2005年11月5日


2005年渓流釣りシーズン総括


1.はじめに

10月31日をもって、最も禁漁期間に入るのが遅い、静岡県内の「漁業権非設定河川」も、とうとう禁漁となり、
今シーズンの渓流魚を対象とした釣りのシーズンは終了しました。
あとは、どうしても釣りがしたければ、管理釣り場か、ニジマス対象の狩野川支流の黄瀬川が、
12月31日まで可能というくらいです。
それ以外は、各河川の中・下流部にて、ウグイやオイカワでも釣るくらいでしょうか・・・。

今シーズンは、解禁 〜 禁漁までの全期間において、週末の天気が比較的良好だったため、土日休みの私は、
シーズンを通じて40回以上も釣行することができました。
釣果については、神奈川県側の酒匂川本支流の里川域を除いては、ボウズになることも比較的少なく、
拙い腕前ながら、9割以上の率で、美しい渓流魚の顔を拝むことができました。
しかし一方で、特に静岡県側にて、河川環境、とりわけ水質の悪化が顕著に感じられたシーズンでもありました。
昨シーズンよりか、素人目に見ても、明らかに水の透明度が下がり、汚濁が進んでいるように感じられました。



2.地域ごとの水系及び各河川についての講評

<神奈川県側 酒匂川水系本支流>

神奈川県側は、地元西湘地区を流れる酒匂川水系本支流について、松田地区の川音川系統を除いて、
比較的広いエリアを釣行することができましたが、概して渓流魚の資源量に乏しく、
努力の割に釣果が得られない傾向がありました。
もっとも、私の技量が低いという要素もあるのもまた事実ですが・・・。

それを差し引いても、中々に難度が高かったように感じられます。
これは、県西の酒匂川水系全域に広大な漁業権を及ぼす「酒匂川漁業協同組合」の放流量が、
水系規模に比して、あまりにも少なすぎるという問題に帰するものと考えざるを得ません。
現場扱いの日釣り券の場合、水産資源増殖のためと称して、何と@1,400−もの高額な遊漁料を
徴収されるわけでありますが、同漁協は、いくら主力魚種とはいえ、アユの放流にばかり注力し、
ヤマメを中心とした渓流魚の放流は、非常に見劣りがする量に留まっています。

ヤマメについては、800kg〜せいぜい1tの範囲内だったと思われます。
とりわけ、イワナやニジマスについては、それぞれ170kg・150kgと、あれだけ広大なエリアに対し、
実に微々たるものであります。これでは、放流していないも同然でしょう。

渓流魚について、たったこれだけの量では、漁協として「義務的放流」を行っているとは、普通の感覚ならば、
言うのもはばかられる状態だと感じるのは、私だけでしょうか・・・。
主力のアユですら、数字上は120万匹をも放流したとの公称ですが、今シーズンは、川を覗いても、
ほとんど銀鱗は見られず、ハネも全然見られませんでした。
「酒匂川漁協さん、あなた方は、容赦なく徴収したお高い遊魚料を、本当に水産資源増殖のために、
きちんと投入しているんですか??」と、問い質してもおかしくはないと、私は強く感じます。

放流量は、水系規模の割に少なすぎるし、魚の天敵である「川鵜」への対策も、
駆除等の積極的手段には乗り出さなかった模様です。
おって、同漁協は、このクラスの規模の漁協ならば、今や開設していることが常識ともいえる
ホームページを持っておらず、重大な情報発信も、事前に行ってくれることは、ほとんどありません。
8月には、西丹沢の世附川下流部に、C&R特区と称する別料金体系の管理釣り場を、突如設置したことなど、
重大情報の事前未周知の最たる事例でしょう。

ただでさえ釣果に恵まれない上に、ついには、一般の渓流ファンを締め出すような、
儲け主義を前面に出した経営方針を打ち出してきたわけです。
私としては、地元エリアですし、来季以降も@10,000−もする高価な年券を購入して
臨むつもりではありますが、神奈川県側酒匂川水系にて、釣果を期待するのは難しいものがあるでしょう。
難度が高いので、「修行」にはなるとは思いますが・・・。あくまでも、自然に親しむという姿勢にて、
無欲にて臨むべきだと私は考えます。
各河川の個別講評については、次の通りです。


