新たな内職の可能性への考察(というほどのものでもない)

 バナー広告ってあるよね。以前はPV(ペイ・パー・ビュー)ってことで、表示される回数を保証して、その分のお金をもらうって方式が多く、たとえばinfoseekとかのサーチエンジンにバナーを表示しようと思ったら、結構目の玉飛び出るようなお金(あ、ウチみたいな零細企業にとっては、ね)が必要だったんだけど、ここにきてPVでなく、クリック保証型のバナー広告ってのがいろいろ出てきてる。最近マスコミでも話題になってる"サイバーエージェント"なんかがこのタイプのバナー広告を売りにしてる。どういうモノかというならば、広告会社が提携しているあちこちのサイトにバナーを配信して、表示されたバナーがクリックされたらカウントが一個あがり、予定のカウント数に達したら広告終了、てタイプ。逆に言うならクリックされなければ、そのバナーはえんえん表示されるって訳だ。

 ちょっと興味があったのと、社内で開発していたソフトがどうやら近く発売できそうな感じだったので、この手のバナー広告会社に資料請求のメールを打ってみたら、その直後にいきなり会社に電話がかかってきて「さっそく説明に上がりたいんですが。」ですと。むうん素早い(笑)。成長途中の業種ってことで、きっとかなりの営業努力をしているんだろうね。ウチみたいな弱小の会社にもさっそくコンタクトとってくるんだから。

 で、会わないわけにも行かないだろうな、ってんで営業の方に会社に来てもらって話を聞いたんだけど、結構おもしろい話を聞かせてもらった(これって別に秘密でも何でもないですよね、A川サン(^^;)。一番興味があったのは、こういうのって一体どれくらいの確率で実際にバナーがクリックされるのか、ってとこだったんだけど、聞いてみるとどうも0.5%前後、てのが相場であるらしい。100回表示されたら、サイトを訪問してくれる人がひとりいるかいないか、って数字な訳だ。まあバナーの質や業種によって差はあるだろうから、一概に言えないとも思うんだけど、これは大きい数字なのかそうでもない数字なのか。

 量が質に転化する、って言葉があるけれども、たとえば100人で0.5人でも、100万人相手なら5,000人の興味をひくことができる訳で、そうなると決して小さな数字じゃあない。さらに、100万回の露出効果もある訳なんで、その潜在的な広告効果もあるよな、とも思えるんで、ちょいと試しに実施してみることにした。一応一番規模の小さい、2,000クリック保証のパターン。1クリックが100円以下なんで、広告費用的にも20万円以下、と格安だし(せこいけど、ウチの会社にはカネがないのだ)。

 3月の後半からバナー配信スタートしたんだけど、もしかしたらここに遊びに来てくれる人も目にしてるかもしれないね。どうでもいいけどバナーはオレつくりました(自慢笑)。広告を掲載してもらっている会社のサイトでクリック状況などを解析してくれるんだけど、こう、こっちが思ってた以上のクリック数でちょっと驚いてしまった。オレなんかは、個人的にバナー広告って好きじゃなくて、表示されてても一切知らん顔モードなせいか、普通の人もそういうもんなんだろうとタカをくくってたんだけど、実際には新しいバナーがあるととりあえずクリックしてみる、て人もいるんだね。1ヶ月ぐらいあちこちでバナー表示されてくれたらうれしいな、って思ってたんだけど、実際には一週間ぐらいで2,000クリック達成。21万回表示で、クリックレートは0.72%、ってのはまあ好成績だったんだと思うけど、オレとしてはクリックしてくれなくていいから、長いこと表示されてて欲しかったんだけどなあ(^^;)

 ゲームの新作なんで、やはり興味を引いたところもあったんだろうけど、こっちの思惑を超えたクリック数を目にしたとき、オレ的に一つの疑問が頭をもたげてくる。つまり、いったい誰がクリックしてるんだ?ってコトだ(笑)。表示数、カウント数という量は報告されるけど、その質はいかに、ってコトである。言ってみればだ、バナー広告会社で大量のアルバイトを雇っておいて、彼らがぷちぷちとクリックしてもカウントは一個上がる訳だよな。で、がんがんカウントされればそれだけ請け負った広告は速く終了するから、新たな広告を取ってきて掲載することもできる。会社大もうけ、てことになるよねえ(^^;)。

 てことでようやく今回のコラムのタイトルにつながる訳ですわ(^^;)。つまりバナー広告を請け負いつつ、裏で(^^;)そのバナーをクリックする部隊も密かに用意しとくことで、これらのバナー広告ベンチャーというのは急成長を遂げているんではないかいな、てことですな。こう、ご家庭の主婦やじいちゃんばーちゃんがパソコンを立ち上げ、インターネットにアクセスすると、「今週はこことここで表示されるバナーをクリックしてください」とかいうメールが届いてて、さっそく彼らはあちこちのバナー広告をぷちぷちとクリックする訳だ、1クリック2円、とかいう単価で(笑)。そのうち新聞のチラシとか女性週刊誌に「ご家庭にいても簡単・高収入が可能!」とか広告が載ったりしてな(爆笑)。笑い話だけど、でもあり得ない話でもなさそうなのがちと怖いっすね(^^;)

2000/4/1

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