radioactive放射性鉱物の取扱と保管radioactive

敵を攻略・・・放出されている放射線への対応



放射線への対応の3大原則、「距離」「遮蔽」「時間」

  ◎◎放射線から身を守る◎◎

 放射線への対応は基本的に「戦略的撤退」だと思っています。「さわらぬ神にたたりなし」「逃げるが勝ち」ともいいます(^^;
 一番いいのは関わり合わない。でも、興味があるから見てみたい。このページをごらんの方はたぶんそんな人達だと思います。
 (1)距離
普通の放射性鉱物は物理的に見て「点線源」と考えることができると思います。
 「点線減から距離rにおける放射線の線束は、距離rの2乗に反比例する。」
 これを「逆2乗の法則」といいます。放射線管理において基本中の基本です。放射線量率と線束と直接の関係があるので、線量率も逆2乗の法則に従います。

 D=D

  D:線源からの距離rのところでの線量率。D:線源からの距離rのところでの線量率。 
 ただし、これは点線源と点状の検出器で、線源と検出器の間の吸収が無視できるときにしか厳密には成立しません。β線の場合は線源から極近傍、γ線の場合は線源からある程度近傍までの範囲に限られると思います(いずれも空気中)。
 (2)しゃへい
a)α線
 α線の飛程は前項で示したとおり空気中で約7〜8cm程度です。これが水中となると、空気中の約1/500になります。つまり、0.1〜0.2mmぐらいです。なんで、皮膚表面(約0.2mm)でほぼ吸収されてしまいます。
 素手でさわるのが心配な場合は、手袋をすれば完全にしゃへいできる上に、手からの体内への進入防止になるでしょう。

b)β線
 β線はある程度離れれば気にすることはないが、近傍ではかなりの量被ばくする恐れがあるので注意か必要です。
 また、β線のしゃへいで重要なことは、β粒子(電子線)がしゃへい物に当たって急に減速すると二次X線(制動放射線)が放出されることがあることです。二次X線の放出される割合はしゃへい物の原子番号に比例するので、「鉄」や「鉛」で直接しゃへいすると大量のX線を発生してしまうことになります。
 β線をしゃへいする場合は、ガラス、プラスチック、アルミニウムなどの原子番号の低い物質でしゃへいし、さらに、外側を鉄や鉛などで覆うとより完璧にしゃへいができます。

c)γ線
 γ線は非常に透過力が強く、飛程も大きい。しゃへいする場合は前項の半価層、1/10価層を見ても分かるとおり、原子番号の高い物質の方が効率がいいです。まあ、鉄や鉛なんかで覆ちゃうと保管容器がとても重くなってしまうのが難点でしょうか。
 しゃへい材の厚さは、その効果と状況、経済的な面で決まると思います。
 (3)時間
 当然ですけど、被ばく線量は、その場所にいる時間の長さに直接比例します。

線量=線量率×時間

 放射性鉱物を取り扱う時間を短くし、あんまり長く見つめいていない、というのがベストでしょう。



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