Steal This Movie
(サントラ, '00)
エピックソニー, ESCA8191(日本盤)
Artemis Records, 751038-2(米盤)
曲目
1. Time Has Come Today
2. It's All Over Now Baby Blue
3. I Ain't Marching Anymore
4. My Back Pages
5. This Land is Your Land
6. Superbird
7. War
8. Power to the People
9. Carry On
10. Feel Like I'm Fixin' to Die Rag
11. Mellow Yellow
12. When I'm Gone
アーティスト
1. Steve Earle & Sheryl Crow
2. Bonnie Raitt
3. Phil Ochs
4. Joan Osborne & Jackson Browne
5. Ani Difranco
6. Country Joe & the Fish
7. Edwin Starr
8. Eric Burdon & Billy Preston
9. Timothy B. Schmit
10. Country Joe & the Fish
11. Mary Chapin Carpenter
12. Ani Difranco
*こちらで試聴出来ます(最初の5曲(Real Audio)または全曲(Windows Media Player))
解説
'60 〜 70sのベトナム戦争への反対活動等で知られるヒッピー活動家、Abbie Hoffmanの生涯を描いた伝記映画、Steal This Movieのサウンドトラック盤でSherylがSteve Earleと共演した1が収録されている。反戦歌として有名なEdwin Starrによる7を始めとして、政治的なメッセージ性を持つ当時の曲とそのカバーバージョンで構成されており、意外な聞き物もある。
Sheryl & Steve EarleによるTime Has Come Todayは'60s後半にロック、R&Bの両フィールドで活躍したChambers Brothersの代表曲のカバー。パーカッションの音がスパイスとして効いていて、男5人によるバックコーラスのかけ声が単純ながらも楽しい。この曲でのSherylはかなりシャウトを多用しており、声自体はワイルドだが落ち着いた歌い方のSteve Earleとは好対照を成している。Jay Lenoなどの番組でGジャンを着てこの曲をライブで歌う様は久々にワイルドな印象を与えてくれた。
この曲の他にも2, 4, 8, 9, 11, 12がこのサントラの為の新録。この中ではChris Isaakが歌っても似合いそうなアレンジでBob DylanのIt's All Over Now Baby Blueを堂々とした歌でかっこ良く決めているBonnie Raitt、Crosby, Stills, Nash & Youngの代表曲をオリジナルよりも高音のハーモニーで聞かせるTimothy B. SchmittのCarry On(ただ後半少しだれる)、'60sの代表的ヒッピースターDonovanの大ヒット曲という意外な選曲で驚かせるMary Chapin CarpenterのMellow Yellow(この落ち着いたアレンジは原曲とは違った意味で刺激的)などが一聴して耳に残る。
Ani Difrancoは2曲のうちThis Land is Your Land(Woody Guthrieのカバー)は既録音の未発表曲で、もう一曲のWhen I'm Gone(Phil Ochsのカバー)はこのアルバムのために録音されたものの発売が2週間発売延期されている間に自身のミニアルバムSwing Set E.P.に収録された。Joan Osborne & Jackson BrowneによるBob DylanのMy Back Pagesのカバーは両者共に声が低め(どちらかというとJoanの方が低いか?)のために地味に聞こえるが、粘りを感じさせるJoan Osborneの声とハスキーで渇いたJackson Browneの声が程よく調和している(これがTom Pettyだったらこうはいかない)。Eric Burdon & Billy Prestonが歌うPower to the Peopleは少しうるさい(そのくせ声に艶がない)。
Sherylの歌う曲は必聴だが聞く価値のある曲が他にも入ったアルバムだろう。