酒匂川本流は、川虫も豊富ですし、市街地を流れる割に、辛うじて清流の水質を保っています。
大型魚が成育するポテンシャルは、決して低くはないでしょう。
しかしながら、「アユを食べてしまうから×」という詭弁にて、渓流魚については、
漁協による管理放流がほとんど行われていない関係上、僅かに自然繁殖している個体と、
支流の管理釣り場から落ちてきた個体が、数少ないターゲットとなるわけですが、資源量は非常に少なく、
やはり、率の悪い釣りにしかなりません。
アユ釣り解禁前まで、本流竿を駆使して積極的に攻めましたが、特筆すべき釣果は得られませんでした。
逆に言えば、酒匂川本流にて、尺上ヤマメや遡上マスを釣り上げられれば、それこそ大変に価値のあることですが、
本流餌釣り師だけでなく、ルアーマンやフライマンも多く、資源量に比して、競争率は非常に高いので、
この状態では、来季も厳しい状況が続くものと考えます。


谷峨地区の河内川本流は、三保ダムに近い上流部に関しては、意外にもヤマメの魚影が認められ、
ある意味嬉しい誤算でした。放流魚主体ですが、釣りの対象になります。
しかし、鮎沢川合流点にも近い下流部では、ウグイばかりとなります。道の駅山北付近でも、
おそらく生息はしているでしょうが、非常にスレていて、出てくれないものと思われます。
水質も比較的良く、平坦な流れなので、気晴らしで清流釣りを楽しむには、悪くはないものと思われます。


今シーズンの狩川は、全然ダメというか、良い点が全くありませんでした。
禁漁中の12月頃には、堰堤下の溜まりを覗くと、ウグイやクソバエだけでなく、
ヤマメやニジマスの姿が認められ、3月の解禁後が楽しみな状態でしたが、
シーズンを通じてサッパリ釣れませんでした・・・。
他の釣り人からの情報でも、今年の狩川は全然ダメだったという話しか聞きません。
漁協による放流量が少ないのは、火を見るより明らかですが、それでもこの川は、マス釣り場や養魚場があるので、
逃げてきた(≒落ちてきた)個体も含め、もう少し資源量が多くてもおかしくはないはずです。
渓相も良好ですし、苅野地区より上流部の水質は、南足柄市民の水がめとなっているだけあって、
それなりに綺麗なのですが、全く釣れずに終わりました。
自宅から10分ちょっとで釣行できる、実に身近な渓流ですが、魅力は乏しい状態です。
今シーズンは、キイロスズメバチの数が多かったので、来季も要注意です。


内川については、例年並の釣況だったものと思われます。
元々、超外道のクソバエの密度が非常に濃厚であり、ヤマメについてはそれほど期待できず、
探釣程度の小渓流としての位置付けと考えれば、小振りながらも数匹のヤマメの顔を拝めたのだから、
ヨシとしましょう。
来季も、おそらく同様の傾向が続くものと思われます。


山北の皆瀬川については、今シーズンは水量が非常に少なく、ヤマメの活性が低かったように感じられます。
超外道のクソバエばかりが非常に濃密度であり、シーズンを通して、我が物顔にて、この川を占拠していました。
ただ、所々、中々の大物の魚影が走るのが目撃され、資源が少ない小渓流ながらも、
9寸〜尺クラスの渓流魚が生息しているのは間違いないようです。
クソバエの猛攻には、来季もおそらく辟易させられるのは不可避でしょうが、
上流部の好ポイントを丹念に探っていけば、数は望めないものの、全く期待が持てないというわけでもなさそうです。


