スーパーローテートは廃止すべき
以前、
スーパーヒーローVsスーパーローテートのところでも、スーパーローテートが外科医志望を減らしている、と書きましたが、今回はもっとはっきりそう感じました。
スーパーローテートの研修プログラムは
1年目 内科6ヶ月、外科3ヶ月、救急・麻酔科を3ヶ月ずつ研修する。
2年目 産婦人科、小児科、精神・神経科、地域保健を1ヶ月ずつ研修。残り8ヶ月は研修医希望による選択研修とする。
となっています。
例えば、かなり大きな病院で前期研修医を12人受け入れられるところをモデルに考えてみましょう。
6人の1年目が内科に、3人の1年目が外科に、3人の1年目が救急・麻酔科にいることになります。
そして産婦人科、小児科、精神・神経科には2年目が一人ずついるだけです。
12人受け入れられる病院は内科で同時に6人教育しなければならないわけですから、これは相当教育者が充実した施設です。
2年目の選択研修も内科を希望する人が多いでしょう。もし全員が内科を選択したら6+8=14人を内科で育てなければなりません。
内科にそんなキャパシティーのある病院でさえ、産婦人科、小児科では、2年目の医者がひとりで研修しているわけです。
4~5人しか前期研修医を受け入れていないところは、産婦人科、小児科には2~3ヶ月に一人研修医が来るわけです。
雑用を一手に引き受けさせられるのか、それとも学生実習のようにお客さんになってしまうのか、
こんなシステムで、産婦人科、小児科になりたいと思う医者が現れるとは思えません。
医療崩壊を遅らせたいなら(防げるとまではいえません)、スーパーローテートは廃止すべきです。
2008年11月3日の院長ブログ原稿
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