2003年05月29日(木) かわいさについて 「かわいい」と言われることは、男性にとってあまりありがたいことではないのだろうと思う。むしろ失礼だと言われるかもしれない(^^; 「かわいい」と言うイメージは、どうしても犬や猫などの動物、または子供など、いとけなく愛らしいもの、守ってあげなくてはならないものになるからかな。でも、「かわいい」と言う表現は、必ずしもそれだけの意味ではないと思うのだけど。 「かわいい」とは、その人の「愛すべき点」・・・この人いい人だなあ、と思えるところ(笑)、見ていてほっと安心できる点とも言えるのではないか、などと弁解してしまったりするのだけど。 もちろん、見た目的に「かわいい」と思えてしまう場合もあるけれど(これはちょっと失礼にあたってしまうかな)、普段は一見「かわいい」からほど遠いような人(と言う言い方も失礼かもしれない、と反省)が、思いがけず見せる反応などが、妙にかわいく思えたりもする。 かわいげとは「人間として愛すべき点」・・・と言うことで、やや強引に進めることにしよう(^^; 失礼な発言を連発したような気がするので、とりあえず具体例などを(ちっともフォローにならないかも)。 「ロード〜」の中でかわいいと言えば、筆頭はホビット君たち。 小さいと言うのは、それだけでもかなりかわいく見える・・・これは男性として得なのか損なのか(^^; でもホビットは小さいだけでなく、とても素朴で親しみやすく、愛すべき種族なのだと思う。牧歌的、平和的、のどかな生活を送る善良な種族。 いかにも感受性豊かで繊細、それでいて意志の強さを持つフロド。ちょっとした冒険のつもりで引き受けた、指輪を裂け谷に運ぶ役。 その短い旅の間に、想像もしなかった恐怖を味わい、命からがら裂け谷に到着する。これでようやく解放される、その安堵感も束の間。 誰が指輪を葬りに行くか、混乱を極めたエルロンドの会議で、結局「僕が行く」と言ってしまう。非力で、平和な暮らしだけを望むホビットの思いがけない責任感。けっして自信があるわけではなく、むしろいつも不安と恐怖でいっぱいなのに、せいいっぱい役目を果たそうとする、そのけなげさは文句なしに「かわいい!」 そんなフロドだからこそ、彼を守ろうと旅の仲間たちは必死になるのだろう。 けれど、運命はさらに容赦ない。ガラドリエルから、指輪は仲間たちを一人ずつ滅ぼして行くと言われる。だから、指輪を持つ者は、一人でその重荷に耐えなくてはならない、と。 その言葉を証明するように、指輪にとりつかれ、変貌するボロミアを目の当たりにして、フロドは決断しないわけにはいかなくなる。 「自分一人で、滅びの山へ向かおう」と。これほどのけなげさ、これがかわいくなくて何であろう(独断!) そして、そんなフロドを誰よりも案じ、常に側にいるサム。朴訥な愛と誠意の人。命を賭けて、フロドを守ろうとする姿は感動的なほど。彼なくしては、どんなにフロドが決意しても旅を続けることはできなかっただろうと思われる。 いつも調理道具を背負っている姿も、なんとはなしにほほえましい。 映画でのシーン、モリアの坑道でオークたちを、剣ではなくフライパンで叩きのめし「俺って強いかも」とつぶやく姿のかわいいこと。 アモン・ヘンから一人旅立つことを決めたフロドを追って、危うく川で溺れそうになり、ずぶ濡れになりながら「あなたについて行きます」と泣いて言うけなげさは、何度見てももらい泣きしてしまう。 なんてかわいいんだろう! お気楽そうに見えながら、いざとなると意外なほどの勇気を見せるメリーとピピン。それはすべて友情のため。 フロドの危機に直面した時、この二人はいつもなんとかフロドをかばおうとする行動に出る。 モリアの坑道でも、フロドがトロルに倒されたと知るや、あの大きなトロルにむしゃぶりついて行く。挙句、投げ飛ばされたりもするのだけど(笑) アモン・ヘンでウルクハイたちから隠れるフロドを見つけ、こっちに来いと呼ぶ二人。