西丹沢地区は、今シーズンは、初めてこのエリアで釣りをしたということもあり、
丹沢湖流入3河川のうち、最も難度が低いとされる、中川川系統が中心の釣行となりました。
酒匂川漁協も、さすがに本格渓流のこの地域にだけは、ある程度は、渓流魚を放流していてくれているのが
実感されました。
里川域に比べれば、多少は、魚の気配が感じられます。
玄倉川は下流部を一度だけ探釣したのみであり、神奈川県下の渓流釣りのメッカとされる世附川系統に至っては、
一度も竿を出せずに終わりました。


世附川については、下流部が別料金の「管理釣り場」となってしまったというマイナスの話題のみ、
ここでは提供させていただきます。
世附を知らずして、西丹沢を語るのも少々おこがましいので、来季は是非釣行してみるつもりです。


玄倉川についても、講評できるほどの実績はありませんが、神奈川県側酒匂川水系にて、
最もイワナと出会える可能性が高い渓流ですので、そういう面では価値が高い渓流だと思われます。
地形上からも、非常に険しい渓流なのが明白なので、十分な注意が必要でしょう。
東丹沢や表丹沢では、夏季は吸血鬼の「ヤマビル」の被害が顕著だという話を聞きますが、
不思議と西丹沢では遭遇しませんでしたし、何故か、それほど話題にも上りません。
相模川水系や金目川水系の渓流と違い、酒匂川水系がヤマビルにとって棲みにくい環境だとしたら、
これは非常に喜ばしいことであります。


中川川については、本流筋は西丹沢橋より下流は東京電力の取水のため、丹沢湖まで延々と慢性的に水不足のため、
釣りの対象にはなりにくいでしょう。魚は居なくはないでしょうが、大雨の後の増水時以外は、
本流筋の2/3程度は、釣りにならないものと考えざるを得ません。
また、流程の全域においてキャンプ場やホテル、旅館等が立ち並び、レジャーランド化が甚だしく、
平日以外の釣行では、用木沢出合よりも上の源流部でないと、全く釣りにならない環境です。
逆に、平日に釣行できれば、西丹沢自然教室 〜 用木沢出合区間の本流部でも、運が良ければ、
それなりに釣果が得られる可能性が高いです。魚影自体は、意外にも薄くはありません。

支流の各沢については、本流に比べれば、登山客以外はそれほど人が多くなく、
釣趣に恵まれた環境の中で釣りが楽しめますが、沢の規模は小さくて痩せており、資源量も多いはずがありません。
ただ、釣果を貪欲に求めず、渓流釣りの釣趣を満喫するのを主眼に置けば、マイナスイオンを吸収しながら、
快適な時間を過ごせることでしょう。
レジャーランド化された本流筋に比べ、その分スズメバチやマムシ等の被害に遭う確率が高くなるのは間違いないので、
十分な注意が必要でしょう。
なお、地図上は様々な沢が中川川に流入しておりますが、その多くは、規模があまりにも小さかったり、
涸れ沢だったりして、釣りの対象になりません。
私としても、まだまだ可能性を秘めた渓流が存在するかもしれないので、オフの探索含め、注目したい河川です。



<静岡県側 鮎沢川系統及び黄瀬川系統各河川>

静岡県側は、地元神奈川県西湘地区からも程近い、北駿地区は駿東郡小山町内の鮎沢川系統の各河川を
中心にしつつも、時には多少遠出し、沼津手前の桃沢川にも釣行しました。
静岡県側の河川への釣行では、毎回、何らかの渓流魚が必ず釣れてくれ、ボウズは1回もありませんでした。
漁業権が設定されていない、遊漁料が無料の河川でも、地元自治体や外郭団体の観光協会等が、
地域振興のためにサービスで渓流魚を放流してくれている関係上、多くの河川で、
ヤマメ・アマゴ・ニジマスが狙える環境であり、これは大変素晴らしいことです。

鮎沢川本支流と馬伏川には、「鮎沢川漁業協同組合」の漁業権が設定されている流域があるものの、
料金は非常に廉価であり、魚影の濃さと釣果に比べると、非常にオトク感があります。
料金面に対して異論を唱える者がいるとするならば、このような人は、狩野川や酒匂川漁協の管轄河川など、
釣れない上に料金も高すぎて、釣行できないでしょうね・・・。
解禁直前の公式放流以外にも、初夏には、ヤマメとアマゴの稚魚を多少ながらも追加放流してくれるため、
現場扱いでも@300−の日釣り券と、@3,000−の年券の料金を、
有効的に資源増殖に投入してくれている感があります。

