2003年04月17日(木) エルロンドの心痛


裂け谷のエルフの王、エルロンド。
アルウェンの父親にあたる彼は、半エルフなのだそうだ。
エルフと人間の間に生まれたと言うところくらいまでは知っていたのだけど、詳しくはわからなかった。
また、アルウェンに向かって、中つ国に留まれば「おまえの長い生もいつかは尽きる」と言っているのも謎だった。エルフって不死じゃないの?
その謎が追補編で解けた。

※この後は追補編からのネタばれです(^^; 知りたくない方は、読まないで下さいね〜



エルロンドはエルフの王の娘エルウィングと、人間の王の息子エアレンディルの間に生まれた半エルフ。エルロスと言う兄弟もいる。
どちらの種族に属したいかと言う選択に、エルロンドはエルフ、エルロスは人間を選ぶ。
その結果エルロンドには、いつか灰色港から船に乗って永遠の地へ渡ることができると言う恩寵が与えられたのだそうだ。

そして、彼の子供達にも選択が・・・
彼と共に旅立つなら永遠の地へ行けるが、もし中つ国に留まるなら有限の命しか持てず、中つ国で死ななければならない、と。
だからこそ、エルロンドはアルウェンをなんとか説得して、海の向こうへと旅立たせたかったのだろう。
自分が去った後、ひとり残る娘・・・ その生は、並の人間に比べたら確かに長くはあるけれど、確実に終わりが近づく。その時の恐ろしいまでの孤独を考えた時、父として耐えられなかったに違いない。
娘を思う親心、これは映画「ふたつの塔」でもしんみりとしたシーンになっている。

冷静で知的、静かな威厳に溢れたエルロンド。
あまり表情には出さないが、やはり半分人間の血も入っているせいか、その内面には暖かいがゆえに辛さを伴う感情がじっとひそんでいるような気がする。
映画では、娘への思いに悩む父の姿・・・そしてガラドリエルから、我が身を犠牲にしても指輪を葬ろうとするホビットたちや、勝ち目の薄い戦いに望む人間たちのことを考えさせられ、ついに援軍を送る決意をする、王としての責任など、いい感じの人間味を見せてくれる。
エルロンド・パパ、なかなか素敵なのである。


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