富士山麓にブサが鳴く

バイクに乗りたい!
ツーリングに行きたい!
でも週末は家族とも一緒に過ごしたい…!

風に温もりを感じはじめた3月下旬。
そんなpapaさん3人で朝駆けに行ってきました。

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 つい数週間前のこと。
「あした朝駆け行くよ、誰か一緒にいく…?」と、前の日の夕方に掲示板にひっそりと告知して、お返事がなかったから1人で朝駆けしてきたんだけど(久々のソロツーでとても楽しかった(^^))、後で「教えてくれたら行ったのに!」「知らせるのがおそいんじゃゴルァ!」とたいへんありがたいお叱りを頂いた。そこで、今回は3日前に書き込んでみたところ、2人の方から反応があった。

 JINさんはとなり町にお住まいのZZR1100乗り。先日のバイク道場でもご一緒させて頂いたナイスガイだ。
 そしてもう1人、blogの方に書き込んで下さったダキンさんは初めての方で……あれ、ダキンだって? ひょっとして、と思ったら、果たして既知の友人であった。しかし彼はバイク乗りではないはずだが。どういうこっちゃ?と問い合わせのメールを出してみると、車で行くという。(ははぁ、買ったばかりのGolf GTIをぶん回したいって魂胆だな)
 ふぅむ、しかしバイクと車かぁ、ちょっと面白いけど無理があるかも…。一応JINさんに聞いてみたところ快くOKの返事を頂いたので、リッターバイク2台と、GTIというちょっと異色のパーティが誕生することになった。

 Golfとは6時に御殿場で待ち合わせ。さてバイク組は用賀か海老名で待ち合わせするかぁと相談してたところ、どこをどう間違ったか、「箱根を越えて行こう」という話になり、これに合わせて4時15分に東京インターという狂った集合時間が設定された。
 早く寝なくては…と思いつつ、見つからないツーリングマップルに業を煮やし、夜10時にもなって本屋に走ったり、バタバタ、ウキウキ(^^;
 さぁ寝なきゃ。4時には家を出なきゃいけないから、目覚ましは…3時半?(早すぎですね) 

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 寝足りなかった割にはすっきりと起床。(好きなことのためなら人はいくらでも早起きできるもんだ)  4時15分ジャスト、東京インター到着。JINさんは既に来ていて、僕は腹ごしらえに朝マックを食べよう…としたのだが、なんとまだ朝マックが始まっていない!(これには驚いた) しかたなくバーガーで朝食を取り、いざ出発!
 東名も小田厚もまだ真っ暗で、ライト頼りのためスローペース。まぁ朝駆けとは言え、のんびりといきましょう(^^)
 小田原から箱根ターンパイクで上がろうと思ってたのに、ゲートが閉まっていたので箱根新道へ。
 登るにつれ、空気がシンと冷えてくる。これは…冬の寒さだな。スリーシーズン(春夏秋用)を着てきたことをちょっと後悔。でもインナーに加えウィンドブレーカを中に着込んでいるのになぁ、また気候を読み違えたなぁ…
 芦ノ湖でちょっとコーヒーブレークの後、湖畔の道を回っていくことにする。初めて通るとこだけど、ちと道が悪い。湖尻という、元箱根の対岸にあたるところもマイナに観光地化されていた。遊覧船もあるんだけど、あっちのより小さくてショボイ。(でも、こういう寂しい観光地って嫌いじゃないな)
 あとは、おなじみの箱根スカイライン(ここも営業時間前だけど、ゲートが開いていて無料開放なのだ)から御殿場へ下り、約束の時間に少し遅れたが、無事GTIと合流できた。

 簡単に自己紹介。今日のメンツは共通点が多い。半径3キロ以内に居住し、年齢が32±1歳、既婚で子持ち(1人目が女の子)のパパさんで、おまけに恐妻家だ(いや、それは俺だけか…(-_- ))

 バイク先行で行軍開始。246を横切って県道23号へ。ちょうど真東から富士山にアクセス、ここからぐるっと富士山を3/4周巡るのだ。海兵隊基地の前あたりから道幅も広くなり、交通もほとんどないので、文字通り富士山に向かって一直線に登っていく様な感じ。気持ちよく飛ばしていくと、この先チェーン必要なんて標識が出ていたので作戦会議。一瞬躊躇したけど、行ってみようや!ということになり、前進再開した。


東から富士を望む。
海兵隊基地の前には、中をバイクで走れる位のすっごい側溝がある。
フタがないので、知らないで落ちたらタダじゃすまないだろう。

 馬返し、と呼ばれるポイントあたりからワインディングになる。異常に整備された道で(軍用の利用も考えられているのか?)、とても気持ちいいのだが、なにしろ寒い! 沿道には雪が残ってるし、富士山下ろしの風も強い。二合目あたりから、道は等高線と平行になり、周回軌道に入る。標高はほとんど変わらないはずだが、周囲の雪はだんだん増えていくようだ。道はわずかに湿って見えるが… 走りながらブーツを地面に擦ってみて路面を確認。うん、なんとかまだ凍っちゃいないようだ。

 やがて来るべき時がやってきた。とうとう路面にも雪が見え始めたのだ。最初は道の端や、わだちの真ん中に少し張り付く程度だったのが、数百メータも行かないうちにどんどん白色が増えてくる。
 うわぁ、こりゃヤバイかな…。もう数カーブだけ粘ってみたけど、やっぱり状況は好転しそうになかったので、僕らはとうとう歩みを止めた。バイク組はもう進めない。GTIだけでも雪道遊んでくるかい?と勧めてみたが、ノーマルタイヤの新車で無謀なことをする気はないらしく、みんなでおとなしく回り道をすることにした。(Uターン場所を求めて少し先まで行ったダキン氏に寄れば、すぐ先から全面凍結しており、引き返したのは大正解だったらしい)