しかし、静岡県側については、良い話ばかりではなく、神奈川県側よりも悪い面も、多々あります。
それは、湧水量に恵まれ、流域に汚染原因が少ない須川を除き、鮎沢川系統では、各河川とも環境面、
とりわけ水質がよろしくない点が挙げられます。
流域の民家や商店より、浄化されない雑排水が容赦なく流入し、まるでヤマメやアマゴの棲む川とは思えないくらいに、
洗剤の泡がプカプカしていたり、川底にはヘドロが堆積し、都会のドブ川のような異臭が放たれている河川及び流域も、
残念なことに多々存在します。

水の色も薄茶色に濁って透明度が低く、多くの川では、釣った魚を食べる気にはなれないのも事実でしょう。
放流されたばかりの魚ならともかく、おそらく居付き物の良型の個体などは、ドブ臭かったり、
洗剤の臭いが染み付いてしまっていることでしょう。
各支流や小さな沢についても、一見すると透明度が高く、綺麗に感じられても、
数多く存在するゴルフ場からの農薬が流入している可能性もあり、潜在的な汚染度は計り知れない不気味さがあります。

これだけ厳しい環境の中、ヤマメやアマゴが何とか生息しており、しかも神奈川県側よりも遥かに釣れる点には、
いつもながら驚かされます。 人間が生活している以上、そこに生活廃水が発生するのは仕方のないことです。
この問題については、例えば下水道の整備等含めて何の対策も取らないのは、御殿場市や小山町、
ひいては静岡県の不作為行政というべき、地元自治体の環境に対する怠慢な姿勢こそ、非難されるべき対象でしょう。

鮎沢川系統が抱える大問題として、水系の各河川の水源地の多くが、人口8万5千人の御殿場市街地に存在するか、
もしくは流程の中途にて御殿場市や小山町の市街地を通過するという事実があります。これはまさに、
鮎沢川系統の各河川の水質面において、致命的な地理的条件が重なっていることに他ならないわけです。
鮎沢川は、神奈川県を代表する清流、酒匂川の本流筋の河川ですが、
酒匂川の源流は、実は「御殿場市の洗剤まみれの生活廃水だった」ということでは、実に不名誉であります。

静岡県側は、各河川とも魚の魚影は濃く、釣果にも恵まれることが多いとはいえ、
環境の悪化が急速に進んでいるという事実があることを、しっかりと認識するべきです。
このままでは、来季は、今季以上に汚れた川面を見ることになりかねません・・・。
各河川の、今シーズンの個別講評については、次の通りです。


鮎沢川本流については、私のホームリバーとも言える、鮎沢川漁協管轄の小山町足柄地区の本支流の釣行が
ほとんどであり、今シーズンは、漁業権無し区間である、下流域の駿河小山地区への釣行機会は
1度しかありませんでした。
足柄地区では漁協による放流があるため、魚はそれなりに釣れましたが、小型が多く、
8寸超の良型は、ほとんどお目に掛かりませんでした。
外道のウグイについては、尺クラスも出てしまい、コイ科の魚の方が優越しているように感じられました。
これは、残念ながら、水質の悪化≒富栄養化が進行している要素が大きいと考えます。

昨シーズンは、清流の雰囲気を十分に備えており、水の色も、青みがかった綺麗な流れでしたが、
今シーズンは薄茶色に濁って少々異臭も発生し、追い討ちを掛けるように洗剤の泡もプクプクしており、
水質面が明らかに悪化していました。
昨シーズンは、良型についてはキープして食べる機会もありましたが、今シーズンは、あまりの水質の悪さに、
解禁時以外は、本流の魚については一切キープする気になれませんでした・・・。
本流に注ぐ小支流については、漁業権が無いものと解釈しておりましたが、足柄〜深沢地区については、
鮎沢川漁協の漁業権が及ぶことを知るに至りました。
小支流については、大雨による増水後などのケースを除き、基本的には超外道のクソバエの猛攻を
受けることばかりですが、時として、比較的綺麗なヤマメやアマゴが釣れてくれました。

