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第24回 神奈川マラソン 2002年2月3日(日)
 
天候: 雨  気温: 4〜5℃
 
ゼッケン番号 氏名 グロス ネット 総合順位 種目別順位 種目名
10236 江部 1:31:22   602/2166 244/772 ハーフ一般男子
6829 原口 2:14:41   2078/2166 439/454 ハーフ壮年男子40代
6877 飯田 2:17:22   2102/2166 444/454 ハーフ壮年男子40代
 
完走記 江部
 
朝目覚めたらやはり雨だった。「明日は雨または雪となる」と予報はでていたが、昨日が小春日和だっただけに、この氷雨を見るとやはり気持ちは萎えてしまう。走り始めて1年半、雨のレースは初めての経験、これもいつかはあると思っていたので覚悟を決めて家をでる。京急屏風ヶ浦で降りて歩いて会場に向かう。今にも雪になりそうな雨の中であるがジョグをしてる人を何人か見かける。JR磯子駅に入ると大勢のランナーで混雑していた。「やはりやるんだだな」とここでまた思い、構内を通り抜け歩道橋を渡り日清製油磯子工場に着く。受付に行くとトラブルコーナーに長い列を作っているキャンセルの方々を見るとやはり今日は厳しいレースになると実感する。原口さん、飯田さんと合流しNEW BLANCEのブースにてウエアの補強を購入を考え、薄いフリース長袖パーカーを手に入れた。最終的にはこれが正解となる。東京電力が無料で提供してくれる熱い紅茶がひどく暖まる。なんとか立体駐車場の下にて着替え、シューズは1月に購入したナイキの「AIR STREAK CTRUM」、ソックスはNB5本指の上にバスケット用の厚手のショートタイプ用を着用、パンツはワコールのロングタイツCWXパフォーマンスアップ、上はノースリーブのサッカー用アンダーにアディダスのランニング用長袖、その上にパーカーを着込みキャップをかぶった。少し暑くなるかもとも思ったが、雨のレース初体験の上この気候では高記録は望めないと思い、寒さに凍えるよりはまだましと、またそのときは下の長袖を脱げばいいかとそれに決めた。初ハーフの飯田さんも白の薄手のジャージを購入して着込んでいた。そしてソックスは1月13日新春マラソン30Kで原口さんが2枚重ねで使用していたので参考にさせてもらったものだ。原口さんはキャップ・耳当て・厚手ジャージ上下と完全防水でとにかく完走を目指すと言っていた。応援の幸子もその頃現れたが、この寒さでは応援の方が辛いと思う。走ってる方がまだましかもしれない。自分もギリギリまで防水の靴を履き足を暖める。スタート地点は首都高の高架下になるため、待つ間15分程ではあったが雨を防げ非常に助る。ドンと一発スタート後、かなり前方に位置していたため、30秒程で結構スムーズにスタートラインを越えることができた。今大会グロスで1時間30分を切りたいと思いかなり気合いをいれてきたが(とはいってもそれほど走り込んではいないのだが、気持ちだけは)、前年の横浜マラソンの反省から前半抑えて後半ペースをあげていこうと心掛け、体が辛くなる一歩前のペースでレース序盤にはいっていった。今年はコース設定の変更で従来の北側の下水処理場を回るコースがなくなり磯子海釣り場での折り返しが2回、南側の石川島播磨重工(IHI)工場内での折り返しが2回になった。ゆえに3回磯子駅前を通り過ぎることになり4回目でゴールとなる。自分としてはこの方がコースの距離感が分かり易くよい。首都高の高架下をぬけ、新磯子町の交差点を右折し海沿いにでる。瞬間体が軽くなった。追風になった。雨が顔に当たらないので気にならず、水溜りに注意していればシューズもそれほど水が浸入してくる気配がない。そろそろトップが折り返して来るのを心待ちにしていると先導に続きやてきた大学選手の一団が矢のように通り過ぎる。当大会には箱根駅伝出場等の大学長距離選手達が多数参加している。アップダウンのまったく無いコースなので記録出すにはよい大会なのであろう。箱根駅伝を路肩で応援するのも楽しいが、このように同一コースを走り、後を追いながらすれ違いざまのスピード感は、よく選手達を見ることは出来ないが自分との差をみごとに体感し楽しい。電車を踏み切りで見るのと、乗ってすれ違うのを感じる差であろうか。海釣り場で折り返してこの調子なら結構いいペースでいけるかもしれないと思い始めた。少しすると原口さんとすれ違い声掛け合ったが、飯田さんは上下白で自分が目が悪いため結局最後まで判らなかった。今度は逆風になるため、やはり雨がかなり降っていると判る。