The Globe Sessions
(アルバム, '98)
ポリドール, POCM-1253(日本盤・オリジナル)
ポリドール, POCM-1285(日本盤・再発)
ユニバーサル, UICY-3263(日本盤・再再発)
A&M, 31454 0959 2(米盤・オリジナル)
Interscope Records, 490-404(米盤・再発)
A&M, 540-947-2(欧盤・オリジナル)
A&M, 490-407-2(欧盤・再発)

曲目

Cover of The Globe Sessions(US)
写真は米盤ジャケット

1. My Favorite Mistake
2. There Goes the Neighborhood
3. Riverwide
4. It Don't Hurt
5. Maybe That's Something
6. Am I Getting Through (Part I & II)
7. Anything But Down
8. The Difficult Kind
9. Mississippi
10. Members Only
11. Crash and Burn
12. Carolina
13. Resuscitation
14. Sweet Child O' Mine
*13は米盤以外、12は日本盤のみのボーナストラック。14は'99年7月以降に再発された各国盤に収録。また米盤はエンハンストCD。歌詞についてはオフィシャル・サイトを参照のこと(Discographyにあります)。

クレジット
(ソングライティング)
 1, 2, 4, 5, 13. Sheryl Crow/Jeff Trott
 2, 3, 6 〜 8, 10 〜 12. Sheryl Crow
 9. Bob Dylan
(プロデュース)
 Sheryl Crow

解説
'98の9月にリリースされたソロ第3作。日本では独自のジャケットにボーナストラック2曲を加えてヨーロッパより約一週間、アメリカより約2週間先行発売された。前作でも米・欧・日で微妙に違いが見られたが、この作品ではそれぞれに顕著な違いが見られ、ジャケットは全て異なる上に米盤のみエンハンストCD仕様となり、My Favorite Mistakeのムービーなどが収録されている。また'99年7月以降は米盤を筆頭に各国盤にSweet Child O' Mineを追加収録したバージョンに切り替わっている。

このアルバムを最も特徴付けるのは、前作までとは大きく傾向の異なる歌詞で、それまでのストーリーテラー的なものは少なく、恋愛の、特に破綻したような状況を描いたようなものが多い。彼女自身がインタビューで繰り返し語っているが、これはそれまでのツアーに明け暮れた生活から一休みをとった時期にそれまでのことを振り返りながら作ったことが大きく影響している。

その歌詞と派手さの少ない曲調から”暗い”というイメージを持った人も多かったとみえ、セールス的には前作よりも下回っているが内容的には彼女の音楽の集大成と言えるものに仕上がっていると思う。

音楽的には前作の路線を更に深く掘り下げただけに留まらず、冒頭にSEを入れたりループを多用しつつもBobby Keysによるサックスを大きくフィーチャーした2、ストリングスを全面的に取り入れたバラード3、彼女自身によるハーモニカも聞けるスピード感のある4、焦燥感溢れる歌唱を聞かせてくれる6、Bob Dylan提供の9、パーティーソング的な10などバラエティに富み、聞けば聞く程味わいの出てくる”深い”音楽だと言える。

なかでも素晴らしいのはこのアルバムのテーマに沿った楽曲6〜8の流れで、泥沼にはまった状況を今までには聞かれなかった歌い方で歌う6のパート2から鬱屈した感情を歌う7へのつなぎは特筆に値する。逆にここらへんが気にいるかどうかでこのアルバムへの評価は大きく別れるのではないだろうか。

この作品は'99のグラミー賞では最優秀アルバム、最優秀プロデューサーなど6部門にノミネートされた(最優秀ロックアルバム賞を受賞)。

前作同様Sherylの声がラフでダイレクトに聞こえてくるのはミキシングを担当したTchad Blakeの功績で、彼はこの作品での仕事に対してグラミー賞にノミネートされた。


 

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