Mark Nevin @ Minx Club
('02/07/24 at Stoke Newington, England)

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ロンドン近郊のStoke Newingtonという町で行われたMark Nevinのコンサートに行って来ました。Markのソロライブとして初めてというのはもちろん、Fairground Attractionの来日公演以来Markの姿を見るのも初めてでしたが、今回ライブが見られたのは偶然のたまものでした。

 もともとはEddi Readerが出演するTrowbridge Pump Festivalというフェスティバル(ここではCara Dillonも見られるはずだった)を見るつもりで22日日本発、29日ロンドン発の予定で予定を組んでいたのに、仕事の都合で日程を短縮せざるをえないことになって、最後まで22日からアイルランドをツアーするEddiを見るためのアイルランド行きも検討したのですが、結局出発も23日とせざるをえない状況となってEddiを見ることができなくなってしまったのでした(せっかくフルコンサートを見られるチャンスだったのに、、)。ところが日程変更が確定した2日後とかにMarkのサイトで今回のコンサートが発表され、しかも行われる日はわずか4日となってしまった日程のうち唯一あいていた24日で、まるでEddiを見ることを諦めたかわりにMarkのコンサートが降ってきた、という感じで、今回のコンサートが見られることが決まったのでした。

閑話休題。

 今回のコンサートは8時半から開演の予定でしたが、7時からディナーが食べられるから、とMarkが言っていた(※あとで勘違いだったことが判明)ので7時に間に合うように少し余裕を持ったつもりでホテルを出ました。でもホテルの目の前にあるバス停へ行ってみると、ちょうどラッシュアワーと重なったこともあってか沢山の人が待っていて、さらに続々とバスが来るもののみんな満杯状態で、このまま待っていても埒が開かなそうな状況でした。そこでMarkが「ここからバスに乗るように」と書いていたAngelという駅まで地下鉄で行こうと考えて下に降りてみたのですが、改札の内側には人が溢れかえっていて、やっぱりどうみても簡単に乗れる気がしなかったので、隣の駅まで歩いて別の路線で行こうと考えて歩き始めました。ところが東に進んでいるつもりが実際には北に進んでいて、たどり着いたのは混んでるだろうと考えた路線の次の駅(_ _);; でもバスにはやっぱり乗れそうになかったのでしょうがなくそこから地下鉄に乗ることにして下に降りてみたら、確かにかなり混んではいたもののぎりぎりで乗ることができました。そこから地下鉄を乗り継いで7時の10分ほど前にAngel駅にようやく到着。駅を出てバス停に行ってみると目の前にバスが止まっていたので飛び乗ったのですが、車掌さんに反対方向だよと指摘されてしまい、ちょっと進んだところで降りて道を渡って逆方向のバスへ。そこから20分弱バスに揺られて、行き先を告げておいた車掌さんに教えてもらうまま、Minx ClubのあるはずのChurch Streetでバスを降りました。でもここからの道はそういえば知らないぞと思って、車掌さんに”あっちの方”と教えられた方向へ、住所表示を頼りに数分歩いたところで無事Minx Clubを見つけることが出来ました。

 Minx Clubでは窓に"make it to the fairground and enjoy the attractionなんて書いた貼り紙や、「今夜Mark Nevinが出演!」と書いた黒板もありました。一階のレストランはまだやってないようだったので入っていいものかどうか、またチケットはどこで買えばいいのか、などと一階の店員に尋ねてみたところ、チケットは下で扱ってるけどディナーは9時からと言われてしまいました。でも7時からだと聞いた、と言ってみたら下の階に直接案内されたので下に降りてみると、そこではMarkが最近結婚したばかりでバイオリンのLouise、アコーディオンのColette O'Learyとともにリハーサルの真っ最中でした。突然人が入って来たのにMark達は少しびっくりした様子でしたが、まだこの時点では8時からしか本来は入れなかったことに気が付いてなかった私が"Hi Mark"と言った後に自己紹介したところ少し安心してくれたようで、3人と順番に握手を交わしました。で右端の席に着いてしばらくリハーサルを見ていたのですが、周りの人達はどうみても関係者にしか見えなかった(後で聞いたところ前座の人たちの恋人達やマネージャーとかだった)ことで、やっと自分が入るべき時間よりも早く入ってしまったことに気が付いたのでした。。。

 それから10分ほどしてMark達のリハーサルが終わったところでMarkが話し掛けてくれたので少し喋ったのですが、Markは9月の来日をSmashに持ちかけられていたらしく、本人はライブをする気があったのにいつのまにか話が自然消滅してしまったそう。。でもう少し聞いてみたらその9月というところがポイントで、このころにFairground Attractionの2枚組ライブアルバムが日本(のみ?)でリリースされる予定があるとのこと(!!)7/2の川崎クラブチッタでのライブ(見に行った)を音源として、Fairground Attractionとしては未発表で終わった曲の数々が収録されることになるようです。もうほとんど作業が終わっている段階だそうなので、じきに発表されるのでしょう。Mark自身も日本にはまた来たがっていたので、是非ライブをしに来て!と言っておきました。この後も食事をしながら少し喋っていたのですが、8時を過ぎてMarkの知り合いが来て、ほどなくしてMarkはそちらに移動していきました。

