ポケットに入る宇宙


  算数好きのまるケンのエピソードとして、忘れちゃいけないのが、ポケットに入る宇宙。

  僕は、中学生の頃に初挑戦し、高校、大学、社会人となるまで、計4回挑戦した、ある問題があります。それは、、、

トランプ一組(52枚)をよく切って1列に並べるとき、その並べ方は何通りあるか?

  数学的にあらわしてしまえば、52!(52の階乗)、すなわち、1×2×・・・×51×52。電卓を使えば、地道に計算させれば数分で答えが出るでしょう。関数電卓なんかがあれば、あっという間に8.0658175e67っていう答えが出るでしょう(e67 は、×10の67乗の意味)。でも、数字にこだわりのあった僕は、省略したりせず、68桁すべての数字を計算したくなったんです。(あ、ここで「んなあほな」とか、「なんで?」などの突っ込みは禁止ですよ。)

  中学の頃、最初に挑戦したのは、すべて筆算でした。数字で埋め尽くされた大きな紙3枚。とにかく、すべて地道に計算したんです。でも、それがあってるかどうかは、、、

  高校にあがった頃、父が持っていた12桁まで計算できる電卓をちょっと借りました。で、12桁で計算できる部分に区切って電卓で。それ以降を筆算で。

  このとき、中学の頃の結果(なぜかとっておいたんですねぇ)と見比べたところ、桁数はあっているものの、上位数桁しかあっていなかった記憶があります。つまり、どちらか、あるいはどちらとも、あってないってことですね。

  さてさて、大学に通う頃、使っていたのは関数電卓。簡易BASICが動きました。CASIOのF702Pだったかなぁ、、、ついてるメモリが10個、それぞれ10桁までの数字が記憶できます。で、これでプログラミング。繰り上がりを考えて、各メモリには8桁までの数字を記憶します。9桁目に数字が繰り上がったら、隣のメモリに繰上げ。こうして、このプログラムを使って、3度目のチャレンジをしたんです。結果は、、、残念なことに、前回の2回のチャレンジとは、またまた異なる結果が、、、ってことは、計3回のチャレンジのうち、少なくとも2回は間違ってるってことが判明。

  最後のチャレンジは会社に入ってからでした。会社で使っていたのはVAXというコンピュータ。UNIXっていうOSが動いていました。UNIXには、標準で、dc(desk calculatorの略)が入っていて、コンピュータのメモリが許す限り、無限桁数の計算ができます。たとえば、2の1万乗を計算させても、瞬時に3000桁以上の数字の列が現れます。で、これでプログラムを書いて計算させて、、、結果、このとき初めて、3回目のチャレンジと同じ結果が得られ、これが答えだ!!っていうのにたどり着いたんです。

  さぁ、その答えを見てみましょう。

80658175170943878571660636856403766975289505440883277824000000000000

  なんてでかい数字なんでしょう。こんな数字にいったいなんの意味があるんでしょう。聞くところによると、地球を構成する素粒子(電子、陽子、中性子)の数が、10の50乗個とか。重さにして33000倍の太陽だと、その数桁上?全宇宙だと10の75乗だそうで。実に、これらの数とどっこい勝負できる数字なんです!!ね、ポケットに入る宇宙っていうのがわかりませんか?

てっぺんに戻る