― Ron ―
はじめて会った時
なんだか
頼りなさそうに見えちゃった
あなたのこと
ひょろっとした
赤毛の男の子
いきなり話しかけたわたしを
ぽかんと見ていた
きっと
変な奴、って
思ったんでしょ
あのね
それってホントは
レディに対して
とっても失礼な態度よ！
簡単な呪文も間違えてたし
これで大丈夫？って
ため息ついちゃったわ
今でもそう、たぶん
あなたって子供っぽくて
ちょっとしたことでも
面白がるし
よく笑うし
そうかと思うと
すぐむきになって
すぐ落ちこんで
もっと魔法使いらしく
しっかりしてほしいものだと
わたし思うのだけど
そのくせ
ずいぶんときついことも
ずけずけ言うのよね
わたしには
口喧嘩しても
意地を張って
なかなか折れてくれないし
わたしのすることに
すぐ文句を言ったり
からかったり
やっぱり失礼だわ！
でも
もしかしたら
それってお互いさま？
わたしね
ちゃんと知ってるわ
あなたが
本当はとっても友達思いだって
いいことがあれば
一緒に喜んでくれるし
友達のために
本気で怒ってしまうし
そのせいで
無茶をしたりもするのよね
思わず
自分を犠牲にしちゃったり
損な役回りを引き受けたり
そんな時のあなたってね
ホントのこと言うと
ちょっぴり
かっこいいなって思う
だって
いざと言う時に
友達をかばえるって
勇敢でなきゃできないわ
あなたは時々
自信なさげな顔をするけど
自分の勇気を
やさしさを
もっと誇りに思っていい
そんなあなたを
みんな大好きなはずだから
もちろん
わたしだって
そうなんだけど
なのに
なのに
なぜかしら
時々ぎくしゃくしちゃう
お互い頑固になっちゃう
もっと素直な言葉
知っているはずなのに
つい
憎まれ口になってしまう
わたしたち
友達よね？
いつも一緒に
いろんなことに向かってきたし
力を合わせてきたし
これからも
友達でいられるわよね？
わたしたち３人
ずっと変わらずに
心からそう思っているのに
なぜかしら
ふっと
落ちつかない気持ちになるの
少しずつ
何かが変わってきているような
変わってしまいそうな
そんな気がする時があるの
勉強してもわからない
図書館の本にも載っていない
魔法でも解決できないことが
あるのかもしれないって
不安になるの
ねえ
なぜかしら？
あなたは
どう思う、ロン？
