泌尿器科医・木村明の日記


前立腺癌とPET勉強会@崎陽軒本店


[木村泌尿器皮膚科公式ブログ]

昨日は診療終了後、第28回神奈川県前立腺腫瘍研究会に出席。
去年は海運クラブでの講演とかち合い、出席できなかった会です。
昨日のテーマは前立腺癌診断法。一般演題が11題。娘が務めているさいたまの病院に3月までいた女医さんの発表も聞いてきました。
コーヒーブレイクのときにちょっと挨拶。
帰宅してから、抄録を娘に見せたら、なぜ胸膜癒着術をしないんだろう、と偉そうなコメントをしていました。
特別講演はPETによる前立腺癌診断法。PETはブドウ糖を消費している場所を写す方法。
PETで小さい前立腺がんを見つけることはできないが、悪性度が高いか、ホルモンが効きにくいかの判定には使えるとのことでした。
脂質(細胞膜の原料)をトレーサー(マーカー?)にしたPETに関する研究も行われており、
前立腺全摘後にPSAが1まで上がって来た時、再発部位を写すことができるようになってきたようでした。
前立腺全摘後にPSAが上昇するのをPSA failureと言いますが、そのとき放射線療法を行うか、ホルモン療法を行うかは、どこに再発しているかによるわけで、
天皇陛下のときはどこかわからないので、ホルモン療法になったわけですが、
PETがブレイクスルーになるかもしれません。
日本のどこで工事が行われているか調べるのに、
弁当(グルコース)がいっぱい売れている場所をプロットするか、
セメント(細胞膜の原料)がいっぱい売れている場所をプロットするかの違いのように、
PETはトレーサーを自由に選べる可能性があるようです。
核酸(遺伝子の原料)をトレーサーにする研究もあるようですが、これは、パソコン・スマホが売れている場所を調べるようなもんでしょうか。
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