 ま、富士スカイラインが通れないかも知れないってのは、実は想定内(半死語)だったので、代替策は用意してある。富士山頂を中心として半径15キロぐらいの円周を描く、国道469号を行くことにした。
 国道に入ると、ほどなくしてぱっと視界が開けた。戦車の演習場となっている荒涼たる高原を横切っていくダイナミックなルート。「荒れ地」という表現がぴったりの、とてもニホンとは思えない風景だ。(むかし、ラリー屋の悪い友人と一緒にここいらで戦車道トライアルをしたっけか…)
 やがて再び道は林に入り、富士サファリパークを通り過ぎると、今度は見晴らしの良い牧草地に出た。ときどき通過する集落を除けば、ほとんど信号もない。疾走、疾走…!


南西から富士を望む。
朝の富士なのに逆光。
箱根側から見るより、ずっとゴツゴツした印象。

 国道から県道に入るところで道に迷いかけたが、GTIのナビに助けられリカバリー。この区間、GTI先行で案内して貰ったんだけど、飛ばすなぁ、ダキンさん。JINさんが指摘したように、コーナーでもほとんどロールしない。やっぱりGTIはぶん回してなんぼのクルマなんだ…。
 白糸の滝は営業時間前だったのでスルー(半嘘
 県道71号に入ると、いよいよ青木ヶ原樹海に突入だ!

 あぁ、夢に見た樹海。青々と茂る木々をくぐって届く木漏れ日、マイナスイオンが優しくライダーたちを包み、都会の空気で汚れた僕たちをリフレッシュしてくれる。思わずバイクを止めれば、山野鳥の鳴く声、彼方から届く滝の轟音、朝露を弾くつる植物、足下より立ち上る草の香り…

 以上、すべて妄想!
 なにしろ、さっきから述べている通り、ここいらはまだ冬なのだ。みどり色してるのは常緑樹(しかもそのほとんどが針葉樹)のみ。これらの木々もろくに活動してないからマイナスイオンなんて、出てないよ…(-_- ) 道は整備されていて気持ちいいのだけれど、今回のコンセプト「樹海疾走!」は完全燃焼とはいかなかった。

 国道139まで、比較的あっという間に到着。
 ここでちょいと寄り道をして、「ここからの富士が一番!」と名高い、紅葉台に上ってみることにした。ネットでの下調べで、紅葉台へ至るルートが険しい砂利道であることは分かっていた。でもまぁブサで上れないくらいキツイ道だったら、バイクをおいてGTIに乗せて貰えばいいさ…。
 ところが。この紅葉台へ至る唯一の道たるや、すさまじいダートだった。落差20cmもあるようなうねりが縦横に走っていて、乗用車が入っていこうと思っても、すぐアゴを擦ってしまうだろう。むしろバイクの方がまだメがあるように思われた。初めはGTIも登ってみようとしたが、やっぱりフェンダーが接触したため断念。GTIは下の駐車場に置いて置くことにした。

 さて、身の丈6尺もあるダキン氏をニケツしてダートを登っていく自信は私にはなく、JINさんの後ろにダキン氏が乗っていくことになった。さぁ、行くぞ! ZZRの後ろを、用心しいしいついて行く。ガッタガタの道だ、中腰になり(スタンディング)、ふかし気味にして登る。轍にはまると転倒必至だから、ラインにも相当気を使う。こりゃ、難儀だな。こんなところをハヤブサで走る日が来るとは…。
 ふと目線をあげると、JINさんは重いダキン氏を後ろにのせて座ったポジションのまま、すいすい登っていく。うわぁ、変態。(失礼) すげぇ、JINさん、あんたすげぇよ…と声に出して言ってしまうくらい感心した。

 荒れ荒れのダートも、後半は慣れてきて、ちょっと楽しむ余裕が出てきた。
 約10分で山頂まで踏破。下から歩いて来てる人たちもいたけど、軽く30分はかかるだろうな…。
 そして、そうまでしてたどり着いた紅葉台の頂からの見晴らしは…。これは文句なしに素晴らしかった。


北北西から富士を望む。手前に樹海が広がる。
ZZRと隼を鶴翼に並べて記念撮影。
もう少し遅ければ桜が咲いて、最高の景色となるだろう。


タンデムで荒れ荒れのダートを降りてくZZR。
よく、手ぇ挙げる余裕あるなぁ…(すごい!)

 紅葉台を下り、河口湖インターまでは10分とかからない。インター着9時半すぎ。予定より30分ほど遅れたけど、富士スカイラインでロスした分がなければ、ちょうどくらいだったんじゃないかな。
 まだまだ「朝」の時間だけど、ツーリングはここで解散。あとは各々のペースで帰宅しよう。


 JINさん、ダキンさん、どうもありがとうございました。
 4輪を交えてというのも面白かったですし、峠あり、雪道あり(^^;、富士山あり、ダートあり、と盛りだくさんで、最高のツーリングでした。 走行距離も330キロと、十分な距離で大満足です。朝早かったので車も少なかったし、10時半には帰宅できたので家族と時間を使うこともできたし、こういうのは、悪くないと思います。(ま、午後4時過ぎには眠くて眠くてお昼寝せずにはいられませんでしたが(^^; )
 また今後も朝駆けを企画しますので、宜しければみなさん、ぜひ一緒に走りましょう(^^)

#今回はデジカメ忘れて写メだったから、画像がしょぼかったことをお詫び申し上げます(^^;

Apr.1st.2006
___PoN___