2005年10月30日


今シーズン最終釣行は、静岡県側鮎沢川系統本支流へ・・・。
各河川にて苦戦し、釣果を得るべく転戦するも、有終の美を飾れず(>_<)
目を覆うばかりの水質汚染に、絶句どころか、絶望感と怒りが込み上げて来ましたo( _ _ )o


遊漁期間が非常に長い、静岡県内の漁業権無し河川についても、いよいよ禁漁期間へ入ります。
尺上ヤマメ(アマゴ)にて有終の美を飾るべく、まずは、今シーズンは初めて竿を出す
鮎沢川本流下流部(駿河小山地区)へ出撃です。
前日に近くを通ったとき、護岸上から川を眺めましたが、およそやマメやアマゴの棲む川ではなく、
コイやフナを釣るような澱んだ汚い流れに唖然としましたが、大物実績があるので、シーズン中に、
一度くらいは竿を出すべきだとの判断でした・・・。

鮎沢川本流下流部の大本命釣り場といえば、神奈川県境から少し上の区間の谷底が知られていますが、
城塞護岸と深い谷底のため、入川ポイントが非常に少ない上に困難です。また、深い淵が多いので、
非常に「おどろおどろしい」雰囲気を醸し出しています(^^;)
さらに、水質もよろしくなく、私は、今までに一度も釣果を得たことがないので、今回も回避しました。

富士見橋下手の階段護岸から入川し、まずは延々と川を下っていきます。
以前は、高い堰堤と城塞護岸のため、川通しの移動は困難な河川でしたが、
最近は魚道が整備されてきているので、歩けるようになっています。
そのうちに、富士紡績工場と社宅に挟まれた区間まで到達です。
これより下にも、おそらく下れるだろうとは思いますが、いかんせん、泥底なものですから、
万一底無し沼みたいな所があったら、大変なことになりますので、危険回避です。

ここから釣り上ることにしますが、対岸のフジボウ工場からは、汚い廃液が流れ込んでいます(>_<)
今回は大場所の本流のため、「翡翠本流 硬調硬85MX」にて狙いますが、堰堤下でもアタリは全く無し・・・。
魚道設置のためとはいえ、ユンボも沢山入ったため、魚が潜むようなポイントが消失してしまっています。
水の流れがあり、比較的深みのある好ポイントがあったので、重点的に流すと、フッと目印が動きましたので、
すかさずアワセ。
竿全体が強く引き込まれる、中々のファイトです。しかし、これは間違いなくトラウトの引きですが、
ヤマメやアマゴの引きではありません。やはり、ニジマスでした・・・。
尺を少々上廻る程度の魚体でしたが、取り込みまで5分かかりました。

その後も、大して良いポイントが無いなりにも、多少はマシだと思われるような場所を丹念に探るも、
外道のウグイすら喰ってきません・・・。
ようやく、小さなアタリが来たのでアワせると、6寸程度のパーマークの有る魚体がピチピチ上がってきます。
しかし、ヤマメではなく、パーマークの残ったニジマスの幼魚でした(^^;)

落合橋上に見える須川出合付近は、魚が溜まるとされるポイントですが、落合橋下の魚道付き堰堤だけは、
水深が結構あって、遡行不可能です(>_<)
浅場を探しますが、泥の川底に、ズブズブと足が沈む有様・・・。これは、事故防止のため、終了です。
それにしても、この区間の鮎沢川本流は、本当に汚いです。都市河川並だと思います。
夏頃には、非常に釣果が良かったと聞きますが、魚の気配は、ほとんどありませんでした。

さて、次は同じ小山地区内を流れる野沢川の下流部を探ってみます。
鮎沢川出合よりも500Mくらい上にて、発電用に取水されてしまう関係上、取水口より下は、
周辺住宅や商店からの生活廃水が注ぎ込む、それはそれは汚い流れとなって、鮎沢川本流へ注ぎます。

取水口よりも上を目指しながら、川面を見つめると、大きな魚と小さな魚が、何か苦しそうにしながら、
時折、水面に顔を出して、フラフラ回遊しています・・・。
1匹は9寸前後の大ヤマメであり、もう1匹も小さなヤマメでした。
大水の後などに、水質が悪い区間に取り残されたのか、もしくは本流から上がってしまったのかはわかりませんが、
酸欠で苦しんでいたように見受けられました。

取水口より上の野沢川は、それなりに水量豊かな川なのですが、本日は何か灰色に濁っており、
水の色が良くありません。
この川とは相性が悪く、未だに渓流魚を釣り上げた実績が無い河川ですが、
やはり、好ポイントからも、残念ながらヤマメやアマゴは出ません。超外道のクソバエのみです(>_<)
犬の訓練所を過ぎ、川が左にカーブするあたりで、濁った水の下手人がわかりました。
小さな沢から、洗剤の泡で汚れきった汚水が、何の遠慮も無く、野沢川に流れ込んでいました・・・。
酷すぎだな(・_;)

先行者が上から下りて来たので、私も撤収し、次は須川下流部を狙います。
須川養鱒場より下は、ヤマメやアマゴが釣れたことは一度も無く、ニジマスしか出ませんが、一応は狙ってみます。
しかし、やはりニジマスしか出ません(^^;)
城塞護岸の上からの釣りになるので、小型以外は取り込めずにバラシ。
しかし、針から外れてくれ、オートリリースなので問題ありません。
気になった点がありますが、確かに養鱒場よりも下の須川は富栄養化が進み、水質はガクッと落ちますが、
それでも、他の川よりかは綺麗です。
しかし本日は、下流部とはいえ、須川さえも灰色に濁っており、少々ドブ臭い感じがして、唖然としました・・・。

