイ部分だけ残し塗装の仕直しです.....(泣o泣;;;;;;;

 でもって、塗装を剥いでインレイ部分をマスキングしてイエローを3度吹いた後です。何かこの方が最初に吹いた時より、渋くて味がないか?

 赤を1回吹いてクリアを2回吹いたところ。気泡がまたしても入ってしまったが、修正が充分ききそうである。この後、数回クリアを吹いて乾燥させる。最初の配色より格好いいと思うのは、自分だけ? あ!バックとサイドも塗装しなきゃいけなかったんだ!用心のため、クリアを数回吹いた後は時間をおいて乾燥。完全に乾かそう!

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E・ヘッドのバック・サイド塗装

 さて、ヘッドトップも乾燥したのでバック・サイドを黒にして磨いて終わり!と思ったが、改めてヘッド裏のを見てみると.....良い杢が出てるじゃん!「こりゃ黒じゃ勿体ないわい!イエローにして、軽〜く赤も吹いて.......」方針変更で、サンディング仕直し&目止め。「カッコ良くなるかも〜」勝手に思うだんな。仕事が増えただけ、だったりもする。他にも中途のがあるっつーに。

 ね、なかなかの杢でしょ?イエロー3回・赤1回でクリアーを数回吹くに変更〜ヾ(=^o^=)/ また湿度との戦いになるなぁ〜。

 2回目のイエローです。見づらいかもしれないけど、上品な杢が出てきました。3回目にイエローを吹いた時に気泡が出てしまったので、水研ぎして再度吹きました。湿度との戦いですにゃ(=・㌫・=)

  そして赤でグラデーションを入れて、この後クリアを2回吹きます。ちょっと色を乗せ過ぎました。イエローのままで良かったかも.............(・▽・;;;;;;

 画像は載せません、またまたクリアで大失敗しました。気泡&白濁だらけで、頭に来ました。塗装を全部剥ぎ、最初からやり直すことを決意しました。失敗の最大の原因は、一回の吹きで、多量のラッカーを吹き過ぎであると確信しました。素人にありがちな「やり過ぎ」ってやつです。湿度等の条件は良かったので、間違いなく「焦りとやり過ぎ」であります。塗装についての、良い練習と気持ちを切り替えて再々チャレンジに入ります。┐(泣□泣)┌

 

 そして以前と同じような行程を数日かけてをこなし、ようやくトップのクリアの吹きつけが終了した。流石に2度も失敗しているだけあって、慎重に塗り重ねすぎないように&慌てずにじっくり乾燥させてから、各色とクリアを重ね吹きしていった。次は磨きをやらなきゃ! その前に時間をかけて乾燥!!!!!

 乾燥は充分時間をかけてやったが、ヘッドが美しくなった分ネックの汚さが気になり始めた。こりゃ磨きの後に一回ペグ付けて、弦を張ってみて気になるようだったらネックも塗り直しかなと思う。


F・磨きとペグ取り付け

ネックの塗りと一部重なりましたが、こちらもやってしまいましょう。800番から2000番まで水研ぎし、コンパウンドも50ミクロンから1ミクロンまで。塗りが下手だから、ここまでが限界〜......

 

では、ペグも付けちゃいましょ!

 

なかなか雰囲気モノです。後はネックを塗装して出来上がりかな?妻に「おっ!きれいじゃない!」と誉められ、ちょっと嬉しいだんなである(^_^;;;;;;

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G・ネックの塗装

 まだヘッドの塗料が完全に乾燥していない状態、磨きの前に塗装を剥いだ。わずかながら杢が見えるかな〜。

 もう少しきれいに剥ごうかな。

目止めのシーラーを塗布・乾燥中。乾燥後の水研ぎ(800番で)の頃にはヘッドも乾燥して、上の項目の磨き&ペグ付けをした。

さて、これに2回イエローで下地を吹いて同じように赤でグラデーションを付けて行きましょう。下の3枚の画像は1回目のイエローです。

 

 なんとなくですが、杢が見えますね。

  

上の2枚の画像は、二回目を吹いた後。色に深さとコクが出てきました。

 そして赤でサンバースト風に。

後はクリアを吹いて磨けば完成ですね。

 クリアの2回目を吹いて乾燥中。今度は気泡も出なかった(=^^=)

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祝!完成

クリアも白濁せずに済み、完全?にラッカー臭さも取れて乾燥完了!磨きも終了して無事に完成! ド素人でも、ここまで出来るんだと我ながら驚きです。すかさず弦を張って..........。

 

肝心の音は.......非常に乾いた良い音がします。とにかく完成だ〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!

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