皇帝とブルーマウンテン

 その昔、たいそうコーヒーの好きな皇帝がいた。その名を、ジュ
リアス=シーザーといった。
 彼のコーヒー好きは誰もが知っていたが、彼がブルーマウンテン
しか呑まないことを知るものは少なかった。そして、そのことが彼
の運命を変えてしまおうとは、神以外誰が知りえたであろう。

「やい、シーザー!俺にもブルマンを呑ませろ!」
 ブルータスは言った。
「いくら親友のおまえでも、それはできん。ブルマンはコーヒーの
王様。この皇帝シーザーにこそふさわしいのだ」
 シーザーは答えた。
「何だと!貴様のような奴は親友でも何でもない。地獄に落ちろ!」
 ブルータスの剣が、シーザーの胸を貫いた。

 こうしてシーザーは、ブルマンのために命を落とすことになった。
彼が、いかにブルマンを他人に呑ませたくなかったかを示すセリフ
は、彼の最期の言葉として、今に伝わっている。

「ブルータス。おまえ、モカ」