泌尿器科医・木村明の日記


邱公司(Khoo Kongsi クーコンシー)


[木村泌尿器皮膚科公式ブログ](2012年秋)

夏休みに訪れたペナン島で、一番印象に残っているのが、クーコンシー(Khoo Kongsi 邱公司)。
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クーコンシーは昔中国の福建省からわたってきたクー( 邱)一族によって建立されたお寺で、
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中央の部屋には先祖が祀られています。
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そして左右の部屋には、異国の地で名声を得た一族の名前が掲げられています。
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表彰されている人には今活躍中の現役の人が含まれています。
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先祖を讃えることは、いずれ自分も子孫から讃えられるかも、と頑張るためのアワードになるんだ、
自分一代では消費できないほどの財を貯える華僑には、そういうアワード(動機付けするシステム)があるんだ、
一生全力で走り続ける人は、死後に子孫から感謝されるという、モチベーションがあるのかなあ、
と、先祖崇拝の意味がちょっとわかったような気がしてきました。
故郷を離れ、異国の地で頑張り、根をはり、そこで成功した者が、
一族を呼び寄せ、その人たちが成功するまで資金と住む場所を提供する、
という世代を超えた互助システムが華僑の強さだと感じました。
援助を受けて成功した子孫が先祖を敬うために建立した立派な寺院がクーコンシーで、
その1室では、現在世界で活躍中の親族を「栄胎徳祖」として讃えています。
自分も将来子孫たちから崇められるかもという思いが、
華僑が異国で頑張る原動力になっているような気がしました。
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