なお足柄地区では、終盤はキイロスズメバチやコガタスズメバチの活動が活発であり、
特にキイロスズメバチには釣りの最中に襲撃されるなど、危険なケースもありました。
また、昨年には見られなかった川鵜が、何と4羽ばかりが定着してしまっております。これは来季に向けての、
大きな懸念材料であります。

下流域の駿河小山地区については、漁業権が無いために無料で釣りを楽しめますが、大物実績がある一方で、
水質は非常に悪く、ヤマメやアマゴが棲む川には感じられません。
都市部の、コイやフナを釣るような汚れた川の表情です。
神奈川県側の酒匂川本流の水質が、最近、今一つ芳しくない傾向ですが、静岡県側が果たすべき責任は、
実に大きいものだと強く感じます。


須川については、水系随一の清澄な水質を誇る河川ですが、それでも、昨年に比べると水の透明度が落ち込み、
多少、富栄養化が進んでいるように感じられました。
上流部のわさび田エリアですら、青かった水の色が、薄緑色に劣化していたのは事実です。
須川養魚場よりも下流域では、周辺住宅からの生活廃水が流入し、水質は一気に悪化してしまいました。
一部、ドブ臭い区間もある有様です。
釣果についていえば、須川は漁業権の無い河川ですが、今シーズンは、地元自治体や外郭団体の観光協会等の
放流量が比較的多かったのか、1匹も釣れなかった昨シーズンとは比べ物にならないくらい、
非常に恵まれた釣果を得ることができました。
しかしながら、夏あたりから、キイロスズメバチの活動が非常に活発になり、襲撃される機会が多発し、
非常に危険な時期もありました。
最も綺麗な須川ですら、富栄養化が進みつつあることには、危機感を覚えずにはいられません・・・。


野沢川は、私とは相性が悪いのか、釣果には全く恵まれませんでしたが、
ヤマメを中心に、多くの魚影が確認されました。
流域の人口が少ないため、上流部での生活廃水の流入は比較的少なさそうですが、
下流部の住宅地からの生活廃水と、田畑からの農業用水の流入は、残念ながら多くなっています。
この川の多くの区間は、浅い上に止水のため、魚の警戒心はピカイチであり、
雨が降って多少濁りが入ったときや、増水時以外は厳しいものと思われます。


小山佐野川も、私とは相性が悪いのか、釣果には全く恵まれませんでした。
今シーズンは、上流部は確認しませんでしたが、中・下流部では、川底にはヘドロが堆積し、
水は薄茶色に濁って澱んでおり、生活廃水の流入量も相当多そうに感じられました。
一見すると、ドブ川に近いような、汚い農業用水路然の流れですが、
例年、びっくりするような大ヤマメ(大アマゴ)が安定して揚がるので有名な河川です。
しかしながら、今シーズンについては、流域各所にて護岸工事が行われていたり、
水質悪化が一段と進行したこともあってか、大型でも9寸止まり程度しか出ず、
釣り上がった量も、それほど多くなかった模様です。
この川の水源自体が、某ゴルフ場内の池だという話ですので、
農薬の流入等の問題を含め(現在のところ、問題ないみたいだが)、ますます厳しい状況になるものと
危惧せざるを得ません・・・。


馬伏川系統は、大物の実績はそれほどないまでも、水質が良くない割にはヤマメの魚影が比較的濃いと
されている河川ですが、実際、厳しい環境の中、間違いなくヤマメが辛うじて生息していました。
御殿場市街の生活廃水流入量が多いのは避けられないものの、馬伏川本流は水量が比較的多いので、
川底にヘドロが堆積しにくい点には救われています。
富栄養化が進んだ環境ですので、やはりヤマメよりも、ウグイの方が優越魚種となっています。
洗剤の泡もプカプカ浮かび、まさかこの川でヤマメが釣れるようには、到底見えない状況です。