工場地帯の中を駆け巡るこのコースは、スタート・ゴールの磯子駅前を除いて一般の応援はほとんど無いのだが、「でんぱつ」前の応援団は気合いがすごくて、この雨をものともせず昨年以上の盛り上がりをみせていた。勇気付けられ、頭が下がる思いである。その他、東京ガス前やその他ボランティアの方々の給水も雨と寒さの中、非常に大変だったと思われる。1回目駅前を通り過ぎる8K付近では、体が暑くなってきて長袖2枚はうざったくなってきた。やはり失敗だったかと思い、2回目の駅前で脱ぎ捨てるかと迷い始めた。しかし下の両袖を二の腕まで捲り上げたところ、すっきりしてこれはいけると感じそのままで行く。IHIの折り返しも短くなったことで気分的に楽に周り、2度目の磯子駅前10K過ぎ付近の一般の応援も寒い中声援を続けている前ではスピードも2K/hくらい上がったようで、ガッツポーズで走り抜ける。いつも途中で時計を見ないのだが、たぶんこれまでは4分20〜30秒/1Km位のペース運びできている。身体的には楽だがそろそろ雨の冷たさ・寒さで手が痺れてきた。しかし最後の3Kくらいに余力を残せるようにこのペースを維持していこうと心掛ける。と、スタート直後から自分のペースメーカー的に10m前をずっと走っていた人に2回目北行きのでんぱつ前13K付近あたりで追いつく、彼のペースが落ちたか、自分が上がったのか?ちらとこちらを振り向いた瞬間、また前方にいってしまった。深追いせずペースをとにかく維持する。なんとも寒い中、皆さん大きな透明ビニール袋を防寒防水に上着としている人がとても多く、普通なら身体が温まった時点で脱ぎ捨てるようだが今日に至ってはほとんど着用したままで、あのカサッカサッ音が最後までリズムになっていった。中にはランシャツ・ランパンの人もいたが、もう肩・腕・足と真っ赤になって痛そうだ。私は学生時代よりサッカーを続けていて雨天試合は何度も経験しているが、時に非常に調子が良くなるときがありランナーズハイのような状態になる時があった。今日もおかげで景色もへったくれも無い状態のため気持ちが集中できてそれに近くなってきている。考えてみると私のレベルくらいで記録だけ狙うハーフくらいのレースには、きちっと装備さえすれば逆に晴天より雨天の方が体力消耗せず良い場合もあるのかもしれない、でもやっぱり晴天が気持ちいいけど。北側の海釣り場で折り返し終盤へ入っていく、手腕が痺れて感覚はほとんどないが、買ったパーカーのおかげか身体は調度良く暖かい状態を保っている。最後の磯子駅前18K手前あたりいよいよ尻裏からハムストリングあたりがだるくなってきたが、そろそろペースを上げないと30分切れないと思い、ちらと時計をみやると1時間15分と見える、これはこのまま行けば30分きれそうだ。なんか一人で興奮してきた。最後のIHI折り返し手前あたりはかなりスパートしてる人が多く、自分もペースを上げた。すると周囲のランナーの顔ぶれも変わり、以前別の大会で同じ集団で走っていた人がいることに気づく、なんだか親近感がわく。ここからが我慢・我慢のしどころ、駅前の歩道橋が見えてきた最後1Kはダッシュに近い、辛い、しかし楽しかった。歩道橋がせまり応援の幸子が見える、手を大きく振りそのままゴールの日清製油の正面ゲートへ入っていった!……っと、目に入ったゴール上の電光時計は1'31"を過ぎている?あれーと思いながらゴールのゲートに入った。自分の時計を見るとほぼ同じ時間、ということは途中で見た時間が雨の滴かなにかで見間違っていたようだ。あらー。それでも一応自己ベスト出たのでよしとして、とてもいい経験ができたレースだったことに感謝した。手がかじかんでチップがうまくはずせない。ジュースとサラダオイル(ここでもらうのがすごい)を頂き、またも東電ブースに向かい紅茶を2〜3杯頂いた。本当に有り難かった。手がかじかんで着替えるのもままならない、30分近くかかったがなんとか着替えて原口さんと飯田さんを迎えにゴールに向かう。すると、今回風邪気味で出場辞退していた金田さんも応援に来ていた。有り難い。通常なら2時間前後で帰って来るはずだが、まだ姿が見えないところをみるとかなり辛いレースになっているのか?少しすると原口さんがゴールに入ってきた。完全防寒でマイペースで通した原口さんはダメージが少なかったようだ。続いて飯田さんも入ってきた。顔が真っ青だ。初ハーフの飯田さんにとっては過酷なレースになったようだ。後で聞いたことだが、ペース配分と寒さで最後は太腿が硬直して何度も立ち止まってしまったらしい。しかし完走、大拍手である。かくして雨の第24回神奈川マラソンは幕を閉じた。今夜はお湯割だね。