銀河お騒がせアンドロイド

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ロバート・アスプリン&ピーター・J・ヘック 著/斎藤伯好 訳
カバーイラスト 橋本正枝
カバーデザイン ハヤカワ・デザイン
ハヤカワ文庫SF
ISBN4-15-011388-2 \860(税別)

解説がマシならもっと良かったのに

 ランドール星での騒動を首尾良く収め、今は平和維持部隊としてこの星にとどまる宇宙軍一のはみ出し部隊、オメガ中隊。屈指の大富豪、ウィラード・フールを中隊長に、型破りな行動で次々と手柄を立ててはきたものの、そのたびに頭の固い宇宙軍上層部は苦々しい思いを募らせるばかり。そんなとき、最近人類と同盟を結んだゼノビア人たちから、オメガ中隊に名指しで軍事顧問団派遣の要請が。宇宙でも屈指の戦闘力を持つと言われるゼノビア人でさえ手に負えない"謎の敵"の正体とはいったい何なのか。一方かつての大騒動の地、宇宙最大のカジノ・スポット、ローレライ宇宙ステーション警備のために配置された、フールそっくりの高性能アンドロイドもトラブルに巻き込まれようとしていた………。

 「銀河お騒がせマネー」に続く、はみ出し宇宙軍、オメガ中隊のどたばた大活躍を描く、コミカルSFシリーズ第4弾、ヘックとの共作としては2作目。前作が久しぶりの出版だったせいか多分に"これまでのあらすじ"的な要素が強く、もう一つ楽しめなかったのだけれど、今回はしっかりいつものフール物のテイストが詰まってて、軽くて楽しめる作品になっている。

 基本は軽いエンタティンメントSFなので、この作品にSF性がどうしたこうしたを斟酌するのも野暮って物なのだけど、それにしては結構SF的なくすぐりもあってちょっと笑っちゃった。お話の中でフールと執事のビーカーが何者かに拉致されちゃうんだけど、そんな二人の前に突然あてがわれた謎の球体、しかもなぜかその中には鈴のような物が入っているらしい。いったいこの球体は何のための物なのか………ってあたり、なかなかSFしてて楽しいっす。

 お気楽極楽、肩の凝らないお楽しみ本としてなかなか良質かと。大森望氏の完全にハズした解説はいただけないけどね。

02/02/04

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