泌尿器科医・木村明の日記


武士の商法



大病院とは違って、開業医は患者さんをお待たせしてはいけない、と思っていました。

先日税理士事務所の方から、

「待ち時間が長いと、患者さんは、本当に帰ってしまわれるのでしょうか?ネットでバイアグラを買うようになるんでしょうか?

「院長が待たせるのが嫌いなだけではないのですか?10人以上座れる待合室があるのだから、そんなに待ち時間を気にしなくていいのではないですか?」

と指摘されました。クリニックの設計図作成の頃から担当してくれている人なので、

「待合室を広くしたのは、待ち時間が発生することを想定していたからでしょう。」

と言われ、ちょっと反省しました。

患者さんをお待たせしたくない、

という意識が強すぎた私は、挨拶のページに、

前立腺炎や前立腺癌で治療中の方がセカンドオピニオンを聞きに来られても、時間的制約が大きく、十分なお話しが出来ないことが少なくないのです。

できるだけ時間をかけて説明し患者さんに納得していただくということは、遠方からの方に限らず大切な事ですが、混んでいると十分なお話しが出来ないこともあるのです。

と書いていました。診察時間のページにも、

闘病中の前立腺炎神経性頻尿前立腺がんの患者さんが土曜日にいらしても、土曜日は混むことが多く、問診や説明に充分な時間を割くことができません。

と書いていました。

待ち時間が長くなる原因が遠方からの初診患者さんだと思ったので、制限したほうがよいかなあ、

と思ったわけです。

待ち時間を短くしたい、という意識が強すぎて、ホームページを読んだ方に与える印象は、武士の商法になっていました。

これでは、PSAで調べて、当院のホームページがヒットしても、来院していただけません。

昨日は病み上がりのため、自宅に籠もって、「武士の商法」らしき表現のあるページを訂正していました。

ついでに、「暇なときつぶやきます」をメニューから外しました。

待ち時間対策ばかりにあまり拘らないようにしようという決意からですが、

反動が極端すぎるでしょうか?
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