けれどフロドは首を振る。 どうしたんだろうといぶかるピピン、フロドの決意に気づくメリー。 「一人で行く気なんだ」「そんなのだめだ!」 とっさに飛び出してしまった二人は、近づくウルクハイを見て瞬時に自分たちが囮になることを決める。フロドを無事逃がすために。 なんと言う友情、強い絆・・・かわいさに泣けてしまう。 ギムリは、頑固で、いかにもぶっきらぼう、でも感情の起伏が激しいところが、妙にかわいさを誘う。しかも、その感情がもろに顔に出る。 すぐ怒るし、そうかと思うとしょぼんとした顔も見せる。 ロスロリアンで、ガンダルフがいない理由を聞かれ、モリアの坑道行きを自分が薦めた責任からか、すまなそうなしょげた顔をしている。そこに、やさしく声をかけてくれたガラドリエルを見て、一目惚れしてしまう。 餞別に何が欲しいかと聞かれ、「奥方様の美しい髪を・・・」などと、なかなか言えるものではない(笑) 別れた後も物思いにふけって、その様にレゴラスも思わず微笑をもらす。きっと「なんてかわいいことを」と思ったに違いない(笑) 映画「二つの塔」では、徹底して笑いを誘う。誇り高いドワーフ、と言うよりお茶目な、と言いたくなってしまうくらい。 威厳に満ちたガンダルフ。けれど、時折少年めいた、いたずらっぽい表情を見せる。エルロンドの会議で、旅の仲間が名乗りをあげる様子を見て、エルロンドにウィンクして見せたり。 そうかと思うと、モリアの壁で扉を開くための合言葉がわからず、戸惑っているところに、ピピンが「で、どうするの?」と聞くと思わずカッとして「お前さんの頭でぶち破れ!」などと言ってしまう辺りも、なんだかかわいい。 映画「二つの塔」で、アラゴルンたちの前に白のガンダルフとして現れた時にも、落ちついた表情の後で、ちらっと「どうだ、驚いただろう?」と言うような顔を見せるのも、かわいいと思えてしまう(失礼だろうか、やっぱり) 裂け谷の王エルロンド。やはり優雅にして威厳あるお方なのだが、会議で旅の仲間が決まり、ほっとしているところへ、メリーとピピンが乱入して来ると、びっくりして思わずきょろきょろと二人の姿を目で追う。その表情が、これまた妙にかわいい(失礼だろうなあ、やっぱり) レゴラスは、1部ではあまりかわいげのあるところが見られない。常にクールに危険を察知し、戦いでは頼りになるけれど、感情を出すことが少ないからかもしれない。 唯一かわいいと思えるのは、ロスロリアンを離れる時、ガラドリエルから餞別に弓をもらうシーン。まるで、欲しかったおもちゃをもらった子供みたいに、とっても嬉しそうな顔をする。わくわくして、弓をあちこちから眺めたり、引いてみたり・・・これはかわいかった(*^^*) 2部では、かなり感情が表に出てくる。笑顔ももちろんだが、怒りの表情、沈痛な面持ち、苛立つような言動など、人間らしい(エルフだけどね)雰囲気が感じられて、そこがかわいく思えたりする・・・のは、贔屓目かしらん(^^; メリーとピピンを探す途中に、ローハンの軍と会い、エオメルがギムリに向かって「もう少し高いところに首があれば落としている」と言うと、「その前に矢が飛ぶ」と叫んでエオメルに向かって弓を構える。その表情の険しいこと。 アラゴルンが崖から落ち、セオデン王が「死者は追いて行け」と言った時にも、ものすごく険しい顔でにらむ。1部では見られなかった、仲間を思うがゆえの怒りの表情。これが逆にかわいく感じたりする。 そうかと思うと、ヘルム峡谷での戦いで、ギムリと討ち取った敵の数を競い、「19だ!」とか、得意げにギムリに告げる時の、無邪気な明るさ。おいおい、これは戦いだよ、と思わず言いたくなるけれど(笑) でも、やっぱりかわいいと思ってしまう(^^; 散々勝手なことを書いてしまった気がするけれど・・・ 男性がかわいくてもいいじゃない、と。 そうは思いませんか?(笑) |
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