黄瀬川系統については、自宅から遠いこともあり、それほど釣行機会がもてませんでしたが、
支流の桃沢川以外は、わざわざ狙いを定めて釣行するだけの価値は、低いものと考えざるを得ません。
黄瀬川系統は、ある意味、酒匂川漁協よりも広大なエリアに漁業権を有する「狩野川漁業協同組合」の
管轄下の河川であり、遊漁料も、酒匂川漁協と同様に、非常に高価です。
しかし、狩野川本流では、大アマゴやサツキマスの実績も決して少なくなく、
酒匂川本流よりも、資源量は多いことは間違いありません。
狩野川水系を専門的に狙うならば、黄瀬川ではなく、伊豆半島方面の本支流を徹底的に狙ったほうが得策でしょう・・・。
神奈川県側に居住する私は、せいぜい桃沢川辺りが釣行可能圏ギリギリですのが、
静岡県側の渓流・清流釣りファンの人ならば、年券を購入した上で、制覇する価値はあるかもしれません。


黄瀬川本流については、御殿場市郊外の上流域でも、昨シーズンよりも水の透明度が落ち、
若干ながらも、家庭廃水の悪臭も漂うような環境でした。おって、農業用水の流入も多かったです。
結果、魚の反応も激減し、目立った釣果にも恵まれませんでした。
黄瀬川自体も、湧水量については比較的恵まれている河川のはずですが、
最早、汚染に対する自浄能力を超過してしまっている状態なのでしょう・・・。
ニジマス対象ならば、12月31日まで釣りが可能なので、主管の「狩野川漁業協同組合」の現場監視員に対し、
@1,600−の現場扱いの、非常に高価な日釣り券代金を支払う用意があるならば、
ウグイやクソバエ混じりにて、清流釣りを楽しむことができるでしょう・・・。


桃沢川については、今シーズンはそれほど数が出ませんでしたが、幸いにもボウズになることも無く、
しかも比較的良型が出てくれました。
下流部ではウグイやクソバエの密度が非常に濃く、恐るべき猛攻を受けますが、
逆に言えば、それだけ魚が豊富な川だという証拠でもあります。
桃沢川についても、実は、免許上は狩野川漁協の漁業権が及んでしまっているらしいですが、
実際のヤマメやアマゴの放流主体は、地元自治体の駿東郡長泉町であります。
長泉町が高札にて、3月1日 〜 10月31日という漁期を明記しておりますし、
遊漁料の徴収については一切謳っておらず、桃沢川での釣りは、長泉町の公認が得られているものと
解釈しても問題ないものと思われます。



3.主たる釣果について

<ヤマメ>
29センチ  4月16日   須川中流部(静岡県駿東郡小山町)
27センチ  9月4日    中川川支流東沢下流部(神奈川県足柄上郡山北町)
27センチ  9月17日   鮎沢川本流中流部 (静岡県駿東郡小山町)


<アマゴ>
35センチ  4月30日   鮎沢川本流中流部 (静岡県駿東郡小山町)
26センチ  5月8日    桃沢川下流部(静岡県駿東郡長泉町)


<ニジマス>
47センチ  8月16日   鮎沢川本流中流部 (静岡県駿東郡小山町)
42センチ  4月16日   須川中流部(静岡県駿東郡小山町)
35センチ  6月5日    須川中流部(静岡県駿東郡小山町)
33センチ  3月5日    酒匂川本流中流部(神奈川県足柄上郡松田町)
33センチ  9月23日   鮎沢川本流中流部 (静岡県駿東郡小山町)
32センチ  9月17日   鮎沢川本流中流部 (静岡県駿東郡小山町)
31センチ  4月24日   酒匂川本流中流部(神奈川県足柄上郡松田町)
31センチ  9月11日   鮎沢川本流中流部 (静岡県駿東郡小山町)
31センチ  10月30日  鮎沢川本流下流部 (静岡県駿東郡小山町)


<イワナ>
20センチ  6月24日   中川川中流部(神奈川県足柄上郡山北町)