2011年10月8日


2011年渓流釣りシーズン総括


1.はじめに

まずは、3月に発生した東日本大震災によって、シーズン序盤は釣行できない状態が続きました。
それから、昨年9月に、静岡県駿東郡小山町に多大な被害をもたらした台風の大災害による濁りが取れない中での今シーズンでしたが、
やはりその影響は多大であり、須川や野沢川の濁流によって下流部の神奈川県側酒匂川本流は濁りが全く取れず、
澄んだ清流の顔を見ること無く、シーズンが終わりました。
この状況は、今後未だ何年も続きます・・・。

ここ数年は、8月には納竿していた状態でしたが、今シーズンは、小山釣友会の若手名手のNさんと共に釣行する機会が多く、
9月末まで竿を振っており、ほぼ、シーズンを全うできたとも言えるでしょう。
新たなフィールドとして、山梨県側の桂川系統の都留漁協管轄区域に進出し、大物釣りの醍醐味も味わえたことも相まって、
自然環境はイマイチながらも、楽しいシーズンが過ごせたと言えるでしょう。

また、泥濁りのうえに火山灰(スコリア)が堆積した酒匂川本流には、予想外の天然アユの大漁遡上があり、
鮎毛鉤釣りについては、思わぬ大釣りが楽しめたのは嬉しい誤算だったのかもしれません。

とにもかくにも、今シーズンはこれにて終了。
来季もこの地域で起居できるならば、良好な自然環境の回復及び、美形な渓流魚、清流魚を釣って楽しみたいものです。



2.地域ごとの水系及び各河川についての講評

<神奈川県側 酒匂川水系本支流>
まずは酒匂川本流ですが、何しろ、昨年9月に静岡県側の小山町に大きな被害をもたらせた台風大災害の影響をモロに受け、
首都圏有数の清流のはずの酒匂川本流は、無残にも泥濁り状態が続き、しかも富士山の火山灰(スコリア)が堆積し、
河川環境は最悪でしたが、これは自然災害の影響なので、致し方ないことです・・・。

川虫類も全く生育せず、ただでさえ資源量の少ない本流魚は、ほとんど釣れませんでした。
また、ウグイやオイカワといったコイ科外道の主力生息魚種も以前にも増して魚影が薄く、魚食ギャングの川鵜や鷺による
食害も追い打ちを掛けたものと思われます・・・。

一方で嬉しい誤算として、相模湾における天然アユの資源量が非常に多かったため、泥濁りで最悪の条件にもかかわらず、
酒匂川本流には沢山の天然アユが遡上してきてくれ、これらの遡上が、支流の狩川や内川へも到達してくれたため、
鮎毛鉤釣りに関しては、少年時代を振り返ってみても、過去最高の釣果を得られたシーズンになったことは、
思いもよらない収穫でして、580匹のアユを釣り上げることができました。
しかしながら、破壊された環境の中で、いくら毛鉤でアユを沢山釣っても、釣趣乏しく、楽しかったかと言われれば、
微妙な思いであることもまた事実です・・・。

支流筋は、西丹沢本格渓流の世附川や大又沢が、これもまた昨年9月の台風による大災害のために入山不可のため、
西丹沢渓流へは、今シーズンは一度も足が向きませんでした・・・。
世附の林道を歩く釣りは、有酸素運動としての副産物も目的でしたので、それができなかったことにより、
メタボ解消の機会をあまり得られなかったという面もあります。これは残念なことでした。

里川エリアですが、西丹沢本格渓流へ入山できない状態だったためか、里川エリアへも釣り人が殺到し、
内川辺りも釣り人銀座の激戦区と化し、昨年は豊富だった資源量も今年は乏しく、数匹のヤマメやニジマスを釣るのが
関の山で終了しました。
これもまた、致し方ないことです・・・。

まあ、それでも酒匂川漁協管轄区域への釣行回数は20回を数えているので、10,000円もする高い年券代金の
元は取れたので、ヨシとしましょう。
来季は、環境が回復した状態で、竿が振れることを願うしかありません・・・。


<静岡県側 鮎沢川系統各河川>
静岡県駿東郡小山町は、まさに昨年9月の台風大災害のまさしく被災地・・・。
須川や野沢川といった、西丹沢の世附山地の南斜面を水源に持つ川の被害は甚大であり、多くの釣り場が失われました。
また、須川養魚場は、操業ができない状態にまで破壊され、小山釣友会長による動員にて、私を含め、多くのボランティア人員が
復旧作業に従事しましたが、天の試練はあまりにも厳しく、今年も台風12号、15号が相次いで襲来し、
この1年間の復旧作業をあざ笑うかのごとく、厳しい仕打ちをまたもや被った形になります・・・。
私としては、大将である小山釣友会長の動員があれば、今後もコンスタントに合力する所存ですが、思い切った根本対策を、
静岡県や小山町には取って頂きたいと切に思います・・・。

被害が少なかった足柄山系や東富士系の沢筋は、一応は釣りになりましたが、それでも例年行っている稚魚放流が無いためか、
釣果はそれほど得られませんでした。
それでも、釣りができるだけでも、十分だと言えるでしょう。

なお、かつてのホームグラウンドである鮎沢川漁協管轄区域の本流筋は、ウグイばかりしか釣れず、ヤマメやアマゴ、
ニジマスの姿はほとんど見られませんでした・・・。
腕前が悪くて釣れないのか、資源量が少ないのかは何とも言えませんが、いずれにしても、2004年や2005年に比べれば、
全然釣れないと言っても過言ではありません。

来季は、稚魚放流事業の再開及び、災害復興の完了を願ってやみません・・・。


<山梨県側 桂川都留漁協管轄区域>
小山釣友会の若手名手のNさんから、新規エリアの開拓のお誘いを受けて、以前から大物釣りのメッカで知られる甲州郡内地方の
桂川系統への参戦を開始しました・・・。

なるほど、確かに大物釣りで有名だけあって、それなりに釣果を得られましたが、何しろゴミが多いというマイナス面もあります・・・。
とはいえ、都留漁協の管理放流は確かなものであり、西相模からも1時間半程度で行けるため、来季は、この地で引き続き起居できているならば、
年券を購入し、主力フィールドの1つとして対象に据える可能性はあります。

来季の解禁前までに、桂川本流だけでなく、鹿留川、柄杓流川、菅野川といった主力支流の探索を行う予定です。



3.主たる釣果について

<ヤマメ>
33センチ  7月28日   桂川本流中流部(山梨県南都留郡西桂町)
27センチ  9月8日    鮎沢川系統秘密某B沢(静岡県駿東郡小山町)
26センチ  5月5日    酒匂川本流中流部(神奈川県足柄上郡開成町)
25センチ  5月4日    小山佐野川支流海苔川中流部(静岡県駿東郡小山町)
※成魚放流物でも、ヒレが回復しつつある個体は対象とした。


<アマゴ>
27センチ  8月26日   桂川本流中流部(山梨県南都留郡西桂町)
22センチ  4月29日   鮎沢川系統秘密某A沢(静岡県駿東郡小山町)
※成魚放流物でも、ヒレが回復しつつある個体は対象とした。


<ニジマス>
30センチ  8月12日   桂川本流中流部(山梨県都留市)


<イワナ>
※今シーズンは釣果無し


<アユ>
20センチ  7月16日    酒匂川本流中流部(神奈川県足柄上郡山北町)
18センチ  7月14日    川音川下流部(神奈川県足柄上郡松田町)