Sheryl Crow
(アルバム, '96)
ポリドール, POCM-1200(日本盤・オリジナル盤)
ユニバーサル・インターナショナル, UICY-3543(日本盤・再発)
ユニバーサル・インターナショナル, UICY-2457(日本盤・再再発)
ユニバーサル・インターナショナル, UICY-9730(日本盤・再再再発)
A&M, 31454 0587 2(米盤)
A&M, 540 592 2(英盤)
曲目
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クレジット
(ソングライティング)
1. Sheryl Crow and Bill Bottrell
2, 8, 14. Sheryl Crow, Jeff Trott & Brian MacLeod
3, 6, 13, 15. Sheryl Crow
4, 5, 11, 12. Sheryl Crow and Jeff Trott
7. S.Crow/J.Trott/B.Bottrell/T.Wolfe/RSBryan
9. Sheryl Crow and Tad Wadhams
10. Sheryl Crow, Jeff Trott & Bill Bottrell
(プロデュース)
Sheryl Crow
解説
前作から3年を経て'96年9月にリリースされた第2作。日本では"Crack Baby Crow"と呼ばれる独自のジャケットにボーナストラック2曲を加えてリリースされた。日本盤解説はあの中川五郎氏。
デビュー作Tuesday Night Music Clubはセッションから派生して生まれたとも言えるアルバムだったが、このアルバムでは彼女が主導権を握って作った曲を彼女自身がプロデュースしたことで、前作とは全く異なる内容のアルバムが出来上がった。ここでのSherylは様々な楽器を演奏するマルチプレイヤーぶりも発揮しつつ、彼女が親しんできた様々な音楽を下地に彼女ならではの音楽を作り上げることに成功しており、前作の成功がフロックでないことを力強く証明してみせた。”女性の時代”といわれることもある'90年代のアメリカを代表するアルバムの一つであると言える。
『前作と違って、今回のアルバムは自分がやりたいと心底思っていることをやった』と彼女自身がインタビューで語る(国内盤ライナーより)ように、"Sheryl Crow"というアーティストの自己表明と言えるこのアルバムは、音楽的にはフォーク、カントリーの要素も見受けられたデビュー作よりぐっとロック度を増しており、前作では加工されたような印象も受けるSherylの声がTchad Blakeのミキシングにより生々しく迫ってくる。自身が表現したい音を見事にまとめあげているプロデュース能力も見事。
歌詞についてもボスニア訪問にインスパイアされて作った6や銃社会アメリカのことを歌った9など、前作ではそれほど見られなかった社会的メッセージ性のある曲があるのもこのアルバムの特徴と言えよう。他にもBill Bottrellに対するメッセージソングともとれる5、自身の信条を歌ったかのような2、8などバラエティに富んでおり、デビュー作でのストーリーテラー的なものから一歩踏み出して自分のスタンスを積極的に表現している。
このアルバムで離れた前作のファンも多いと思われるが、この作品でついた、もしくはより好きになったファンに対して実に強い影響力を持つアルバム。
全米チャートでは初登場6位(これが最高位)で200万枚以上、イギリスでは初登場時と翌年8月に最高位5位を記録し90万枚以上を売り上げた。翌年のグラミー賞では最優秀ロックアルバム賞と最優秀女性ロックボーカルパフォーマンス賞(If It Makes You Happyに対して)を受賞した。