とにかく、下流部に見切りを付け、中流部へ向かいます。
この区間も、釣行するたびに、春先に比べて水の色が悪くなっているのが気にはなっていましたが、
本日は特に酷かったですね(>_<)
薄茶色に濁り、川底には土砂が堆積していました。
当然にアタリは遠く、中型のニジマス1匹のみ(^^;)

何と、好ポイントの淵や堰堤下も、土砂で完全に埋まってしまっていました(>_<)
こりゃないぜ・・・。
普段と違う様子に唖然としていると、須川に来るたびに会話を交わす農家のオジサンがやってきて、
理由を教えてくれました。
年に1回、東京電力が取水口や発電用ダムに堆積した土砂を流すそうです。
だから、本日は際立って水の色が悪く、土砂が多かったわけです・・・。
来季開幕までに、淵のポイントが復活していてくれるように願いつつ、須川から撤収です。

このままヤマメやアマゴを見ずに納竿するのも、何かしっくり来ないので、しぶとく転戦です。
時間は15時過ぎ・・・。夕暮が早いので、あと1時間の勝負を掛けるには、先週釣行したときに、
小さいながらもヤマメとアマゴが出てくれた、秘密某C沢に駆け込むことにしました。

C沢でも、元気なのはクソバエのみ(^^;)
この沢は、堰堤下しか魚が付いていない感じがします。石裏や葦の際からも、全く出ません。
堰堤下から、ようやくヤマメらしき魚が掛りましたが、何と釣り落とし・・・。
しかも、ボサの中に落ちてしまったので、かわいそうなことをしました(>_<)
結果的には「差別」する言葉になりますが、ヤマメやアマゴは、クソバエみたいに、
いくらでも勝手に湧いてくる魚とは違うので、大事にしてあげたいものです。

嗚呼・・・。これで運も尽きたかと思いましたが、コンクリで固められた堰堤下のタタキの窪みから、
ようやくチビヤマメが出てくれました(^^)
小さくても、このパーマークが見たかったので、嬉しさもひとしおです・・・。
尺上を狙うつもりが、チビヤマメに歓んでしまう結果となりましたが、
これで、このヘッポコ釣り師の、今シーズンの渓流・清流釣りも終了です。
スズメバチやマムシによる刺傷や、転落や転倒による大ケガも無く、何とか無事にシーズンを終えることができ、
ホッとしてます。


<本日の釣果>
鮎沢川本流下流部(駿河小山地区):ニジマス×2(あまりの水質の悪さに、絶望感と怒りの気持ちですね・・・)
野沢川下流部:ボウズ(超外道のクソバエの猛攻・・・。相性悪い上に水質も悪く、ガッカリ・・・)
須川下流部:ニジマス×2(養鱒場よりも下では、ヤマメやアマゴは居ない模様・・・。いつもニジマスのみ)
須川中流部:ニジマス×1(東電の土砂排出のため、土砂が堆積し、最悪の状態に転落)
鮎沢川系統秘密某C沢:チビヤマメ×1(超外道のクソバエ三昧・・・。しかし、貴重なチビメに感謝)


※本日の講評
今シーズン最終釣行となりましたが、有終の美を飾れるようなメモリアルフィッシュは釣れませんでした。
あまりにもしっくりこないので、しぶとく周辺河川を転戦しましたが、目ぼしい釣果にも恵まれませんでした。
ヒレピンの尺上ヤマメ(アマゴ)を釣るのは、本当に難しいですね。

とにもかくにも「閉店」を迎えました。
来季は、もっと水質が浄化されてくれないと、本当に困りますね。ヤマメやアマゴ、
本来ならば、生息できないレベルの汚染だと思いました・・・。

鮎沢川系統各河川の注ぐ先は、神奈川県側の酒匂川本流なのですが、本流筋の水系から、これだけ汚れた水が
流れ込んでしまうと、さすがに浄化能力にも限界がありますね。
「水質が良くても釣れない」神奈川県側と、「魚は釣れるけど川が汚い」静岡県側の双方を幅広く釣り、
内在する問題点の大きさに、心が酷く痛むのは、気のせいでしょうか・・・。



鮎沢川本流の、富士紡績工場脇の魚道付き堰堤下で出た尺上ニジマス。

丹念に攻めましたが、コイツの他は、パーマークの残ったチビマスだけでした・・・。

こんなドブ川みたいな環境の中では、普通の感覚でしたら、ヤマメやアマゴが生息していること自体、
アンビリーバブルかもしれません(苦笑)


駿河小山地区の鮎沢川本流にて、年々増えてきている魚道付き堰堤。

人間も魚も、移動しやすくなった反面、
概して、堰堤下の深みのポイントが失われ、
魚が居付けるポイントが無くなっています。
川鵜の餌食になってしまう可能性も高いでしょうね・・・。







小山町の環境保護団体が掲げる看板。

行政官庁には、是非とも、実現していただきたいものです・・・。
そうしてくれないと、神奈川県側の酒匂川本流が、死んでしまいます(>_<)






最後の最後に釣れたチビヤマメ・・・。

しぶとく粘り、ようやくパーマークが見れました。
嬉しいけど、少々情けない気分ですね(^^;)