羽づくろい1:チェーンメンテ
ハヤブサはメンテ・フリーのバイクだ
(え?).ガソリンさえ入れればいつでも快適に走ってくれる便利な乗り物だ
(お〜い?).
…と考えてしまうくらい,ウチのブサは元気だ.これまでトラブルといえばレギュレータの故障による充電不良のみ.これまで自分でメンテらしいメンテはほとんどしたことがない
(それどころか洗車だって1年間で4〜5回しかしていない).
しかしそれでいいのだろうか? 自分で焦がれ抜いて買った,大事なバイクだ,できることならなんとかしたい.車ではオイル交換やタイヤ交換は自分でやったもんだが,バイクではまだやったことがない.初めてのオイル交換の時にショップにやり方を教えてくれと頼んだが,結局費用は変わらないとか,廃油の処理が大変だとか,オイルレベルを見るときにバイクを垂直にしておいて見なければいけないから1人では難しい,とかいろんな理由で,やんわりと断られた.そう,そのせいでなんとなく萎縮
(?)して,メンテをショップ任せにしていたんだけど,やっぱり,自分でやれるメンテは自分でやるべきなんだ.
そこで考えた.自分でできるメンテ….廃油処理はともかく,カウルを開けて作業をするオイル交換はやや敷居が高い.じゃぁ,まぁ初めはチェーンのメンテくらいからやってみようか.
チェーンの掃除をするには、チェーンが自由に回る必要がある。つまり後輪が浮いてなくてはいけない.
(必ずしも浮いてなくてもいいんだけど、この場合は少し作業してはバイクを動かして、を延々繰り返すことになる) 教習所のバイクみたいにセンタースタンドがあればいいんだけど、隼には付いていなかった。…てぇと、どうすりゃいいんだ? まさかメンテナンス用のジャッキなんか買うわけにはいかないし。
そこでR1000の師匠
(最近はもっぱらGSFばかり乗っている)に相談してみた。
師曰く、
「車用のジャッキかまして、リアだけ少し上がってりゃいいんだよ。」
ははぁ、なるほど。前輪と、スタンドと、ジャッキの3点で支えるわけですな。となると、ブレーキは掛かってたほうがよさそうなので、ブレーキを極太輪ゴム…がなかったので、普通の輪ゴムを束にして、握った状態で固定。ジャッキは車の非常用ジャッキを拝借してきた。さてジャッキをどこにかまそうか、と隼の「底」を覗き込むと、ここにもカウルがついていた。さすが隼、こんなところでも整流してやる必要があるんだ…と感心。これはネジ4つで簡単に取れた。
フレームの部分にジャッキを当てて、いよいよジャッキアップ開始。パンタグラフジャッキならいいんだけど、「く」の字ジャッキだったから倒れないかイマイチ心配。
バイクとジャッキの間にウェスでもかまそうかと思ったけど、上げてみたら滑ることはなさそうだった。220kgの隼が重いとはいえ、車と比べたら断然軽い。ジャッキはすいすい回る。あっという間にリアが少し、浮いた。揺すってみたが案外安定している。
ギアはニュートラルに入っているから、リアタイヤは手で回すことができた。チェーンのつなぎ目の青いところを目印にして、まず1周チェック。特にチェーン自体に問題はなさそうだ。さて、では次の手順だが、
師曰く、
「エンジン掛けてチェーンを回しておいて(*1)、チェーンクリーナを吹く。汚れが酷けりゃブラシで擦れ。」
ということなのでエンジンスタート。バイクを動揺させないように気を使いながらクラッチを握り、右足で1速に入れた。…と、突然のエンスト。あぁ、そうか。スタンドが降りてるから、ギアを入れるとエンストするのか。てぇと、どうすりゃいいんだ? リアタイヤを手で回しながらっていうのも面倒だなぁ…。自動後輪回し機は食事の支度で忙しそうだし
(あとが怖いこと書いちゃった…)
。
なんかセンサーとかあるのか知らん、とスタンド周りを詳細に観察するとスタンドの付け根のところにプッシュピンを発見。押しながらギアを入れてみると、果たしてエンジンは止まらなかった。図星! 得意の輪ゴムでプッシュピンをくくり、今度こそ準備完了。
ギア1速でもチェーンの速度は結構速い。チェーンクリーナにノズルをつけ、ぶしゅ〜と十分に吹き付ける。更にエンジンはそのままでチェーンにブラシを押し当ててみた。みるみるブラシが真っ黒になる。うわぁ…。
一旦エンジンを止めて、観察。あまりキレイになった印象ではない。後輪を回しながら、雑巾でチェーンを拭くと、まだようやく地肌が見えてきた程度。雑巾はと見ると、真っ黒け。さすが5ヶ月掃除してなかっただけのことはある
(笑)。 でも汚れが酷くて、やっぱりちゃんとブラシで擦らないと駄目みたい。エンジンをかけてチェーンクリーナをもう1度吹くと、結局今度は後輪を手で回しながらブラシでがしがし擦った。

掃除前

掃除後
2回やったせいで、だいぶ綺麗になった。
(輝きは,フラッシュのせいじゃないのよ)
師曰く、
「内側・外側の溝・真ん中・それと両側面にルブをたっぷり吹け。ケチるな。」
またエンジンをかけ、チェーンを回しながら、チェーン・ルブを吹く。たっぷりと、ね。内側〜♪、外側〜♪、と鼻歌を歌いながら吹いていく。ルブを吹き終わったら、チェーンはうっすら白くコーティングされたようになった。
(つけすぎ?)
あとはジャッキを外して、またアンダーカウルをつけたら終了。よっしゃ!
メットだけ被って2〜3km試運転。時速80km/hくらいから6速にいれてエンジン緊急停止スイッチでエンジンカット。「ふぃ〜ん」という音が駆動系の音。かぶさる様に鳴るかすかな「しゃ〜」というのがチェーン音だと思うんだが、わずかに小さくなった、かな?
う〜ん、特に違いがわからん
(^^;
総作業時間は25分ちょっと。慣れればもっと速くなるだろう。これからは頻繁にやることにしよう。
次のチャレンジは、
(1)ブレーキキャリパー丸洗い&ブレーキオイル交換
(2)オイル&オイルフィルター交換
ってとこかな。研究せねば…
(誰か教えて下さい)
29th.Mar.2004
(*1)チェーンメンテ中にエンジンを掛けるのは指ハサミなどの恐れがあり,危険です.絶対にやらないで下さい.
無知ゆえの誤りであり,その後メンテ書を読んだり,また読者からのご指摘を頂き既にこの行為の危険性については承知しておりますが,「悪い見本」として文章は元のままに残しておきます.メンテは何かしらの本に一度目を通してから行いましょう(^^;.
28th.Apr.2004