プロペシアがグリーソンスコアを上げた訳2
[木村泌尿器皮膚科公式ブログ](2012年秋)
先週末に
プロペシアの製薬メーカーのMRさんが、自主改訂した添付文書を持ってきてくれました。
プロペシア(フィナステリド)による前立腺癌予防試験で、
プロペシア群のほうがグリーソンスコアが高い(悪性度の高い)前立腺癌の発生率が高かったことを、
書き加えたそうです。
この件についてどう思うかと聞かれたので、
心配していない、
ずいぶん前にブログにも書いたよ、
と話しました。
探してみます、との返事でしたが、
見つからない時のために、
2009年10月19日のブログ(もう3年前なんだ)から以下コピペ。
この図で、赤い丸がグリーソンスコア8の癌。緑の丸がグリーソンスコア6の癌。黄色が正常部分とします。
プラセボ群では7年後には、左下のような感じ、正常部分もグリーソンスコア6の部分も、グリーソンスコア8の部分も少しずつ大きくなります。
ここに6本針を刺すと、グリーソンスコア6の部分が19%に、グリーソンスコア8の部分が5%に見つかります。
プロペシア群では7年後には、右下のような感じ、正常部分とグリーソンスコア6の部分は縮みますが、グリーソンスコア8の部分は少し大きくなります。
ここに6本針を刺すと、グリーソンスコア6の部分が12%に、グリーソンスコア8の部分が6%に見つかります。
プロペシアはグリーソンスコア8の部分を見つけやすくしただけで、グリーソンスコア8の癌を増加させたわけではない、と主張することもできるのです。
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