2004年01月07日(水) ゴンドールの兄弟


なんと久々な・・・(^^;
ちょっと最初の頃に飛ばしすぎて、ネタがなくなってきたと言うこともあるのだけど、それにしてもさぼり過ぎ、だなあ。
来月にはいよいよ完結編「王の帰還」も始まることだし、またぼちぼちと書いてみたいと思います。

と言うわけで、今日はゴンドールの兄弟について。
セオデン王の治めるローハンに並ぶ人間たちの国、ゴンドール。
王のいない現在、国の実権を握っているのは執政のデネソール侯。ボロミア、ファラミア兄弟の父上である。
デネソール侯は、映画では「王の帰還」から登場することになる。

見目美しく、勇敢にて、いかにも優秀なる兄弟。さぞかし二人とも自慢の種だろう、と思われるのだが、なぜか父デネソール候は徹底して兄ボロミアにのみ愛情を注いでいる。
長男第一と言う考えは、ちょっと昔の日本の古い制度にも似ているかもしれないなあ(^^;
ボロミアは果敢さ、意志の強さを表面に出す性格らしく、その分リーダーとして頼りがいがあるし、おおいに部下の士気を上げるだろうと思われる。
ファラミアはむしろ慎重で冷静なタイプに見える。
そういう点がデネソール候には物足りなく思えたのかもしれない。

映画「旅の仲間たち」で、ボロミアは指輪の魔力にとりつかれ、フロドから奪おうとする。
そんな自分の浅ましさに気づき、誇りを取り戻すため、ウルク=ハイたちに襲われたメリーとピピンを助けようと必死に戦い、命を落とす。
そして「二つの塔」でファラミアは、ゴラムを道案内にモルドールを目指す途中のフロドとサムを捕らえる。
力の指輪の存在を知ったファラミアは、なんとか見逃して欲しいと懇願するフロドたちをゴンドールへと連行しようとするのだ。
映画だけを見た人たちはもしかしたら、「やっぱり兄弟だなあ。二人して指輪を奪おうとするなんて」、などと言う感想を持ってしまうかも知れない。
原作を知っているファンにとって、これは誠に心外! こんなの違う!と思ってしまうのではないだろうか(^^;

スペシャル版のDVDに入っている未公開映像の中には、ファラミアとデネソール侯の確執がちゃんと描かれている。
兄には優しく、弟にはとことん冷たい父親・・・ファラミアの沈んだ表情。
なぜこう言ったシーンがカットされてしまったかについては、いろいろと事情もあるのだろうけれど、ファラミアと言う人物像を知るためには、ぜひとも入れてほしかったシーンだと思う。
兄ばかりを褒め称え、自分のことはまったく認めようとしない父親の前に、力の指輪を持ったフロドたちを連れて行くことは、自分の功績を認めてもらう、またとないチャンス・・・そんなファラミアの心境が見えてくる。

だが、スペシャル版の未公開映像がたとえカットされなかったとしても、原作を読んだファンには、まだまだファラミア像についての不満が残るはず。
もともと原作では、ファラミアは力の指輪になどまったく惑わされない、高潔な人物として描かれている。
ならばなぜ? と言う疑問への答えも、実はスペシャル版DVDの特典ディスクの中でスタッフから語られている。
要するに、フロドとサムの旅に危機感を与えたかったとか(^^;
ファラミアがいい人のまま、フロドたちを簡単に見逃してしまうとなると、少なくとも「二つの塔」の映画の中でのフロドたちには、あまり危険がないように見えてくる。
そこに緊張感を持たせるために、あえてファラミアを悪者っぽくしちゃった、と言う、なんともこれは(^^;、のお話(笑)
納得するかどうかは、人それぞれですけどねえ、これって(^^;

でも、DVDの未公開映像の中でボロミア、ファラミア兄弟のツーショットが見られて感激したのは私だけではないはず(笑)
もし、ボロミアが死ぬことなくゴンドールへ戻ることができ、兄弟揃って力を合わせることができたなら、さぞかし力強く頼もしいコンビが見られただろうに、と心から惜しく思うけれど。

「王の帰還」では、ファラミアにはさらに過酷な運命が迫る。そして、その後は・・・
映画を見てのお楽しみ、と言うわけです(笑)


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