 8時半になり、クラブのオーナーの紹介を受けて前座のDavid SawがバイオリンのJake Walker(この人Markのアルバムではビオラを弾いています)と二人で登場し、30分弱演奏しました。私はビール2杯のため途中不覚にも眠くなってしまったのですが、曲自体もエネルギッシュな演奏もなかなか良く、David Grayを彷佛とさせる感じでした。一曲目を演奏しはじめてほどなく、David Sawのギターの弦が切れるというハプニングがあったのですが、これを見たMarkが楽屋にあった自分のギターをDavidに差し出し、その隙に裏で弦を張りなおしてDavidに渡す、という場面もありました。

 そしてDavid Sawのステージが終わってから10分ほどして、やはりクラブのオーナーに紹介されてMark達の演奏が始まりました。以下がセットリストです:

1. Home
2. Simple Faith
3. You Don't Have to Make Me Laugh
4. The Mighty Dove
5. Kiteflyer's Hill
6. Perfect
7. Here and Now
8. The One I Love
9. Absent Friend
10. All of Us
11. Allelujah
12. Have A Go Hero

最初の2曲はColette O'Learyと二人で演奏していましたが、3曲目を演奏する前にMarkが"a new memer of the band, my lovely wife Louise"と紹介してLoiuseがバイオリンで加わりました。Louiseは4月末に行われたスペイン公演からバンドに加わったそうなのだけど、もうだいぶ慣れた感じで、ColetteのアコーディオンとともにMarkを好サポートしていました。

3人で2曲を演奏した後、5曲目にはKiteflyer's Hillが演奏されたのですが、Markがこの曲を歌うのは珍しいようで(この曲の演奏後、本当はJimmy WebbのDo What You're Gonna Doを歌うはずだったと言ってたし)、サービスとして演奏してくれたみたいです。LouiseのバイオリンとColetteのアコーディオンのゆったりした音の中、Markは歌詞を噛み締めるように丁寧に歌ってくれました。Eddiのように歌が前面に出てくることはないのだけど、これはこれで聞いて良かったと思える演奏でした。

 Kiteflyer's Hillの後、Fairground Attraction時代のエピソードを披露したあと、初めてレコーディング契約を結んだ頃の話に。最初に(The Academy of Fine Popular Musicとして)契約をしたCompact Organizationと1曲50ポンドの契約で4曲をレコーディングしたそうで(2曲しか発表されてないけれど)、5曲目としてレーベル関係者の前で披露したのがこの曲だった、と話してPerfectの演奏が始まりました。この曲ではLouiseはステージ横に下がり、最初のうちは昔よりもカントリー色の強いMarkのギターだけで演奏されましたが、そのメロディは聞き間違えようがなく、最初のコーラスでMarkが観客に歌うように促してからは、コーラスの度に会場中から合唱が起こりました。アコーディオンとのマッチングの良さも印象的でしたが、この曲ではMarkのギターのうまさも改めて実感させてくれました。

 このあとColetteと二人だけでHere and Nowを演奏したあと、またLouiseが加わってThe One I Loveが演奏されましたが、やさしいメロディのこの曲でのバイオリンとアコーディオンの響きはとても印象的でした。The One I Loveの演奏後にはいくつかジョーク(Cliff Richardが日本にツアーした時のエピソードとか、死の世界から生還した夫と妻の会話とか)を話した後にAbsent Friendが演奏されましたが、この曲でもColetteのアコーディオンが大活躍でした。このあとAll of Us, Allelujah, そしてラストに相応しいHave A Go Heroで感傷的な気分に浸らせてくれて、約80分間のコンサートは終わりました。

 Mark, Louise, Coletteの3人だけで小さな会場でのコンサートでしたが、その演奏は暖かみがあり、50人も入れば満員になるような会場での目の前での演奏は、気持ちをゆったりと和ませてくれるものでした。歌についてもMarkが自信を持って歌っているのがわかるスムーズな歌唱で、ソロを始めたばかりの頃とくらべて格段の進歩が感じられました。

 コンサート後にはまたMark達と飲みながら話す時間があって、少しLouiseとも話したのだけど、Louiseは昔セッションプレイヤーとして活動していた(Amazuluというガールズバンドのレコーディングに参加したそう)そうで、でも現在は音楽の世界からは遠ざかってジャーナリストをやっているそう。演奏の合間にはMarkが自ら話していましたが、MarkとLouiseが出会ったのは、'85頃にJools HollandとPaula Yates(元Bob Geldof夫人で故Michael Hutchence夫人、やはり故人)がプレゼンターを務めていた番組にMarkがバックバンドのメンバーとして出演した時だそう。ただこの時は話すこともなく、その後ずっと会うこともなかった(3年ほど前にLouiseがウェイトレスをしている店にMarkが入って来たことが一回あったけどMarkは気付かなかったとLouiseは言っていた)ものの、今年の3月頃に久し振りに再会し、10回目のデートで結婚を決意したそうです: )

 結局コンサート終了後2時間ほどその場に残っていたのですが、MarkにもらったCDのジャケットにサインをもらったあと、ナイトバスでホテルのあるトッテナム・コート・ロードまで戻りました。またいつか日本でコンサートを見てみたいものです。


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