2007年8月18日


2007年渓流釣りシーズン総括


1.はじめに

本日現在、一般的には2007年シーズンの終盤戦を迎えているところではありますが、昨シーズンに続き、
今シーズンも、シーズン終了前に納竿せざるを得なくなりました。
業務上必要な資格試験の受験を、晩秋〜初冬に掛けてクリアせねばならず、3箇月ばかりのリードタイムを
割くことにしました。
日々の仕事を抱えながらなので中々に大儀ですが、来季の解禁を、何の支障も無く迎えるために、
早々に合格を果たしたいところであります・・・。

釣行回数は、昨シーズンよりかは多少多かったものの、ほとんどが神奈川県側酒匂川水系(酒匂川漁協管轄内)となり、
静岡県側の管轄漁協無し区間(駿東郡小山町内)への釣行は、僅か1回に留まりました。
したがって、静岡県側に多く生息するアマゴは、今シーズンは1匹も釣ることがありませんでした。

また、今シーズンは、西丹沢の渓流域での釣行回数を増やし、ヤマメやイワナについては一定の釣果を
得ることができた一方、酒匂川本流での釣りは不調で、昨シーズン成果のあった大型トラウト(ニジマス・ホウライマス)は、
全く出ませんでした。
当然ながら、良型の本流ヤマメが出るはずもなく、酒匂川漁協が放流したチビヤマメが数匹釣れるに留まり、
本流釣りの醍醐味を味わうことができませんでしたが、コイ科外道のウグイとオイカワの魚影は、
復活傾向だと感じられました。

その他の要素としては、何故かニジマスの釣果が僅か1匹に留まり、ヤマメの釣果が多かったシーズンだったといえます。
アユ毛鉤釣りについては、解禁日に琵琶湖産の放流アユの良型が釣れたものの、すぐに資源枯渇となり、
あとは小田原地区の下流部では、夕マズメ時限定にて、天然遡上アユがツ抜け程度には釣れ、それほど多くない
釣果ではありましたが、不満にはなりませんでした。

全般的に、大物は釣れなかったものの、そこそこ楽しめたシーズンだったと思います。
懸念点としては、酒匂川本流の水質悪化によって透明度が一段と下がったことと、西丹沢の中川川、世附川、玄倉川等の
本格渓流においても、人工的な取水や雨不足によって渇水すると、青ノロや茶ノロが発生し、富栄養化の進行が
危ぶまれます。
人家も無いのに水質が悪化するという由々しき自体であり、地球温暖化による昇温に、取水による減水が、
追い討ちを掛けているのではないでしょうか・・・。
発電のためとはいえ、西丹沢の渓流には、本来の水量と渓相を回復させていただきたいものです。



2.地域ごとの水系及び各河川についての講評

<神奈川県側 酒匂川水系本支流>
今シーズンは、地元西湘地区を流れる酒匂川水系本支流について、酒匂川本流中流部は勿論、西丹沢の渓流も
積極的に釣行しました。
西丹沢本格渓流については、世附川・中川川・玄倉川について、一通り釣行しましたが、玄倉については、
相性が悪い上に岩盤崩落によって核心部に入山できず、荒れた下流部での釣りしかできず、釣果が得られませんでした。
その他、地元の狩川上流部については、釣行することがありませんでしたが、手軽な内川は竿を出す機会が比較的多く、
畑沢や皆瀬川にも釣行しました。

今シーズンの酒匂川本流は、昨シーズン成果のあった大型トラウト(ニジマス・ホウライマス)が全く出ませんでした。
本流育ちの良型銀毛ヤマメも出ませんでしたが、コイ科外道のウグイとオイカワは結構釣れ、川鵜の食害によって
激減していた魚影が、多少は復活してきたように思われました。
アユ毛鉤釣りに関しては、天然遡上量自体は少なくはないものの、解禁時は中流部の松田地区までは
ほとんど遡上してきておらず、放流物の良型は解禁日で枯渇してしまいました。
下流部の小田原地区では、夕マヅメに喰いが立ち、ツ抜け程度には楽しむことができ、それほど不満はありませんでした。

三保ダム下の河内川本流は、ニジマスが放流されていると聞くものの、全く釣れませんでした。
なお、ヤマメの餌釣りは不調でしたが、鮎毛鉤にて25センチのヤマメが掛かり、思わぬファイトを楽しむことができました。
水質は、比較的清流の雰囲気を保っているように思われました。

内川については、超外道のクソバエの密度が非常に濃厚であり、ヤマメについてはそれほど期待できませんが、
今シーズンは比較良型ヤマメの動きが活発であり、今シーズン最大サイズの26センチヒレピンヤマメは、
台風で増水後の内川で釣れました。
富栄養化によって水質が悪化してきており、下流部の摺手地区ではヤマメの魚影が無くなったようです・・・。
矢倉沢本村地区も高水温にて青ノロや茶ノロが発生しており、渇水時にはかなり厳しい環境だと思われます。

