「王の眠る丘」

表紙

牧野修 著
カバーイラスト 小菅久美
ハヤカワJA文庫
ISBN4-15-030630-3 \600(税別)

 無敵の「神鬼機甲車」で近隣諸国を次々と併合していく強国、「霊ノ国」。その首都「神ノ宮」の西の外れ、社会のは弥陀下野が集まって自然にできた「灰かぶり市」で育った孤児、戌児。彼の望みはこの世界の一種の馬である馬奴の乗り手になること。だがそんなささやかな望みも霊ノ国の軍勢によって「灰かぶり市」が蹂躙された時に全て絶たれてしまう。灰かぶり市を焼き尽くし、多くの人々を殺害した霊ノ国の軍勢に復讐すべく、戌児たちは馬奴による大陸横断レース、「大耐久馬奴送」への参加を決意する。過酷なこのレースに完走したものだけが、霊ノ国の皇帝、黄武神皇に謁見できるのだ………

 牧野修さんといえば「MOUSE」の印象が強いんですけど、どうもあちこちの賞を片っ端から取ったり、最近じゃあ「異形コレクション」なんかにも短編を発表したり、よく言えば八面六臂、悪く言うならワケのわからん(^^;)活躍ぶりらしいです。んで、この作品ももともとは早川書房の「小説Hi!」の新人賞への応募作品だったんだそうで。「MOUSE」より前の作品なんですね。

 「MOUSE」の時も感じたんですが、どうもわたしゃこの人の作品、おもしろいと思いつつもどこかで違和感を感じてしまうんですが、本書にもそういうところがあります。こっちが期待してる展開を辿ってくれると見せかけて、どこかで微妙に外されるのね(^^;)。これが狙ってそういう風にできているのか、相性みたいなものなのかはちょっとわからないですが。

 ストレートでいいお話なんですけど、うーむなんかこう………(^^;)

00/1/20

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