古い製品について (主にランプ)

 

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掲載している製品は現状では使用できます。使用不能な品物、ディスプレイ向きの品物は明記しています。
100年ほど前のランプを、当方は日常的に使っています。乱暴に使用しなければ問題はありません。製品によっては現代のものより堅牢です。ただ、長年使われたものには経年疲労、劣化があります。乱暴に扱わず、いたわり、慈しみの気持ちを忘れないでください。

現代の製品でも故障すればパーツを交換します。古い製品も同じです。特に電源ケーブル(コード)やスイッチは消耗品です。ケーブルが古く、断線やショートで使えなくなる恐れがある、将来的に危険、などと判断した場合は、新しいものに交換しております。使えそうなものはそのままです。あくまでも当方の判断です。
入手した時点ですでにパーツが交換、改造された品、一部のパーツを紛失した品もあります。

できる限り、写真あるいは文章で品物の状態、使用の痕跡を提示しています。
ただし、古い品に使用痕があるのは当然ですので、古い品のあら捜しをするような記述はしていません。例えばGrasの塗装はがれやサビ、リフレクターの傷やへこみなどはあるのが普通です。大きなダメージでない限り提示していません。

年代につきましては、資料との照合で確実にわかる品は記載しています。
不明なものは、多くの品を見てきた経験から推測で記載しています。大きな間違いはないと思いますが、すべてに精通しておりません。ご了承ください。

ランプ以外の家電製品は、状態を完全に確認しておりません。


塗装がオリジナルかリペイント(再塗装)か?
リペイントであれば記載をしています。記載がなければオリジナル塗装です。近年にリペイントされたものはすぐにわかります。しかし、昔のリペイントは経年数が長いとオリジナル塗装との見極めがとても難しいです。ですからあくまで当方の判断です。
当方は長年見続けていますので、かなり見極めができると思っています。しかし間違いもあることをご了承ください。(古い品のペイントの判断が正確、完璧に出来る人はいないでしょう。)
オリジナル塗装が望ましいけれど、リペイントでもいいと当方は思います。これは個人の好みや考え方の領域です。状態次第ですが、サビだらけのボロボロよりも、再塗装の方が使用に適しています。長期使用、保存にも向いています。再塗装も使ううちに古びてきます。
欧米ではリペイントをほとんど問題にしません。負のイメージとは捉えないのです。
日本人は侘び寂び好みで「いい味」を望みますが、そんな品はなかなかありません。日本人はオリジナル塗装にこだわりすぎです。


当方は、古いランプではほとんどLED電球を使用しています。
と申しますのも、一般的な白熱電球は点灯すると触れないほどの高温になり、長年の使用でソケットやリフレクターの塗装などは、すでに熱によるダメージを受けています。その上、現代の明るい白熱電球の使用は、熱によるさらなる劣化に拍車をかけることになります。
古いランプで電球付近のリフレクターの塗装が剥がれたり、ベークライト製(古い時代のプラスチック)ソケットがボロボロになったものがあるのは熱による劣化です。ソケットが磁器、金属の場合は熱の劣化は比較的少ないのですが、長年の使用により劣化が進んでいるものもあります。
LED電球もある程度の熱を持ちますが、点灯中に発光部やソケットとの接触部分は触っても平気なほど低温です。古いランプを末永く使うためのいたわりとしてLEDを強くお薦めします。電気代も押さえられます。

GRASの実験
GRASは口金がB22の丸い小型の特殊電球を使いますが、電球直近のリフレクター部分がとても高温になります。点灯後しばらくして触れば実感します。現在日本で販売されている「B22電球」を使い実験しました。GRASのリフレクターはNo.1054です。ご参考までに以下に記します。
電球は使用頻度が高い「アサヒ製60W、直径50mm」と「アサヒ製40W、直径40mm」。電気式温度計を使用。

60Wを10分点灯した時点での電球表面温度は175℃。(触るとすぐにヤケドします)。その時の電球直近のリフレクター内部の温度は67℃でした。40Wの電球では10分後の電球表面温度115℃、直近のリフレクター温度は58℃でした。
実験日の室温は25℃。夏は気温が上昇しますから、上記の温度にその分を上乗せする必要があり、さらに上昇します。

結果として、GRASはリフレクターと電球が近いため、口金がB22の明るい白熱電球を点灯すれば、リフレクターの塗装が熱で確実にダメージ(変色、はがれ)を受けます。 いくつかの塗料メーカーに問い合わせましたら、当方の見解と同じく「必ず劣化します」との答えでした。
白熱電球の使用は、せめて使用は25Wまでと考えますが、25Wでもかなり高温になります。
当方は大事な古いランプを守るため、GRASに限らずLED電球を使っています。


電球とリフレクターが離れているランプは、白熱電球の熱の影響をさほど受けません。(GRAS以外のほとんどのランプは大丈夫です)。現代のランプも古いランプ同様にほとんどが一般的な塗装で、耐熱、焼き付け塗装ではありません。ですから神経質になりすぎないでください。また、ホウロウのリフレクターやシェードは熱に強いです。

白熱電球のフロストタイプ(スリガラス電球)や蛍光灯電球は、LEDよりも光の質が柔らかく、光の拡散がきれいで、目に優しいです。長時間の点灯でなければ熱の心配も少なく、白熱電球でも大丈夫かと思います。
ただし、透明ガラスの電球は光が散光せず直線的で目が疲れます。光源を直接見ますと目の網膜を痛めます。蛍光灯は紫外線が出ます。ご注意ください。

現在は電気代が高騰していますので、以下は参考程度にお考えください。
白熱電球の電気代 (1時間当たりの目安)  100W→ 2.2円。60W→ 1.32円。40W→ 0.88円。25W→ 0.55円。
LED電球はこの1/8程度で、長時間使用されるランプでは大幅な節約ができます。


ランプなどを壁に取り付ける際、電動ドリルは使用しないで下さい。電動ドリルはパワーがありすぎ、ランプの穴周辺を傷めます。磁器製品などは壊れます。壁に錐(キリ)で下穴を開け、ビス(木ネジ)はドライバーでねじ込んでください。


お譲りしたランプが故障し、修理が必要なことも生じるかと思います。どうぞご相談ください。
古いパーツを所持しているケースがありますので、物によってはランプの修理は可能です。
修理の場合は、 工賃、パーツ代金、品物の往復の送料などをご負担ください。



ヴィンテージ、アンティークについての例

●どんな名作椅子でも、ファブリックが傷んで擦り切れれば、使うためには新しい布地に貼り替えます。それでも価値は損なわれません。ランプの再塗装も同様だと思います。
●100年前のクラッシックカーを、毎日の通勤の足に使う人はいないと思います。古いものはいたわってください。
●ボロボロの古い自動車をレストア(再生・復元)する場合、オリジナル部品はすでに存在しませんから、元の古い部品の使えるものだけを使い、壊れたものは新しい現行の部品に入れ替えます。場合によっては、手作りします。車体は新しい塗装を施します。そうして蘇らせた車はヴィンテージとして、非常に高価で取引されます。
●姫路城も修復が終わりましたが、同じことです。柱、壁、瓦など、壊れたり腐った部材を現在の新しい部材に取り替え、漆喰を塗り直し、それでも国宝です。


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