皆瀬川については、内川以上に超外道のクソバエの密度が非常に濃厚であり、うんざりするほどの濃さですが、
高い堰堤にて遮断された区間毎に特色があり、ヤマメの魚影が非常に濃い区間もありました。
シーズン序盤の、クソバエがそれほど湧いていない寒い時期に狙ってみると、もしかすると良いかもしれません。
また畑沢については、ゴルフ場や採石場といった環境破壊原因が上流に位置しているため、
常に薄濁り状態なのは仕方ないところですが、今シーズンは青ノロの発生が著しく、富栄養化の進行を
目の当たりにしました。
ネイティブと思われるヤマメが、そこそこ生息しているので、何とか今後も繁殖できる環境が維持されることを願います。

西丹沢の本格渓流は、源流部の沢はスキル上無理ですが、中流域を中心に、積極的に釣行いたしました。
今シーズンは、玄倉川が青崩隧道が岩盤崩落によって通行止めとなり、核心部への入渓ができず、向こう数年は、
正規ルートでの入山ができない状態が続きそうです。
荒れて資源の少ない下流部に1回入渓しましたが、相性も悪いのか、全く釣果が得られませんでした。
主力支流の小川谷にも1回入渓しましたが、チビヤマメが辛うじて釣れるに留まり、資源量の少なさを感じました。

中川川は、本流が全般的に不調であり、釣れなくはないものの、さしたる釣果が得られませんでした。
支流は、西沢と用木沢は資源量が多いものの、相性が悪く、渇水だったり水温が高かったりして、振るいませんでした。
比較的相性の良い東沢は、8寸級こそ出なかったものの、6,7寸級のヤマメには恵まれました。
源流筋にあたる白石沢は、林道からの放流も行われるのか資源量が多そうに感じられましたので、
来季は奥の方まで遡行してみようと思います。

世附川は、広大な水系と抜群の渓相に加えて豊富な資源量に恵まれ、神奈川県下随一の渓流釣り場であることは
間違いなく、AM4時の「沢割」から参戦し、ある程度満足できる釣果を得ることができました。
世附川本谷は、本谷(水の木取水)、大棚沢、水の木沢へ入渓しましたが、大棚沢を除き、満足できる釣果を得られました。
特に、本谷では良型イワナに恵まれ、水の木沢では成魚放流物とはいえ、7,8寸クラスのヤマメが竿を絞ってくれました。
また、大又沢は1回の釣行に留まったものの、ダム上玄橋堰堤よりバケモノ沢下流部まで遡行し、抜群の渓相の中、
ある程度の釣果が得られました。
林道からの緩斜面がある場所では、成魚放流物の良型ヤマメが竿を絞ってくれて飽きずに遡行できました。

今期は、神奈川県側酒匂川漁協管轄区域内への釣行回数が突出しており、@350/回程度のコストでした。
十分に年券の元を取っているといえるでしょう。


<静岡県側 鮎沢川系統各河川>
今シーズンは、かつてのホームリバーだった、鮎沢川漁協管轄区域の年券を購入せず、鮎沢川本流へは、
漁協管轄内外含めて、一度も釣行しませんでした。
静岡県側自体、今シーズンは1回の釣行に留まり、主力河川は須川のみであり、
あとは支流の小規模な沢への入渓でした。
資源量については、神奈川県側よりもはるかに多くて魚影も濃いものと思われますが、水質及び渓相が、
神奈川県側の方が良好なので、今シーズンは静岡県側に対し、目が向く機会が少なかったようです。

なお、解禁前には、小山釣友会のヤマメ放流作業に参加しました。
来季以降も、静岡県側鮎沢川系統の環境保全のための活動には、積極的に参加したいと考えます。



3.主たる釣果について

<ヤマメ>
26センチ  7月16日   内川中流部(神奈川県南足柄市)
25センチ  6月16日   河内川本流下流部(神奈川県足柄上郡山北町)
24センチ  6月24日   酒匂川水系某沢U(神奈川県足柄上郡山北町)
23センチ  7月1日    中川川支流東沢下流部(神奈川県足柄上郡山北町)
23センチ  7月19日   中川川支流白石沢下流部(神奈川県足柄上郡山北町)
※成魚放流物の8寸クラスの良型は対象外


<アマゴ>
釣果なし


<ニジマス>
特筆すべき釣果なし


<イワナ>
28センチ  8月12日   世附川本谷上流部(神奈川県足柄上郡山北町)
26センチ  8月12日   世附川本谷上流部(神奈川県足柄上郡山北町)
23センチ  5月4日    世附川本谷上流部(神奈川県足柄上郡山北町)