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趣味 開業医


稼がなくていいけど、患者さんの役に立ちたいから医者している、という人がいたら、その人は本当に趣味で開業医をしているわけです。

勤務医時代の外来診療日は週3回午前だけ。午後は手術や病棟処置。

開業したら患者さんにゆっくり説明する時間が取れると思っていました。

開業当初、1日患者さんが20人程度の頃までは、ゆっくりお話できました。

私のホームページを見てきてくださった方に、いろいろ説明できました。

ゆっくり説明する時間が取れない大病院の先生たちの代わりに、手術が必要な理由を説明し、納得して帰っていただくこともできたりしていました。

クリニックが経営的に成り立つぐらい患者さんがいらしてくださるようになると、

ホームページを見てセカンドオピニオンを求めて来られた方に納得いただけるまでお話できなくなり、遠方からいらしたのに申し訳ない、

でも個人商店主としては、一見さんより常連さんが大事、近所の患者さんをあまり待たせてはいけない、

どうやって遠方からの患者さんを呼ばないようにしようか、

とフラストレーションが貯まるようになりました。

特に土曜日にはセカンドオピニオンに充分な時間が取れなくなっていましたが、一昨日の土曜日は空いていたおかげで、たまたま前立腺癌の治療法選択で相談に来られた方に納得していただけるまでお話できました。

主治医の先生の代わりに充分説明できたなあ、と一昨日は久々の「趣味 開業医」でした。

勤務医の先生達を、手術説明と同意書取得という雑用から開放してあげることができたら、大病院はもっと救急患者さんを受け入れられようになるでしょう。

でも、勤務医の先生の代わりに充分説明できるのは、まだ経営が軌道に乗っていない、「趣味で開業医」をやっている時期だけなのです。

昨日は生田でテニスしただけ。あとは、遠方の患者さんが見るページに「一見さんより常連さんが大事」などの文言を付け加えたりしていました。

こんな露骨な事を書く私は、趣味で医者してる、なんて決して言えません。
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