2003年04月06日(日) 3人の主役?


「ロード〜」の主役は、普通に考えればフロド。
フロドが「ただひとつの指輪」を葬る指名を引き受けた時から、この壮大な旅は始まるのだから。
でも、物語を読み進めて行くうちに、「主役は3人かも?」と思えてきたりもする。

主役一人目は、やはりフロド。
指輪こそが、この物語の動機であり、それを葬ることが最終目標だとすれば、指輪所有者は一番クローズアップされる存在となる。
小さい人と呼ばれるホビット。どの種族より素朴で平和を愛する善良であるがゆえに、すべてを支配すると言う指輪からは、もっとも遠い存在と思われる。
もし、他の種族の誰かが指輪所有者だったなら・・・
おそらく、フロドよりずっとたやすく指輪の誘惑に負けていったのだろうと思う。
か弱いけれど、思いがけない勇気と粘り強い意志を持つ、純粋なフロド。
あの大きな瞳が、すべての感情を物語っているようなイライジャ・ウッド君はまさに適役!

主役二人目は、いにしえの人間の王の子孫、アラゴルン。
旅の仲間たちは、途中で分裂する。当初の目的、指輪を滅びの山へと運ぶのは、フロドとサム。他のメンバーは計らずも、人間の国ローハンとゴンドールを救うために力を尽くすこととなる。
そこでのヒーローは、アラゴルン! 屈強なる意志と抜群の武勇を持って、みんなを率いて行くリーダー。
決して口数は多くないけれど、言うべきことははっきりと。静かでありながら、時折野性的なたくましさを感じさせる。もちろん剣の腕は迫力もの!
さすがは王となるべき人物、と思わせる。
ヴィゴ・モーテンセン氏は、佇まいから風貌まで、アラゴルンそのものですね!

主役三人目は・・・魔法使いガンダルフ。どちらかと言うと最初は語り部的かな。不穏な気配を察し、指輪の存在に気づき、フロドを運命へと導くと言った感じ。
ガンダルフなくしては、たとえフロドが指輪を運ぶ役を引き受けたとしても、旅を始めることはできなかっただろうと思われる。
常に旅の先導者として、自らの知恵のすべてを注ぎ、同時に身内のごとくフロドの身を案じる。モリアの橋の上で、バルログとの壮絶な戦いの末、地の底へ落ちた時には、旅の仲間たちは希望を失った気がしただろう。
そのガンダルフが二部で再び蘇えり、白のガンダルフへと変身する。
灰色のガンダルフと呼ばれていた時の、少々みすぼらしいような格好は、輝くぱかりに神々しい、白一色に。威厳に満ちたその姿は、まさしく主役再登場と言うにふさわしい。
ヘルム峡谷に立てこもって抗戦しているアラゴルンたちのもとへ、援軍を引き連れて戻ってくる姿も、頼もしくかっこいい! 白馬、飛蔭がよく似合っている。イアン・マッケラン氏、もちろんはまり役です!

と言うわけで、3人の主役たちそれぞれの行動が、この物語をどんどん進めているのだと思う。
残念ながら、我が愛しのレゴラス様は・・・脇役なんだなあ(笑)


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