Rockin' the Globe Live
(ビデオ, '00)
日本コロムビア, COVP-90104(日本版VHS)
日本コロムビア, COBY-70004(日本版DVD)
日本コロムビア, COBY-91016(日本版DVD再発)
Image Entertainment, ID8817AR(米版VHS)
Image Entertainment, ID8818ARDVD(米版DVD)
曲目
1. Maybe That's Something
2. A Change Would Do You Good
3. Anything But Down
4. My Favorite Mistake
5. It Don't Hurt
6. Riverwide
7. If It Makes You Happy
8. Am I Getting Through
9. Everyday is A Winding Road
10. The Difficult Kind
11. All I Wanna Do
12. There Goes the Neighborhood
13. Strong Enough
14. Mississippi
15. Home
解説
'99のアメリカツアー、デトロイト公演の模様を収録したライブビデオで、Sherylにとって2本目のビデオ作品(注:アメリカでは初、ヨーロッパでは遅れて3月にリリースされた)となる。全15曲で83分収録。
カメラワークがやや忙しく、Talking Headsの歴史的傑作コンサートフィルムStop Making Sense(祝!再上映!)などに較べると構図(客席写し過ぎ)や音のバランス(特にDVDはそうらしいです)が甘い。が画質は普通のビデオとしては良く、コンサートそのものの内容はStop Making Senseに勝るとも劣らずで、ビデオ撮りされているためかMCもほとんど入れずにテンポよく進行していく演奏は来日公演の時よりタイトに思える。
Sherylは黒のトップに黒のビニール(?)のパンツ姿で、日本公演時は都合でバンドを離れていた美人バイオリニストLorenza Ponce(他にギターも演奏)が加わっている。彼女もSheryl同様上下黒で揃えているが、他のバンドメンバーもストリングス担当のMatt Brubeck以外はみんな黒づくめの衣装で臨んでいる。Sherylの髪は日本公演時より少し長く、Sweet Child of Mineのビデオよりは少し短い感じか。ドラムスのJim Bogiosは一段と短い髪になっていて、精悍さが増している。
コンサートは来日公演同様Maybe That's Somethingで幕を開ける。Lorenza Ponceのバイオリンが彩りを添えている。この曲の他にもRiverwide, Mississippiなどで彼女の存在は大きいと思わせる演奏を聞かせてくれる。
4曲目のMy Favorite MistakeまでMCなしで一気に進んでいき、短い曲紹介の後演奏されるIt Don't Hurtがやはり素晴らしい。Sherylのハーモニカの後バンドが一丸となった演奏では、上体を激しく動かすLorenzaやエネルギッシュなドラミングを聞かせるJim Bogiosの姿がカメラに良く捉えられている。
8曲目のAm I Getting ThroughのPart 1とPart 2のつなぎの部分ではSherylは歌詞を表現するかのように髪を掻きむしる。そして暗転しているうちに髪を整え毅然とした顔でPart 2に入っていく。
次のEveryday is A Winding Roadを演奏する前に見せるSherylの表情がいい。この曲では少し踊りも見せるがWoodstockや来日公演のように踊りまくるということはなく、しっかりギターを持ってちゃんと演奏もしている。
All I Wanna DoではSheryl自身楽しんでいることがわかる笑顔を見せてくれる。ヒットした当時より少しスローなテンポで、しかしその時同様のアレンジでしっかりとした演奏を聞かせてくれるのが嬉しい。そしてやはりライブで輝きを見せるThere Goes the Neighborhoodで本編は終了。このころには観客はかなりいい反応を見せてくれている。
最初のアンコールでStrong Enough、Mississippi(Lorenzaのバイオリンがいい)のあと2回目のアンコールでは来日公演とは違い、ストリングスの2人だけを従えてSherylがピアノを弾いてHomeが演奏される。これが非常にいい。Storytellersのバージョンを聞いたことがある人はわかるだろうが、まさにあんな感じで曲そのものの魅力をうまく引き出している。
レパートリーが増え、スローな曲があまり入ってないこともあるが、正装して少し演奏がおとなしめだったLive from LondonよりもSheryl Crowのライブパフォーマーとしての魅力が伝わってくる素晴らしいコンサートで、ファンならSheryl Crow & Friendsのブート(まだ持ってないなら)を買うより先に買うべき作品と言える。
*1
パッケージにはSheryl Crow & Friendsの宣伝スリップが入っている。日本でリリースされるかわからないが、リリースされてもこれはまず同封されないであろう
*2
DVDはリージョンコードがフリーなので、通常の日本製DVDプレイヤーでも問題無く再生が可能