S301 燃料タンクの除錆とコーティングの方法

燃料タンク内に発生した錆は燃料コック、キャブレターなどを詰まらせエンジン不調の原因になる。
    タンクの錆を除去し、内部をコーティングしておくと長距離も安心して走れる。

1.除錆材、コーティング材 ★何種類かの材料がヤフオクなどで販売されている。同じものでも値段の安いものがあるが、有効期限が短いものは安いようである。

★大きく分けると、リン酸を希釈して除錆のみを行うものと、除錆後MEKで洗滌しさらに内部をコーティングするものがある。今回は除錆とコーティングを行う材料を使ってみた。(写真をクリックすると今回使用したものが拡大される)

2.タンク内の清掃 ★除錆の前処理として、タンク内に残っている燃料、オイル、塵などを出来るだけ丁寧に掃除しておく。

★錆の発生が多いときは砕石、古いボルトなどを入れて振り、大まかな錆などを取り除いておくと仕上がりが良い。

3.除錆材(A)の投入 ★除錆材(A液)は、リン酸原液のため、手、皮膚などに付かないようにゴム手袋を使うこと。詳しくは添付の説明書を良く見て行う。

★燃料チューブのつながる2ヶ所のパイプ、コックの穴、燃料ゲージの穴をシールする、テープを巻くだけではなく割り箸などを詰めて液漏れが起こらないようにしっかりとシールする。タンクキャップはビニールを挟んで締め付ける。

★原液はタンクの容積からボトルの70%程度を注入しタンク内部の全面に付着するようにゆっくり振り回す。タンクキャップを外して中を見ると泡だっているのが見える。

★余り時間をおかずにタンクいっぱいに水を張る。

4.防錆の処理 ★水を満タンにして12〜16時間経過すると希釈されたリン酸の除錆効果によりタンク内はきれいになる。

★花咲き..、Donky...等は、この処理過程で完了する方法を取っている。 今後のことを考えて次の 内部コーティング行程に進む。

 
5.乾燥と脱脂。 ★タンク内部の希リン酸液を捨てて内部を水道水で洗い充分乾燥させる。乾燥の悪いときはヘヤードライヤーで手助けを行う。

★B液(小さいボトル)はMEK(メチールエチルケトン)で脱脂を行う。液の全部を注入後穴を密閉しタンク内の隅々まで行き渡るように良く振る。密閉が不完全だとMEKが漏れだしてタンク外部の塗装を剥がすことになるので注意が必要。

★MEKは可燃性があるので火気厳禁。

★3〜5分で内部の脱脂が完了するので液を捨てて1〜2時間乾燥させる

6.内部のコーティング ★コーティングは、白色のクリーム状液体 Tank Liner で行う。
★タンクの各穴を密封しタンクキャップからボトルの半分を流し込む。内部を見ながら液が均等に広がっていく様にタンクを傾ける。
★残りの液を入れてタンクキャップにビニールシートを挟んで液がキャップに着かないようにして締める。
★タンクをゆっくり傾けて天井部分にも液が付着するように時間かけ念入りに行う。
★燃料コックの密封を外し残った液が出るようにしてキャップを外す。
★1昼夜このまま置いておくと内部のコーティングは完了する。密封していたパイプの穴、燃料コックの穴などに付着したコーティング材を取り除く。
7.出来上がり ★内部コーティング材(Tank Liner)が完全に乾燥し付着するためには2〜3日風通しの良いところに置いておくのが良い。燃料ゲージの整備も行えば燃料タンクは完璧になる。